8月中旬に静岡県東部で観察したトンボたち。
〜8月中旬に観察したトンボ〜
アサヒナカワトンボ、ミヤマカワトンボ、ハグロトンボ
アオモンイトトンボ、セスジイトトンボ、ムスジイトトンボ
コシボソヤンマ、ミルンヤンマ、ギンヤンマ
ウチワヤンマ、タイワンウチワヤンマ、コオニヤンマ、オナガサナエ
オニヤンマ
ミヤマアカネ
コフキトンボ、ショウジョウトンボ
シオカラトンボ、オオシオカラトンボ
チョウトンボ、コシアキトンボ、ウスバキトンボ
全22種
アサヒナカワトンボ
橙色翅型♂
無色翅型♂
♀
交尾は、湧泉地の樹林が覆った薄暗い場所で、正午少し過ぎに始まった。アサヒナカワトンボの交尾を見るのは6月上旬以来で、8月に交尾を見るのは初めて。真夏日ではあったが、湿度が低くカラッとした晴れの天気だった。それまでの猛暑に慣れてしまった体には、かなり過ごしやすく感じた。カワトンボも同様に感じ、それが引き金となって交尾に至ったのかも知れない。
日中は数頭しか見かけなかったが、夕方になると10頭ぐらいが姿を現した。小さな虫を捕食する様子が観察された。
ミヤマカワトンボ
川の上流域で川石にとまる個体が、僅かだが見られた。ミヤマカワトンボのシーズンはそろそろ終わりで、このままフェードアウトしていくのだろう。この川の上流の中流域側では、ハグロトンボが多数見られた。
この川では今年は7月下旬ぐらいがピークだったようで、昨年と比べると総じて個体数が少なかった。昨年は8月上旬〜中旬がピークだった。このピークの違いは、昨年の夏は天候不順、今年の夏は猛暑続きといった天候の違いによるものだと推測している。
ハグロトンボ
夏のカワトンボであるハグロトンボ。この川では30頭以上を確認した。
オスがメスに何度も誘いかける。しかし、メスは乗り気でない。オスがメスに乗りかかり、交尾にもっていこうとするが、うまくかわされてしまう。1時間ほど観察していたが、こんな調子のままで交尾には至らなかった。今思うと、メスは私にナーバスになっていたのかも。もっと距離をとって観察すべきだったかな。ハグロトンボの交尾の観察・撮影は今年の目標の1つなのだが、達成するのは思っていたよりも簡単ではない。しかし、湧泉地のハグロトンボは出現期が長い(昨年は11月上旬まで確認)ので、チャンスはまだある。
アオモンイトトンボ
♂
同色型♀
異色型♀
異色型♀の未成熟個体
久しぶりに平地でアオモンイトを観察してきた。ある田んぼ脇水路では30頭以上が見られ、多数のメスがオオカナダモに産卵していた。それでも、今年2回目のピークであった7月中旬からは個体数が減っていた。他にも池、湿地周辺などを廻ってみたが、二化目のピークに比べて個体数が激減しているところが少なくなかった。フィールドによっては今年3回目のピークが9〜10月に見られると思う。
セスジイトトンボ
アオモンイトが多数いる田んぼ脇水路でオス3頭を確認。近くの池から飛来してきたと推測しているが、その池には近づけないため、状況を確認できない。
ムスジイトトンボ
アオモンイトが多数いる田んぼ脇水路で、セスジイトと共に確認(オス1頭のみ)。近くの池から飛来してきたと思われる。
ミルンヤンマ
♂
♀
♀
♂
@ぶら下がり
今回は7頭(♂*4, ♀*3)のぶら下がりを確認した。
18:15にはぶら下がっていた個体を18:24に確認しに行くと、いなくなっていた。黄昏飛翔に参加したのだろう。
@黄昏飛翔
