新橋夢クリニック通院記録

2013年6月顕微授精で1人目を授かりました。二人目治療再開も無精子で断念。通院記録の全てを綴っています。

精子調整の方法 遠心分離

2015-11-11 17:32:06 | 男性不妊
 採精における遠心法というものを見つけたので記録用に添付。


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患者さんにご提出いただいた精液は、卵子と受精させる前に培養士が不要な成分を除去し、治療の目的に合わせて精子濃度の調整を行います。調整方法は受精法や精子・精液の状態によって異なる場合がありますが、当院では基本的に以下の1~3の手順で元気な精子を選別しています。

1.アイソレート処理(密度勾配遠心法)
  採精後、30分以上静置してサラサラに液化した精液を、上の図のように精子分離剤であるアイソレート液(Irvine Scientific社:ISolate)に重層し、遠心分離器にかけます。形態が正常で元気な精子は細胞密度が高く、容器の一番下に白い層となって沈殿するため上澄み液を除くことで元気な精子だけを分離・濃縮することができます。このように精液中に混在する不純物(奇形や未熟な精子・死んだ精子・白血球 など)との比重の違いを利用して良好精子だけを選別する方法を、密度勾配遠心法と呼びます。

2.洗浄
  卵子や受精卵の培養に使用する培養液に精子を懸濁し、遠心分離器にかけた後の上澄み液をスポイトで除去します。これをさらに繰り返すことで十分に精子を洗浄し、アイソレート液を完全に取り除きます。

3.Swim-up法
  あらかじめ容器に1ml程度の培地を準備し、容器の底に2・3で濃縮洗浄した精子を注入します。このとき、培地と精子懸濁液が二層を形成するよう静か に操作を行います。容器を30°ほど傾けた状態のまま10~20分間静置すると、精子が自身の運動性によって上層の培養液中へ泳ぎ出てくる(Swim- up)ため、回収した培養液からより運動性の高い精子だけを得ることができます。

 お預りした精液は、精子の受けるダメージを制限するため採精後2時間以内に培養士が調整を行います。調整後の精子浮遊液は、最適な環境条件に設定されたインキュベータの中で卵子と出会うまで大切に保管されます。

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お持ちいただいたご主人の精液を分離剤の上に載せて遠心分離にかけます。

すると遠心力によって比重の重たい精子は試験管の最下層に集まってきます。

採取の際に混入した雑菌や尿道などの剥離細胞などは比重が軽いために最下層には落ちてきません。遠心分離にかけ精子が集まった最下層のみを残し上層は廃棄します。

しかし最下層の部分での死んだ精子がかなり混じりっていますので元気な精子のみを集めないといけません。

このためその上に体外受精などで使用する培養液を1ml載せて30分補と斜めにして静かに置いておきます(斜めにするのは2つの層の接する表面積を多くするため)。

するとその載せた培養液中に元気の良い精子は泳ぎ上がってきます。

もっとも泳ぎ上がって来た後に下の層に戻って言ってしまう精子も出てきますが、一定の時間が経過すると上がってくるものと下がっていくものとの数が一定になります。

この上の層の元気の良い精子がほとんどとなった培養液の部分のみを取り出して子宮の中に注入する手技です。



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