いきもの散歩

近所の自然観察、飼育している川魚の記録

エサキモンキツノカメムシ

2018年12月08日 | 昆虫類



川沿いで散策中に会ったエサキモンキツノカメムシ。形態的には小楯板にあるハート型の斑紋が特徴的なツノカメムシの仲間。生態的にはメスは卵や幼虫を守るといったおもしろい習性がある。
和名の「エサキ」は日本の昆虫学者、故江崎禎三博士に捧げられたものとのこと。

ハートを背負ったカメムシ | 標高700m 榛名山麓の自然と暮らし
最初の「エサキ」は昆虫学者の江崎悌三博士。大正から昭和にかけて活躍した研究者で、自宅に何冊かある昆虫図鑑にもその名前を見つけることができる。また、オオムラサキを国蝶として提唱したことでも知られている人物である。だが、このカメムシを研究したのは江崎氏ではない。学名の命名規約では最後に命名者の名前を記すということになっているので、「HASEGAWA」 が命名者である。調べてみると、このカメムシが最初に記載されたのは1959年のことで、命名したのは旧農林省農業技術研究所の長谷川仁氏とわかった。江崎氏が亡くなったのが1957年だから、亡くなってから2年後に長谷川氏が江崎氏を偲んで命名したということなのだろう。


類似種にモンキツノカメムシがいて、こちらは小楯板の斑紋がハート型ではなく、逆三角形になる。しかし、エサキモンキツノカメムシにも逆三角形状になる個体がいたり、モンキツノカメムシにもハート型に見えるような斑紋を持つ個体がいたりするので(via モンキツノカメムシとエサキモンキツノカメムシ他 ( 生物学 ) - 星谷 仁のブログ - Yahoo!ブログ)、斑紋の形状だけで判断すると誤同定となる可能性がありそうだ。星谷仁さんのブログにある両者の写真を、ツノカメムシの「ツノ」の由来である前胸の肩の部分に注目して見比べてみると違いを感じられる。


この日は以下のカメムシにも会った。

チャバネアオカメムシ


クモヘリカメムシ

写真のカメムシはすべて普通種であり、成虫で越冬する。


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