18:10〜18:45ぐらいの間、黄昏飛翔を観察。ミルンヤンマの黄昏飛翔を初めて観察した昨年は、暗い中、10頭ぐらいが飛び回り、3頭ぐらいが自分の回りを膝から腰の高さで飛んだりしたので興奮した。今回の黄昏飛翔は3頭だけで、1頭が自分のすぐ近くを低く飛んだ。個体数が少なく、昨年に比べると盛り上がりに欠けた。
ミルンヤンマとは関係ないが、足元近くに巨大なガガンボ(ミカドガガンボ?)が5頭集まっていた。繁殖に関連した行動だったのだろうか。
@産卵
夕方に川の上流域でハグロトンボを観察していると、ミルンヤンマとコシボソヤンマのメスが水面上を低く飛び、何度か通り過ぎていった。何回か近くにとまり、産卵するようなポーズで腹端を地面に押し付けるが、すぐに移動してしまった。
また、昨年、一昨年とミルンヤンマの産卵を観察したフィールドに夕方に行ってみたが、産卵中のメスは見つからなかった。この場所で夕方の産卵は一度見たことがある。しかし、午前中から観察し始める方が much better なのだろう。
ということで、今回はミルンヤンマの産卵シーンを見ることができなかった。まだチャンスはあると思うので、観察を継続していきたい。ただ、コシボソヤンマの産卵を見るのは今年も厳しそう。もっと観察しやすい場所を探す必要がありそうだ。
ギンヤンマ
田んぼ脇水路で連結産卵するペア。
以前(2016.01下旬)、この水路ではギンヤンマのヤゴを採取したことがある。
ウチワヤンマ
今回は2頭のみ確認。混棲するタイワンウチワヤンマは10頭以上を確認した。この池でウチワヤンマを観察できるのは今月いっぱいぐらいかな。
タイワンウチワヤンマ
ウチワヤンマの数は減ってきて、混棲するタイワンウチワヤンマは増えてきた。天候不順だった昨年の夏のデータしかないので、今後の個体数の推移は予想しづらいが、この池では9月中旬ぐらいまでは見られるのではないだろうか。
コオニヤンマ
この川では今回1頭しか見かけなかった。この個体は、この川で見る今年最後のコオニヤンマになるかもしれない。
オナガサナエ
オナガサナエ♀(写真はすべて同一個体)
川沿いを散策していると、オナガサナエのメスが右腕にとまった。しばらく、にらめっこが続いたが、こちらが根負けし、腕を軽く動かして離れるように催促した。すると、飛び上がって近くの柵にとまった。その後は撮影会に移行。近距離から思う存分、写真を撮らせてもらった。
オナガサナエのシーズンは9月上旬ぐらいまでなので、今年はあと1頭会えるかどうかかな。今年はここまでオス1頭、メス2頭に会った。名前の由来となっているオスの尾部付属器を最後に見て、今年のオナガサナエの見納めにしたいところだ。
オナガサナエ♂ 2018.07下旬
ミヤマアカネ
川の上流域で未成熟♂を1頭のみ見かけた。ここはこの川でミヤマアカネをよく見かける場所よりも数百メートル下流側。ここでミヤマアカネを見るのは初めて。この日の最高気温は28.1℃(最低気温は18.4℃)でカラッと晴れ、爽やかな秋のような天気だった。このことと関係があるのだろうか。
コフキトンボ
♂(上)、♀(下)
一昨年は多数のコフキトンボが見られ、オビトンボ型♀にも会えた池周辺。しかし、昨年同様、今年も個体数が少ない。数が減った原因は何だろう。
コフキトンボのシーズンは終わりが近づいている。コフキトンボのシーズンが終わると、ここへは足が遠のく。
ショウジョウトンボ
♂(上)、♀(下)
シオカラトンボ
ナイスキャッチ!
