義犬伝説
天徳年間(957~961年)紀州のある猟師が鹿を追って滝のあたりに来た時、連れていた愛犬がうるさく吠えたてました。
そのせいで獲物を取り逃がした猟師は、怒って犬の首をはねてしまったのです。愛犬の首はそのまま踊り上がって、猟師を呑もうと狙っていた大蛇にかみつき、蛇とともに息絶えてしまいました。
犬が吠えたのは、主人の危急にいち早く気づき、救おうとしたからでした。この心を知った猟師は悔いて修行者となり、愛犬をねんごろに供養し、また自分の田地を不動堂に寄進しました。
この時より宇多帝(うだてい)より犬鳴山と勅号を賜うたのである。
犬鳴山は、1300余年前に修験道の霊場として修験山伏道の開祖といわれる役(えん)の小角(おづね)「役の行者(えんのぎょうじゃ)」によって大和大峯山より6年早く開山され、現在でも行者の滝に打たれる修験者の姿を見ることができる。麓の温泉街は、従来七宝瀧寺の門前町であったところから犬鳴温泉郷として今日に至っている。
植生は、スギ、ヒノキの人工林が多く集約的な林業が行なわれ、コナラ、リョウブ等の広葉樹も広く分布し、モミジ、カエデの紅葉美も添え、わが国古来の多彩な自然が残されている。
七宝瀧寺
不動明像
「役の行者(えんのぎょうじゃ)像
ぼけふうじ
行の滝
駐車場付近
志津の涙水(願いがかなう)