cf.gartner hype cycle 2017 メモと直訳 cf.gartner hype cycle 2018 メモと直訳
仏語/英語 (学習語)を 喋らされることは
殆どの 日本在住者、あるいは 九割方の 訪日外国人にとっては
「おもてなし」体験というよりは 「ばつの悪い/言葉を失う」体験でもありますが ...
一方で、普通に 自分の「生活語」で喋りながら
「生活語」を異にする人と会話できる
そんな「おもてなし」環境の開発も 少しずつ 進んできています ...
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(生活言語の通じるオリンピック 目次)
1.ギリシア語 (古代)
2.仏語と 英語 (1896)
3.生活言語と 音声翻訳 (2020)
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1.ギリシア語
ギリシア語生活者による 神殿のお祭である
古代オリンピック(紀元前八世紀頃-紀元後四世紀頃)の言語は ギリシア語
オリュムピア市の聖域に 各地から集まった人達の「仮設の村」は
様々な地域のギリシア語で語り合い 神殿に伝わる昔からのギリシア語に触れる 特別な場所となりました
生活語である ギリシア語で 話し 考え
社会実験し 書き留められた その成果は
人や資料の移動(交流 避難 略奪..発掘)等によって 学習されて
cf.ギリシア語読者に向けて書かれた キリスト教の新約聖書
(「verse by verse ボタン」「nextボタン」を 押すと 当該部分の 写本毎の違いを 見ることが できます)
①ペルシア語圏、ラテン語圏 に 展開し
(例えば ギリシア文字を手本とした ラテン文字整備。ギリシア語を手本とした ラテン語整備 ...)
cf.ラテン語の歌の例 大学生オリンピックのテーマ曲「gaudeamus igitur」
2017年8月大学生オリンピック2017(中華民国(台湾)台北)の 開会式版 閉会式版 歌詞付動画
②後には アラビア語圏、「俗ラテン語」圏(葡 西..「仏」等) にも 展開し
③更には 「ゲルマン語」圏(独 蘭..「英」等)にも 展開し
(例えば ゲルマン人の文字の整備。但し その後 ラテン語系ローマ人を負かした事で 逆に ラテン文字化)
十九世紀には 仏国 独国による オリュムピア市の 発掘が進められる中、
仏国のクーベルタンさんが、ギリシアのアテネ市で オリンピックを復活させることとなりました
cf.ギリシア語の歌の例「オリンピック讃歌」(1896年アテネオリンピック - )
2.国際オリンピック委員会の公用語 「仏語」と「英語」
仏語(「俗ラテン語」系)と 英語(「ゲルマン語」系)は
系統は違いますが、隣り合い 交じり合って 生まれてきた 言語でもあり、
例えば 「主語の表示を必要とするよう変化した」等の 特異な点で 共通点を持つ 言語です
近代オリンピックは 古典ギリシア語を 存立の柱としながら、
「仏語」を始めとする「俗ラテン系語言語」と
「英語」を始めとする「ゲルマン系言語」を
「生活語」とする人々が 中心となって 運営する大会として 始まりましたが
cf.第一回大会は 十四カ国が参加
印欧語の ギリシア語(1) 俗ラテン語(3) ゲルマン語(8) スラブ語(1)に
非印欧語のハンガリー語(1)を加えた 欧州中心の大会 (南米のchile国も参加)
参加者の「生活語」は 年を追って その多様性を増し、その多様性への対応も 年々進んできています
cf.手話(印言語)の大会「デフリンピック」
2017年7月 デフリンピック2017(トルコ国サムスン)公式頁 日本選手団応援頁
「手話人(印言語話者)選手団の オリンピック参加」等も 注目されるところです
開催市(*)の競技場辺は 多くの人が交流する「仮設の国際村(*)」となり
ギリシア語を始めとする 世界中の言葉に触れる 特別な機会の一つとなっています
(*)「開催市」の「選手村」
「東京市」が 第二次世界大戦中に廃止された為、
東京五輪2020では 東京五輪1964と同様
「東京都」が「東京市」の役割を 代行します
「選手村」は「コンパクト五輪」理念に基いて
東京市の 南の郊外(品川沖)に 選手村と 競技場の 隣接した
「選手が 歩いて暮らし 語り合う 国際村」が生まれるはずでしたが
「コンパクト五輪」理念は いつの間にか無くなって...