オオシオカラトンボ
川の上流域にて。
オスの姿が見えない場所でメス3頭に会え、じっくりとメスを観察することができた。オオシオカラトンボのメスが、近くにとまるシオカラトンボのオスを追い払う様子が見られた。
チョウトンボ
7月中旬に20頭程を確認した池周辺に1ヶ月ぶりに行ってみると、オス1頭しか見つからなかった。チョウトンボもシーズンの終わりが近づいているので、次回見納めをしておきたい。
ウスバキトンボ
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8月もついに下旬。8月下旬〜9月上旬は夏のトンボの見納めをやっていきたいと思っている。しかし、台風20号が明日から明後日にかけて接近・上陸する模様。また、その後も台風が連続して発生する可能性があり、計画通りにトンボを観察するのは難しそうだ。
〜8月中旬に観察したトンボ〜
アサヒナカワトンボ、ミヤマカワトンボ、ハグロトンボ
アオモンイトトンボ、セスジイトトンボ、ムスジイトトンボ
コシボソヤンマ、ミルンヤンマ、ギンヤンマ
ウチワヤンマ、タイワンウチワヤンマ、コオニヤンマ、オナガサナエ
オニヤンマ
ミヤマアカネ
コフキトンボ、ショウジョウトンボ
シオカラトンボ、オオシオカラトンボ
チョウトンボ、コシアキトンボ、ウスバキトンボ
全22種
アサヒナカワトンボ
橙色翅型♂
無色翅型♂
♀
交尾は、湧泉地の樹林が覆った薄暗い場所で、正午少し過ぎに始まった。アサヒナカワトンボの交尾を見るのは6月上旬以来で、8月に交尾を見るのは初めて。真夏日ではあったが、湿度が低くカラッとした晴れの天気だった。それまでの猛暑に慣れてしまった体には、かなり過ごしやすく感じた。カワトンボも同様に感じ、それが引き金となって交尾に至ったのかも知れない。
日中は数頭しか見かけなかったが、夕方になると10頭ぐらいが姿を現した。小さな虫を捕食する様子が観察された。
ミヤマカワトンボ
川の上流域で川石にとまる個体が、僅かだが見られた。ミヤマカワトンボのシーズンはそろそろ終わりで、このままフェードアウトしていくのだろう。この川の上流の中流域側では、ハグロトンボが多数見られた。
この川では今年は7月下旬ぐらいがピークだったようで、昨年と比べると総じて個体数が少なかった。昨年は8月上旬〜中旬がピークだった。このピークの違いは、昨年の夏は天候不順、今年の夏は猛暑続きといった天候の違いによるものだと推測している。
ハグロトンボ
夏のカワトンボであるハグロトンボ。この川では30頭以上を確認した。
オスがメスに何度も誘いかける。しかし、メスは乗り気でない。オスがメスに乗りかかり、交尾にもっていこうとするが、うまくかわされてしまう。1時間ほど観察していたが、こんな調子のままで交尾には至らなかった。今思うと、メスは私にナーバスになっていたのかも。もっと距離をとって観察すべきだったかな。ハグロトンボの交尾の観察・撮影は今年の目標の1つなのだが、達成するのは思っていたよりも簡単ではない。しかし、湧泉地のハグロトンボは出現期が長い(昨年は11月上旬まで確認)ので、チャンスはまだある。
アオモンイトトンボ
♂
同色型♀
異色型♀
異色型♀の未成熟個体
久しぶりに平地でアオモンイトを観察してきた。ある田んぼ脇水路では30頭以上が見られ、多数のメスがオオカナダモに産卵していた。それでも、今年2回目のピークであった7月中旬からは個体数が減っていた。他にも池、湿地周辺などを廻ってみたが、二化目のピークに比べて個体数が激減しているところが少なくなかった。フィールドによっては今年3回目のピークが9〜10月に見られると思う。
セスジイトトンボ
アオモンイトが多数いる田んぼ脇水路でオス3頭を確認。近くの池から飛来してきたと推測しているが、その池には近づけないため、状況を確認できない。
ムスジイトトンボ
アオモンイトが多数いる田んぼ脇水路で、セスジイトと共に確認(オス1頭のみ)。近くの池から飛来してきたと思われる。
ミルンヤンマ
♂
♀
♀
♂
@ぶら下がり
今回は7頭(♂*4, ♀*3)のぶら下がりを確認した。
18:15にはぶら下がっていた個体を18:24に確認しに行くと、いなくなっていた。黄昏飛翔に参加したのだろう。
@黄昏飛翔
