「トゥレット友の会」ブログ         ~トゥレット症(チック症)に関する情報発信と活動報告~

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日本の食品は安全でなかった?環境化学物質が胎児や子どもの発達にどう影響するのか?

2014年08月02日 | 発達障害関連情報

7月7日のブログでご案内した講演会「発達障害の子どもたちの現状と社会の役割」のご報告です。
*2014/07/27、「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議の総会記念講演」が開催されました。
当日は別件で参加できませんでしたが、参加した友人からの報告です。

①先ず、最初の講演は国立精神・神経医療研究センターの神尾陽子氏のお話です。
発達障害の早期発見、早期支援が極めて重要であり、
地域社会で取り組むべき課題であると述べられていました。

発達の偏りがあることによって、様々な困難が慢性化しやすく、
その結果、うつ病や不安障害など精神障害も生じ、ひきこもりになるケースも少なくないと
述べられています。
下記のグラフは合併症として挙げていますが、慢性チックも高率で発症しています。
ちなみに、チック障害は発達障害ですが精神障害ではありませんし、必ずしも自閉症の二次的障害では
ありません。チック障害は発達神経症であり、チック障害のみの単独発症の人もたくさんいます。




②次の講演は環境脳神経科学情報センターの黒田洋一氏です。
発達障害の増加の原因として環境科学物質(農薬、PCB、重金属など)を指摘されていました。
なんと、驚いたことに、日本の農法って「農薬大好き」だったのですね!知らなかった~(恐い)!
 注:無農薬、有機栽培などと謳っていても、その種は農薬に汚染されてないとは限らないようです。



*農薬大国        第1位・・・韓国/第2位・・・日本
*発達障害の発症率  第1位・・・韓国/第2位・・・日本

「農薬大国」と「発達障害の発症率」の第1・2位が一致するところの意味は見過ごすことが
出来ないとありました。


以下は講演のレジュメからの抜粋です。
 「1990年頃から世界的なミツバチの大量死が起こり社会的問題となった。
その原因のひとつとして、ネオニコチドイド系農薬の神経毒性の強さが
無視できなくなり、EUでは使用禁止などの公的規制が始まった。
 日本でも、ミツバチの大量死は各地で起こったが、
日本では規制どころか、「サイエンス」や「ネイチャー」の論文が出た後でも
ミツバチ大量死とネオニコ農薬毒性との因果関係を少なくとも農薬会社は認めていないようだ。
 また、日本の食品安全規制ではネオニコ農薬の日本のADI(1日摂取許容量)はEUや米国と
同じ値であるが、なぜか食品中残留基準は極端に甘く、種類によっては数十から数百倍緩いものもある。

 発達障害のメカニズムは共通で、特定の脳高次機能に対応する機能神経回路発達の異常と
考えられ、どの神経シナプス形成・維持に異常がおこったか、によって症状が決まる。
発症の引き金を引く環境要因も、出産関係のトラブル、脳内化学物質環境(関連遺伝子群も関係)、
養育環境など多様であるが、いずれも神経回路の形成・維持にかかわる遺伝子の発現を
変化させる広義のエピジェネチックな影響による。
 発達障害はこのような特定のシナプスの脆弱性を遺伝的に持った子どもの脳へ
毒性化合物の侵入などによる遺伝子発現変化が引き金となり、
結果としてシナプス形成、維持、脱落など「シナプス異常」をおこす場合がおおいと考えられる。 
 これまでの論文では有機リン系、ネオニコチノイド系などの農薬類、PCB、ダイオキシンなどの
有機塩素化合物、水銀、鉛などの重金属類、サリドマイド、バルプロ酸などの薬品に
発達障害を起こす毒性(発達神経毒性)が知られている。
しかし、これで全てではなく、毒性評価系が確立するようになれば、
未知だった新しい“発達神経毒性化学物質”が次々に報告されるであろう。」
                                (以上、黒田洋一郎氏のレジュメより抜粋)

難しい話は分かりませんが、
発達障害の発症のメカニズムは脳機能の問題とされています。
そういった意味では、脳へ影響を及ぼす環境汚染は抑制してほしいですね。




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