東京市の 南の郊外のバス停から 西の郊外の職場へ
高速道路を二千台のバスで 選手が ピストン輸送される大会となり
選手村は ベッドタウンの団地に 近いものとなりました...
さてここで 国際オリンピック委員会の公用語である
「仏語」と「英語」が 通じる地域と 通じない地域を 確認してみましょう
①国際オリンピック委員会の第一外国語は 「俗ラテン語」系言語の「仏語」
次に挙げる 仏語地図の 濃い部分は 仏語人口80%超の国。以下 20%刻みで 色分けされています
日本を含む 世界の多くの場所( ≒ 仏語が殆ど通じない地域)が
薄く(0-19%)塗られていているのは 仏語学習者人口が 数に入れられている為...
訪日外客数の 約2%が 仏語圏からの訪日外客数です
上に挙げた地図は 国単位で塗り分けられています
都市単位で 更に詳しく見てみると
左上のカナダ(全体が薄く塗られています)は
仏語人口の大半が カナダ右下の モン_レアル市に 集中しているようです
右下のアフリカは ガボン国が濃く塗られていますが
都市単位で見ると 元は一つの都市であった 双子都市
ガボン国の隣国の コンゴ共和国ブラザビル市/コンゴ民主共和国キンシャサ市に
仏語(学習者)人口が集中しているようです
さて ここで問題です
都市単位で 仏語人口が多いのは 次の三都市です
それぞれ 場所はどこでしょう...?
1.フランス国パリ市(paris) ← 2024年夏季五輪開催市
2.コンゴ民主共和国キンシャサ市(kinshasa)
3.カナダ国モン_レアル市 (mont_réal「王の山」 英語訛りの読みは「モント_リオル」) ← 1976年夏季五輪開催市
解答例
1.右上に フランス国パリ市 (paris)
2.右下に コンゴ民主共和国キンシャサ市 (kinshasa)
隣接するコンゴ共和国ブラザヴィル市 (brazzaville)も そうですが、
「生活語」というよりは 国の共通の「学習語」として 元宗主国の言語 仏語が用いられています
先生の授業語としての「仏語」(cf.聾学校の「口話教育」)
生徒同士の会話や 町中での人々の会話は「地域の生活語(リンガラ語等々)」(cf.聾学校の放課後の「手話」)
3.左上に カナダ国 モン レアル市 (mont_réal「王の山」 英語訛り(*)の読みは「モント_リオール」)
カナダの仏語話者は カナダの右端 ケベク州(le québec)の 更に 右下、
カナダの首都オタワから右側に伸びる水辺、
聖ロラン川(fleuve saint-laurent) 聖ロラン湾(golfe du saint-laurent)の 水辺に 集中しています
(*)英語訛りの主要素のひとつ「15世紀以降の 母音の変音による 発音と綴りの ズレ」
他の言語と同様の 発音と綴りの 一致関係を持っていた英語は
発音と綴りの 特異なズレを持つ 言語となりました...
英国人にも 他国人にも 嘆かれ続ける 英語の 発音と綴りの ズレ...
『古典学の歴史 a history of classical scholarship』(sandys著 ケンブリッジ大学出版 1903)第二巻
232-234頁 ギリシア語/ラテン語の 英語訛り問題について (1608年の 二つの事例)...
今日では 更に、英語訛りの綴りで アジアの固有名詞が 表記されてしまう事例も ...
(日本では 例えば 新明和を「shinmaywa」と綴る類)...