18:10〜18:45ぐらいの間、黄昏飛翔を観察。ミルンヤンマの黄昏飛翔を初めて観察した昨年は、暗い中、10頭ぐらいが飛び回り、3頭ぐらいが自分の回りを膝から腰の高さで飛んだりしたので興奮した。今回の黄昏飛翔は3頭だけで、1頭が自分のすぐ近くを低く飛んだ。個体数が少なく、昨年に比べると盛り上がりに欠けた。
ミルンヤンマとは関係ないが、足元近くに巨大なガガンボ(ミカドガガンボ?)が5頭集まっていた。繁殖に関連した行動だったのだろうか。
@産卵
夕方に川の上流域でハグロトンボを観察していると、ミルンヤンマとコシボソヤンマのメスが水面上を低く飛び、何度か通り過ぎていった。何回か近くにとまり、産卵するようなポーズで腹端を地面に押し付けるが、すぐに移動してしまった。
また、昨年、一昨年とミルンヤンマの産卵を観察したフィールドに夕方に行ってみたが、産卵中のメスは見つからなかった。この場所で夕方の産卵は一度見たことがある。しかし、午前中から観察し始める方が much better なのだろう。
ということで、今回はミルンヤンマの産卵シーンを見ることができなかった。まだチャンスはあると思うので、観察を継続していきたい。ただ、コシボソヤンマの産卵を見るのは今年も厳しそう。もっと観察しやすい場所を探す必要がありそうだ。
ギンヤンマ
田んぼ脇水路で連結産卵するペア。
以前(2016.01下旬)、この水路ではギンヤンマのヤゴを採取したことがある。
ウチワヤンマ
今回は2頭のみ確認。混棲するタイワンウチワヤンマは10頭以上を確認した。この池でウチワヤンマを観察できるのは今月いっぱいぐらいかな。
タイワンウチワヤンマ
ウチワヤンマの数は減ってきて、混棲するタイワンウチワヤンマは増えてきた。天候不順だった昨年の夏のデータしかないので、今後の個体数の推移は予想しづらいが、この池では9月中旬ぐらいまでは見られるのではないだろうか。
コオニヤンマ
この川では今回1頭しか見かけなかった。この個体は、この川で見る今年最後のコオニヤンマになるかもしれない。
オナガサナエ
オナガサナエ♀(写真はすべて同一個体)
川沿いを散策していると、オナガサナエのメスが右腕にとまった。しばらく、にらめっこが続いたが、こちらが根負けし、腕を軽く動かして離れるように催促した。すると、飛び上がって近くの柵にとまった。その後は撮影会に移行。近距離から思う存分、写真を撮らせてもらった。
オナガサナエのシーズンは9月上旬ぐらいまでなので、今年はあと1頭会えるかどうかかな。今年はここまでオス1頭、メス2頭に会った。名前の由来となっているオスの尾部付属器を最後に見て、今年のオナガサナエの見納めにしたいところだ。
オナガサナエ♂ 2018.07下旬
ミヤマアカネ
川の上流域で未成熟♂を1頭のみ見かけた。ここはこの川でミヤマアカネをよく見かける場所よりも数百メートル下流側。ここでミヤマアカネを見るのは初めて。この日の最高気温は28.1℃(最低気温は18.4℃)でカラッと晴れ、爽やかな秋のような天気だった。このことと関係があるのだろうか。
コフキトンボ
♂(上)、♀(下)
一昨年は多数のコフキトンボが見られ、オビトンボ型♀にも会えた池周辺。しかし、昨年同様、今年も個体数が少ない。数が減った原因は何だろう。
コフキトンボのシーズンは終わりが近づいている。コフキトンボのシーズンが終わると、ここへは足が遠のく。
ショウジョウトンボ
♂(上)、♀(下)
シオカラトンボ
ナイスキャッチ!
オオシオカラトンボ
川の上流域にて。
オスの姿が見えない場所でメス3頭に会え、じっくりとメスを観察することができた。オオシオカラトンボのメスが、近くにとまるシオカラトンボのオスを追い払う様子が見られた。
チョウトンボ
7月中旬に20頭程を確認した池周辺に1ヶ月ぶりに行ってみると、オス1頭しか見つからなかった。チョウトンボもシーズンの終わりが近づいているので、次回見納めをしておきたい。
ウスバキトンボ
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8月もついに下旬。8月下旬〜9月上旬は夏のトンボの見納めをやっていきたいと思っている。しかし、台風20号が明日から明後日にかけて接近・上陸する模様。また、その後も台風が連続して発生する可能性があり、計画通りにトンボを観察するのは難しそうだ。