今日の「オリンピック競技会(jeux olympiques, olympic games)」は
古代ギリシアで千年以上続いた
「オリュムピアー競技祭(olympiakoi agōnes : ολυμπιακοι αγωνεσ)」を引き継ぐものです。
古代ギリシアでは「オリュムピアー競技祭」以外にも 様々な競技祭が開催されました。
下の地図には、その中から、
古代ギリシア全市による 四つの「汎ギリシア競技祭」と
アテーナイとその同盟市による「汎アテーナイ競技祭」の開催地を挙げておきました。
さて問題です。それぞれの競技祭の開催地は下の地図の何処にあたるでしょう・・・
四つの「汎ギリシア競技祭」
1.オリュムピアー(ολυμπια)の「オリュムピアー(ολυμπια)競技祭」
2.デルポイ(δελφοι:古名ピュートー(πυθω))の「(ピューティア(πυθια))競技祭」
3.ネメアー(νεμεα)の「ネメアー(νεμεα)競技祭」
4.コリントス地峡(ισθμοσ κορινθου)の「イストゥミア(ισθμια 地峡の)競技祭」
「汎アテーナイ競技祭」
5.アテーナイ(αθηναι)の「汎アテーナイ競技祭」
大きな地図はこちら
解答:左から順に1,2,3,4,5で正解です。地図上の印を叩くと 解答が出ます
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では次に、それぞれの競技祭のスタジアムにズームインしてみましょう!
上の地図 右下の 距離の目盛が 「100m」「50m」位になるまで「+」ボタンでズームインし、
左上の地名をどれか押すと (出ていない場合は左上の「点 横棒」x 3 のボタン押下)
→ 古代ギリシアの 各スタジアムに 移動します
平面図等も参考にしながら
山、水辺(川や海)のありようや、
神域、スタディオン(スタジアム)等の 配置を確認してみましょう!
(以下、各競技祭の開催地案内)
1.オリュムピアー(ολυμπια)競技祭
紀元前776年再開 - 紀元後393年頃迄 1000年以上にわたって開催
(キリスト国化したローマ帝国による 強制終了/神殿破壊)
ヘーラー/ゼウスの神域とセット
2つの川(西側にクラデオス川, 南側に大河アルペイオス川)の水辺
勝者には 神域に生える オリーブ(κοτινοσ)の 冠
平面図の例
2.デルポイ δελφοι(古名ピュートー πυθω)のピューティア(πυθια)競技祭
紀元前582年、アポルローン讃歌(παιαν)の音楽競技に、運動競技が加わる
ゼウスの子で 音楽等の神 アポルローンの神域とセット (催し物を観る θεατρον(テアートロン)等も)
北側に パルナーソス山(παρνασσοσ山)
東側に カスタリア(κασταλια)の 泉と 峡谷
南側 崖下に プレイストス川(πλειστοσ川)(→水涸中)
勝者には本場「テンペー渓谷(*)」産の月桂樹(ダプネーδαφνη)の冠
(*)アポルローンに追われた δαφνηが 月桂樹になった、オリュムポス山下 ペーネイオス川 河口近くの 渓谷
平面図の例
3.ネメアー(νεμεα)競技祭
紀元前573年頃から汎ギリシア大会に
ゼウスの神域とセット
エリッソス川(ελισσοσ川)(?)の谷頭の水辺(→農地)
勝者には 芹(σελινον)の冠
模型の例
(地図で言うと左から右を見た構図の 写真と模型。
写真右奥にスタディオンがありますが、模型ではカットされています。
模型手前には、練習用走路と、馬絡みの競技に使う「馬走り(ヒッポ・ドゥロモス)」も)
4.コリントス地峡(ισθμοσ κορινθου イストゥモス コリントゥー)の イストゥミア(ισθμια 地峡の)競技祭
紀元前582年頃から汎ギリシア大会に
海辺の競技祭 海神ポセイドンの神域とセット
勝者には 松(πιτυς)の冠
「今日でも(紀元後二世紀)海沿いに松が生え」(pausanias 2.1.3)
平面図の例
5.アテーナイ(αθηναι)の「汎アテーナイ競技祭(παν_αθηναια)」
紀元前5世紀には、アテーナイの同盟市も参加する汎アテーナイ大会に
処女神(パルテノス)アテーナー(ゼウスの娘)の神域である
アクロポリスのパルテノーン神殿を見上げる イーリーソス川の水辺
勝者には オリーブ油の入った 壺
平面図の例
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