→「仏語が通じる地域」は 「仏国」と 仏語移民の掌握した「カナダ国 モン レアル市辺の 水辺」
「仏語が 比較的 通じる地域」は アフリカ大陸の幾つかの都市(コンゴ民主共和国キンシャサ市等)
その他の 日本を含む殆どの場所は 基本 仏語が 通じない地域です
②国際オリンピック委員会の第二外国語は 「ゲルマン語」系言語の「英語」
次に挙げる 英語地図の 濃い部分は 英語人口80%超の国。以下 20%刻みで 色分けされています
日本を含む 世界の多くの場所( ≒ 英語が殆ど通じない地域)が
薄く(0-19%)塗られていているのは 英語学習者人口が 数に入れられている為...
訪日外客数の 約10%が 英語圏からの訪日外客数です
「英語を生活語とする人口が多い地域」は
移民が 英語を持ち込んで 占拠した 左上の カナダ 米国(*)、右下の オーストラリア ニュージーランド、
(*)因みに 2028年夏季五輪開催予定の
米国ロサンゼルス市(los angeles ロス アンヘレス(天使達)市)は
米国では ニューヨーク市に次いで 人口の多い 市
米国の市の中で スペイン語(「俗ラテン語」系言語)人口の割合が 最も多い市です
(スペイン語人口 四割, 英語人口 四割, その他 二割)
この地域は
18世紀にスペイン人が占拠 (新スペイン国 → メヒコ国) した後
19世紀に 米国とメヒコ(mexico)国の戦争後 メヒコ国から 米国に 割譲された 地域です
cf.メヒコの文化 特に食文化の例
メヒコ散歩(メヒコ国の 教育テレビの五分間番組。メヒコ市(ciudad de mexico :cdmx)散歩等
「英語が 通じやすい地域」は
英語もその一つである ゲルマン諸語を生活語とする人の多い 北欧のゲルマン語諸国
以下に 北欧のゲルマン語諸国の地図を 挙げておきました
北欧の海辺のゲルマン語諸国 で 英語人口の色が 濃く塗られているのが
左から 「アイルランド」「イギリス(英国)」「オランダ」「デンマーク」「ノルウェー」「スウェーデン」
中欧のゲルマン語諸国で 英語人口の色が薄めに塗られているのが
上から「ドイツ」「スイス」「リヒテンシュタイン」「オーストリア」です
因みに 英国は
四つの国で構成される 連合王国(united kingdom)ですが → 地図などはこちら
英語を含むゲルマン諸語の他に、ラテン語人 ゲルマン語人に追いやられた
ケルト諸語(κελτοσ)が それぞれの国の公用語となっています
(great britain島の 三つの「国」)
1「イングランド(england(engla_land)):アングル族の地 (首都 london)」公用語は 英語
2「スコトランド(scot_land):スコト族の地 (首都 edinburgh)」
公用語は 英語と ケルト語派のgàidhlig語 (日本語解説)
3「ウェイルズ(wales):(アングル_サクソン族から見た)外国人の地 (首都 cardiff)」
公用語は 英語と ケルト語派のcymraeg語 (日本語解説)
(ireland島の北部の「国」)
4「北アイルランド(northern ire_land):īra人の地 (首都 belfast)」
公用語は 英語と ケルト語派のgaeilge語 (日本語解説) 等
ケルト諸語は 今日 仏国/英国辺等で 使われている 言語ですが、
仏国では「共和国の言語はフランス語である」為 公用語ではありません
ケルト人の収穫祭に関係すると言われる「ハロウィン(halloween)」
英国スコトランドのケルト語による説明と 蕪提灯「lòchran snèipe」をどうぞ ...
