内覧会で表面的な傷や機能不備が見つかって直すことはもちろんですが、
もっと根本的な問題についてきちんと見ておく必要があります。
マンションを購入する方はその辺の建物の建設時の問題点を確実にチェックして購入しなければ後悔することになってしまいます。
シリーズ4回目は各種の結露について考えてみます。
結露は内覧会の時期が冬期出なければチェックできませんが、断熱地域区分に合わせた断熱材やサッシュの仕様が合っているかどうかの
確認が必要になります。
特に区域1・2・3地域では住宅性能評価や長期優良住宅・住宅金融支援機構仕様で建設していない建物についてはチェックが必要です。
断熱材はその性能によって厚さが大きく違いますから、仕上げの上から見てもその性能について確認することは不可能です。
事前に施工状況を確認するか、それができない場合は内覧会の時に断熱材の施工写真を見せて頂き、断熱地域区分に合った性能の断熱材が使用されているかどうかチェックしてください。
見えないところの施工については比較的見落としがあって、わずかな断熱材の隙間から結露水が滴り落ちるような現象が起きてトラブルのもととなります。
換気扇の排気管の外壁から1m程度の範囲でも断熱がされていないため入浴中に背中に冷たい水滴が落ちてくるような事例もあります。
また、所定の性能が発揮されていない断熱施工がされていた場合、仕上げの下地の部分で内部結露が生じてカビ発生や建材の老朽化が促進されてしまいます。
サッシュも断熱地域区分に合わせた仕様のものが採用されているか確認してください。
区分1・2地域ではかなり仕様条件が厳しく設定されていますので、設計図の段階で地域仕様に合っているかどうかの確認をする必要があります。
サッシュは工事に掛った直後に建設会社からサッシュ製造業者に発注され仕様が決定してしまう為、変更をすることは難しく、事前に長期優良住宅仕様等の仕様で設計されている建物を選ぶこと、または、その仕様に準じて設計されている建物を選択することが必要です。
結露については建物断熱仕様に大きくかかわってきますので、購入者は居住地の断熱地域区分を調べて断熱材の仕様や施工状態をしっかり確認しなければなりません。施工会社が大手の建設会社であるとか大きな分譲会社であるとかは関係なく自身の目で見て確認してください。
次回は漏水についてお伝えします。