いきもの散歩

近所の自然観察、飼育している川魚の記録

トンボ観察@5月中旬 〜ホソミ*の連結産卵初見〜

2018年05月21日 | 昆虫類
5月中旬に静岡県東部で観察したトンボたち。


ホソミオツネントンボ

連結


連結から交尾へ


連結産卵


水辺の草に産卵管を突き刺し、卵を埋め込む。

ホソミオツネントンボの交尾、連結産卵を初めて見た。この池はホソミオツネントンボ、ホソミイトトンボ、クロイトトンボの楽園だった。


アサヒナカワトンボ

♂(橙色翅型) キツネノボタンの花と


♂(無色翅型) ハルジオンの花にとまる


♀ くすんだ色をした個体


湿地に面する林縁で複数の♂(無色翅型)が交尾の機会を伺っていた。連結に成功し交尾に至るもの、逃げられた雌を樹上まで追うもの。様々なドラマが見られた。


♂ ミズバショウの葉の上で


♂ 夏日の清流にて


ミヤマカワトンボ

富士山麓の川にて2頭の雌を確認。昨年の同じ時期は1頭のみを確認した。自分が知っている静岡県東部のフィールドで、最も早くミヤマカワトンボを観察できる川。


アオモンイトトンボ

♂?


未成熟♀


♀ アオモンイトの産卵は今年初見

田んぼ脇水路、川、湿地にて確認。


ホソミイトトンボ

♂ この池はホソミイトの楽園だった。


書籍「日本のトンボ」にある写真を見て、その連結産卵を見たいと思っていたのだが、ついに実現した。ただ、交尾は見れなかった。

アジアイトの楽園も見てみたいのだが、静岡県東部にあるのだろうか。


クロイトトンボ




交尾


未成熟♂


ムスジイトトンボ

♂ 田んぼ脇水路にて

個体数は前回と変わらず。5頭ぐらい。風が強かったことによる影響があるかも?


キイトトンボ






湿地にて。
ピントが全然合ってない。風が強くて撮影しづらかった。その上、めまぐるしく太陽が顔を出したり、雲に隠れたりするので、集中が切れてしまった。


ダビドサナエ

未成熟♂
富士山麓の川にて。上付属器がまだ白っぽい。
この川での出現期はきっちりとは把握できていないが、5月中旬〜6月下旬の観察記録がある。


♂ 川沿いの農道を散策していたら、対岸の樹林から目の前に舞い降りてきた。



ダビドサナエだろうと思いつつも、デジカメの液晶で確認すると、翅胸前面の模様がダビドサナエの逆「ハ」の字ではない。初見のサナエトンボかとワクワクした。しかし、腹部第10節の側面が突出しており、それはダビドサナエ雄の特徴そのもの。逆ハの字と後方の黄斑が繋がった個体ということか・・・


ヤマサナエ


ヤマサナエは近くで撮影させてくれることが多い。近づき過ぎて飛び上がったが、再びすぐ近くにとまってくれた。



今年は多数のヤマサナエに会えている。しかし、雄ばかり。今回初めて雌に会えた。川沿いの農道を歩いていたら、向こう岸の樹林から舞い降りてきた。



同じ川沿いの農道で、こちらも目の前に舞い降りてきた。サナエトンボはヤンマと違って、こういうことがあるので助かる。


♂ こちらも目の前に舞い降りてきて、ヒメジョオンの花にとまった。


♂ こちらも目の前に舞い降りてきた。サービス良すぎ。少し食傷気味で、他のサナエトンボ(ダビドサナエは除く)だったらと正直思ってしまった :)


ショウジョウトンボ


標高400メートルぐらいの池で、成熟した真っ赤な雄を10頭ぐらい確認。静岡県東部の平地で自分はまだ確認できていない。平地から段々と成熟した個体が見られると思い込んでいたので、この状況にはびっくりした。


シオヤトンボ







未成熟♀

富士山麓の湿地にて。ここでは、昨年の同じ時期には20頭以上を確認し、交尾も見られた。しかし、今回の個体数は7, 8頭。また、交尾が見られるような雰囲気はなかった。未成熟個体が見られたが、シーズンはそろそろ終わりという感じ。個体数に関しては、昨年の5月下旬〜6月上旬の状況に似ている。4月の気温の高さが影響し、今年は昨年よりもピークが早かったのではないだろうか。ともあれ、今年は出遅れた。


シオカラトンボ

未成熟♂ 柔らかそうに見える複眼





産卵時は雄が警護飛翔する場合もあれば、ない場合もあった。この池では産卵がよく見られ、交尾も数回確認できた。


ハラビロトンボ




未成熟♂ 朝露で濡れた翅





♂ 寸詰まりな個体
支障なく交尾ができるのだろうか?
余計な心配?

写真は富士山麓にある湿地やトンボ池周辺で撮影したもの。
湿地では10頭ぐらいを確認。ここでは昨年の同じ時期は1頭のみ、その1週間後に今回と同じぐらいの個体数を確認した。ここでの出現期は5月中旬〜8月。ただ、8月は個体数が少ない。昨年のピークは7月上旬頃だったが、今年は少し早まるのかもしれない。

平地では見かける未成熟個体の数が減った。羽化のピークが過ぎたのだろう。今まで未成熟個体が多く見られた"水辺から少し離れた場所"では、成熟した雄は見かけず、雌を多く目にするようになった。水辺近くでは、前回よりも成熟した雄を見かけるようになった。次回の観察時は昨年の5月下旬に見られたような、多数の青白い粉を帯びた成熟雄たちが、水辺付近で縄張り争いする様子を見られるのかもしれない。
平地での出現期は4月下旬〜6月。7月〜8月上旬も見かけるが、個体数は非常に少ない。昨年のピークは5月下旬だった。


ヨツボシトンボ




♀ 腹部が太ましい

富士山麓のトンボ池やその周辺で確認。個体数は10頭ぐらい。縄張り争い、交尾飛翔、産卵、捕食を観察した。
昨年の同じ時期には20頭以上確認した場所で今回は全く見かけなかった。また、他の場所では昨年と比べて個体数が少なかった。今回全く見かけなかった場所については心配だが、個体数が少なかったのは、やはり4月の気温が高くてピークが早まったからではないのだろうか。


ウスバキトンボ


川沿いの土手で3頭が飛んでいた。


####### 5月中旬に観察したトンボたち #######
ホソミオツネントンボ
アオハダトンボ*、アサヒナカワトンボ、ミヤマカワトンボ#
アオモンイトトンボ、ホソミイトトンボ、クロイトトンボ、ムスジイトトンボ、キイトトンボ
クロスジギンヤンマ*、ギンヤンマ#*
ダビドサナエ、ヤマサナエ
コフキトンボ#*、ショウジョウトンボ
シオヤトンボ、シオカラトンボ、ハラビロトンボ
ヨツボシトンボ、ウスバキトンボ
全20種
# 今年初見
* 目視確認のみ


今回行った水辺の中で3ヵ所は初めて訪れた。
その1つの池はホソミオツネントンボ、ホソミイト、クロイトの楽園だった。またそこは、数は少なかったが、クロスジギンヤンマとギンヤンマが混生していた。その2種が混生する場合があるのは聞いたことがあったが、このような状況は初めて見た。その他にはシオヤトンボ、ヨツボシトンボなどが見られた。この池で見られるトンボが、季節によってどのように変わるのか興味がある。毎月訪れてみたいが、ちょっと難しいかも。
初めて訪れた他の2ヵ所では、トンボが見られなかった。来月また行く予定なので、その時に何でもいいのでトンボに会えたらいいな。




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