→「英語が 通じる地域」は 「英国」と
英語移民の掌握した「カナダ」「米国」「オーストラリア」「ニュージーランド」
「英語が 通じやすい地域」は 「英語」と同系の ゲルマン諸語を「生活語」とする諸国
その他の 欧州の俗ラテン語圏や 日本を含む殆どの場所は 基本 英語が通じない地域です
3.東京五輪2020における 生活言語
東京で耳にする言語は 基本 それぞれの話者の「生活語」
2017年現在、東京で 日本語の他に よく耳にするのは、
東京で暮らす印度人の ヒンディー系の言葉や ドラヴィダ系の言葉、
東京で暮らすフランス人の 仏語、様々な地域からの旅行者の 生活語 等々
学校や会社に作られる 特別な環境以外では
「学習語としての 仏語/英語」を 耳にすることは それ程 多くありません
一方、新しいもの好きの間では
スマートフォンの 文字翻訳機能や 音声翻訳機能を使って
そうした様々な地域の「生活語」同士で交流することは 珍しいことではなくなってきました
スマートフォンに加えて
人工知能に繋がった「音声対話スピーカー(amazon echo, google home等)」等々の普及も
東京五輪2020の言語環境を変える 要因の一つとなる 可能性があります
ボタンを押さなくても 音声で 音声翻訳機能の呼び出し等ができる 「音声対話スピーカー」...
例えば amazon「echo (bluetooth_speaker_with_wifi_alexa(*))」
(*)alexaは ギリシア人王朝時代のエジプトの町「αλεξανδρεια」の図書館をイメージした 人工知能
この分野で 総務省が進めているのが「グローバルコミュニケーション計画」
多言語音声翻訳環境を社会実装しようというもので、
実現すれば 「学習言語」とは無縁の生活を送る 多くの生活者/旅行者に 大きな恩恵をもたらす可能性があります
cf.国立研究開発法人 情報通信研究機構の 多言語音声翻訳アプリvoice_tra (音声_翻訳)の
音声認識部分に加えて 機械翻訳部分にも「神経網式」導入の報道発表(2017年6月)
cf.恩恵については、例えば 国立研究開発法人 科学技術振興機構の月刊誌『情報管理』2017年8月号
「機械翻訳の新しいパラダイム 「神経網式 機械翻訳」の 原理」では
(生活語である)日本語で考えることへの 貢献について 次のように述べられています
「機械翻訳が進化することは 多くの人にとって有益であることは 間違いない。
現 京都大学総長の 山極先生が,英語はあくまでツールであり
日本語で考えるべきだとおっしゃっている。
確かに英語で会話するときなどは 日本語と英語間の翻訳のための負荷が脳にかかり,
日本語だけで会話しているときほど まともに考えることができない。
いつか機械翻訳が この負荷を限りなくゼロにすることができれば,
世界全体が今より少しだけよくなるかもしれない。
われわれ研究者はそんな日を迎えられるよう,
脳内翻訳を駆使して 機械翻訳の改良に努めなければならないと思う。」
東京五輪2020は
社会実装への 多くの 様々な人の 参加と
それに応じる 諸企業 研究機関の 頑張りによって
音声翻訳の種が もし芽吹いたとしたら
「生活語」で考えながら
「生活語」を異にする人と会話する
「様々な生活語の 音声翻訳体験」を
「先行体験」として 選手村や 町中で 提供する 大会
「仏語」「英語」は 通じないが
「様々な生活語が そのまま通じる日本」を 実証し
「様々な生活語が そのまま通じる」 様々な 体験エピソードを生み、更に
「様々な生活語が そのまま通じる世界」理念を 世界に示す大会になるのかもしれません
下に挙げるのは「gartner社 hype_cycle 2017」
新技術の 先行者による喧伝と 実際の普及(あるいは消滅)の周期の 予想図 (2017年8月版)ですが
音声翻訳関連の技術が 多く取り上げられています
cf.gartner hype cycle 2017 メモと直訳
ネット媒体は 一般市場に 広く普及して
古代アテネ市の 民主制を支える 諸媒体同様
「群れて 同じ声を上げる楽しみ(*)を 体験させてくれる 媒体」ともなりましたが
(*)群れて 同じ声を上げる楽しみは アテネ市の 自滅に直結した 楽しみともなりました
「gartner社 hype_cycle 2017」に見られる 音声翻訳の諸媒体は
ネット媒体とは違う切り口の 声の楽しみを 体験させてくれるものに なるのかもしれません
音声翻訳の諸媒体が普及した場合の その後の展開の有り様も 興味深いところです
(*)音声翻訳の「(通信)手順」の展開も興味深いところです (音声翻訳による会話への 導入の仕草 等々)
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