天皇皇后両陛下は、1月17日、神戸市の兵庫県公館で兵庫県が主催する「阪神・淡路大震災30年追悼式典」に御臨席され、参列者とともに黙禱を捧げられた。
追悼式典が行われた兵庫県公館(筆者撮影)
天皇陛下はお言葉で、「震災の経験と教訓を基に、皆が助け合いながら、安全で安心して暮らせる地域づくりが進められるとともに、そこで得られた知見が国の内外に広がり、次の世代へと引き継がれていくことを期待いたします」と述べられ、犠牲者への哀悼の意を表された。
宮内庁によると、上皇上皇后両陛下は、震災発生時刻の午前5時46分に合わせて、仙洞御所で御黙禱された。愛子内親王殿下も同日、皇居・御所で御黙禱され、犠牲者を追悼された。
《皇室と阪神・淡路大震災》
上皇上皇后両陛下は在位中、震災直後の御見舞いをはじめ、平成13年の復興状況の御視察、震災から10年ごとの節目の追悼式典御臨席のため、被災地を行幸啓されている。
皇太子同妃時の天皇皇后両陛下は、外国訪問の予定を切り上げ、被災地を訪問されたほか、震災から1、5、15年の追悼式典に御臨席されている。
神戸の総鎮守である生田神社は、阪神・淡路大震災で拝殿の屋根が倒壊するなど大きな被害が出た。
生田神社(筆者撮影)
上皇陛下は、造営復興遷座奉祝祭で幣帛料を御下賜されており、その後も、10年ごとの節目に兵庫県を行幸された折には、幣饌料を御下賜されている。
天皇陛下(現上皇陛下)による幣饌料の立札(筆者撮影)
神戸市役所に隣接する公園「東遊園地」には、阪神・淡路大震災の犠牲者を追悼する「慰霊と復興のモニュメント」とともに、上皇后陛下の歌碑「皇后陛下御歌」がある。
阪神・淡路大震災 慰霊と復興のモニュメント(筆者撮影)
1.17 希望の灯かり(筆者撮影)
笑み交わし やがて涙のわきいづる
復興なりし 街を行きつつ
この御歌は、平成18年の歌会始において、神戸の市街地を御視察された皇后陛下が、街で出会う人々と笑みを交わし、復興の喜びを分かち合われながらも、それぞれの人が越えてきた苦難を思い涙ぐまれた記憶を詠まれたものです。
上皇后陛下の歌碑「皇后陛下御歌」(筆者撮影)
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