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(ひまわり 2024年8月撮影)
あまりにも暑い2024年のこの夏も、
太陽の下でひまわり畑の向日葵達は
何も変わることなく吹く風にただ揺れていた。
思い出したことがあるんだ。
忘れたわけじゃないんだ。
忘れるわけはない。
そうだろう?
いまでは咲き誇る向日葵達が揺れる畑のどこかに
僕もそこに居るように思うかもしれないけれど
君こそここに居るようで、
でもここには居ない。
それと同じだよ。
そうだろう?
憧れと諦めと
拭えない孤独とわずかな希望と
大空が青ければ青いほどに
湧きたつ雲が白ければ白いほどに
夏の陽射しが強ければ強いほどに
それらは陽炎となって
手が届きそうな
でも届かないような距離で
いつだって揺れているだろう
いつまでも揺らいでいるのだろう
僕等はそれぞれにどこかの断崖の岬で咲く向日葵
吹きつける海からの厳しい風のなか
ただひとり そこに咲いている
そして
やがて往く夏を
またここから見送ろうとしている