ばりふりっと鳥羽 ~ぬくとまるバリアフリー観光地~

伊勢志摩バリアフリーツアーセンターより、鳥羽市及び伊勢志摩のバリアフリー観光情報を発信しています。

視覚障がい者の伊勢志摩旅行 

2012-11-26 13:23:20 | バリアフリー情報
こんにちは
伊勢志摩バリアフリーツアーセンターです。

当センターは、障がい者や高齢者のための観光案内を行っている
民間の団体ですが、
身体障がい者だけではなく、
視覚障がい者のお問合わせも、年間10件程度あります。

この度旅行コーディネートをしたのが、
関西からお越しのIさん(男性・弱視)と、Aさん(女性・全盲)のお二人。
Iさんは盲導犬ユーザーでもあり、伊勢志摩BFTCをご利用されての旅行は、今回で4回目です。

いつも、視覚障害のお友達といらっしゃるため、
現地でのボランティアも合わせて依頼されます。

今回、お願いしたボランティアさんは駅ボラでも活躍されている、
男性1名(2日ともサポート)と、女性2名(1日ずつ交代で)にお手伝いしていただきました。


旅行スケジュール
【1日目】
11:00 鳥羽駅到着 ボランティア出迎え ドルフィンパークで盲導犬のトイレ休憩
12:00 CANばすで 二見プラザへ(昼食・買い物)  二見シーパラダイス、夫婦岩・興玉神社散策
17:00 錦浦館泊(JR鳥羽駅から徒歩2分)

【2日目】
9:00 ボランティア 錦浦館お迎え
9:30 CANばすで マコンデ美術館へ
12:00 鳥羽社会福祉協議会「ひだまり」でランチ
14:00~15:00 ひだまりデイサービスにて、よし笛コンサート
15:30~16:20 丸傳商店(まるでんしょうてん) 訪問
17:00 近鉄にて、帰路につく

このブログを読まれる方のご参考までに、
詳しくご説明しますね!

まず、1日目の二見シーパラダイスhttp://www.futami-seaparadise.com/さんは、
日本屈指のふれあい水族館として有名!

トドやセイウチに触ったり、一緒に写真を撮る事も出来ます!

この写真は車いす専門員のTちゃん。モデルになってもらってます。

カワウソとも握手ができますよ~。

ガラス越しに、筒からかわいいお手てを出してくれます。

とにかく、来園者と海の生き物との距離が近い、まさにふれあい水族館なのです。



しかし、人間以外にも、補助犬を連れて行ったらどうなるの?
ということで、
2009年に行われた三重県補助犬普及協会さんの「補助犬受け入れキャンペーン」で、
二見シーパラダイスに、盲導犬とそのユーザーさんを連れて行き、
実証実験を行っております。

もしかしたら、海獣と盲導犬のご対面時に、パニックになるかも。。。」

すると、全く問題がなかったことがわかりました!

そのキャンペーンで更に素晴らしい成果があったのですが、
二見シーパラダイスのスタッフの方々が、
「見えない人への見せ方」を色々と工夫してくださって、
滞在時間を存分に楽しませてくださいました。

例えば、
ゾウガメをだっこさせてくれたり、
コバンザメの剥製にて、鮫肌を体感させてくれたり!

Iさんは、そんなおもてなしのある二見シーパラダイスの大ファン!
今回で3回目の来園です。

今回は、シーパラダイズで飼育しているペンギンや豚やフェネックに触らせてくれたりしたそうですよ!


来館中、スタッフがつきっきりで案内してくれたそうで、
Iさん、Aさんはもちろん、ボランティアの方々も大感激!


また2日目に訪問したマコンデ美術館http://www2.ocn.ne.jp/~makonde/は、
アフリカ/タンザニアのマコンデ高原に住んでいたマコンデ族の彫刻を集めた私設美術館ですが
彫刻の他、絵画や楽器、民族資料など、600点もの展示があります。

彫刻はどれも力強く、そしてユニークで、
館長さんの見立て?で、様々なタイトルが付いています。

「虫歯を治す男」

「浣腸をする医者」
タイトルと実際に触った感じとを照らし合わせた、インスピレーションゲームができますよ!

また、視覚障がい者に限り、一部を除き、どの作品にも触ってOKというから、驚きです!


更に、「目の不自由な方のコーナー」もあり、

民族楽器を手にとって演奏することもできます。



触ってはダメの作品には、タイトルの札に赤丸シールが付いています。

先が尖っていたり、破損しやすいデリケートなものには、このシールが付いていますので、
触らないでくださいね!





そして、午後からは「ひだまりデイサービス」にて、よし笛コンサート
よし笛とは、その名の通り植物の「葦(よし)」で出来ており、
音色は素朴で味わい深いものがあります。

IさんとAさんは、よし笛サークルで知り合ったそうで、
共に演奏を始めて1年半。
しかし、Iさんはすでに、地元の老人福祉施設での演奏経験もお持ちだそうで、
当日は、
「アメージンググレース」や、「涙そうそう」の他、
「赤とんぼ」や「ふるさと」を
よし笛の演奏に合わせてみんなで歌いました。


また、演奏後はハーネスを外した盲導犬とのふれあいタイム!
盲導犬についての質問コーナーや、
おやつを使っての「待て」「お手」のパフォーマンス。

そして、デイサービス利用者へのご挨拶もしました。


盲導犬(補助犬)って、お仕事中は大変おとなしく、
ユーザーさんのサポートに徹していますが、
ハーネスを外すと、とたんに「ワンちゃん」になるのねぇ。

それが、また健気でキュート!

ボランティアさんになでられて、
あーあぁ。こんな格好(お腹丸見え)に!


Iさん、Aさんのよし笛の音色と、ゆかいなトークで、
大変盛り上がったコンサートになりました。

デイサービスのスタッフからも沢山お礼のお言葉を頂き、
マッチングした我々も、本当に良かったなと思います!

そして、最後に訪問したのが、
鳥羽一丁目の丸傳(まるでん)商店さんhttp://awabi.shop23.makeshop.jp/
伊勢志摩産のあわび、サザエ、なまこなどの海産物の卸、販売を行っています。

また、あわびを丸ごと独自製法で加工した「磯笛あわび」などの販売もしています。

これがまた、ふっくらやわらかく、味わい深くて、美味なんですねぇ。


今回のお客様のために、特別に、
看板娘のKちゃん(美人です!)が、案内をしてくれました。



さざえを小さいサイズ順に手に持たせ、
大きくなるにつれて、ずっしり重くなる感触に、
海の恵を感じます。


また、以外にカワイイのが、なまこちゃん!

手に取った時は、ちょっと固めで、丸くなっているのに、
なまこちゃんの緊張がとけていくにつれて、次第にトロトロに!
手になじんできて、指の間からトロリ垂れ下がる感触は、
なんとも言えず、愛らしい!?

そんなことを、視覚障がい者にも楽しんでもらえるようにわかりやすく、
そして楽しく説明するKちゃんは、スバラシイ!

1泊2日の旅行でしたが、ボランティアさんや様々な方々のご協力のお陰で、
存分に伊勢志摩旅行を楽しんだIさんとAさんでした。


おまけの写真は、
盲導犬の顔写真。

ちょっと気の弱いところもある、かわいい男の子(8才)です。











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