【写真】吠える。叫ぶ。田中が8回無失点で無傷の11勝。投げれば勝つ。マー君神話はいつまで続く(撮影・土谷創造)
(パ・リーグ、楽天70ロッテ、9回戦、ロッテ5勝4敗、2日、Kスタ宮城)
マー君、いやマー様でしょ! 楽天は2日、ロッテ9回戦(Kスタ宮城)に70で完勝した。首位攻防第1戦を任された、絶対的エース・田中将大投手(24)が8回を9安打6奪三振無失点で勝ち投手。自身の開幕からの連勝を11に伸ばし、昨年からの連勝も15とした。さらに、31イニング連続無失点は球団最長記録とまさにメモリアルの豪華オンパレード。チームを3連勝と波に乗せ、3日にも待望の首位に立つ。
右肩をアイシングしたまま勝利のハイタッチに加わった。田中がこの試合前のチーム打率(・269)がリーグ2位の首位ロッテを8回無失点。エースの好投で、その背中をはっきりと捉えた。
「カードの頭を取って、後ろにつなげられればいいなと思っていた。打たれすぎましたが、守備の助けもあって無失点に抑えられた」
観衆1万4347人の前で9安打を許したが無四球。計116球、完封も見えたが、余力を残してマウンドを降りた。
最大のピンチとなった三回二死一、三塁では、今江を141キロの内角スプリットで詰まらせ、二ゴロに仕留めた。今季は無走者での被打率・226に対して、得点圏に背負うと・170。この日の最速は150キロ。無走者でもクイックで投じるなど、変幻自在の投球をここ一番で披露した。
「三回は意識して(クイックで)投げた。首位のチームだから、そう簡単にはいかないけど、いかなる状況でも抑えられるように投げた」
実は理想とする“究極球”がある。「思い切って腕を振って、110キロくらいしか出ない直球がほしい。絶対に打てないですよ」。打者心理に立ち、直球だけの緩急差(約40キロ)でタイミングを崩す、超一流だからこその発想だ。練習中のキャッチボールでも真剣だ。周囲から「ライジング・ツーシームを投げて!」、「次はライジング・カットを」と無理難題なリクエストをされても快く“試投”。その結果こそ「嘘ですよ」とけむに巻くが、“新マ球”の開発にも余念がない。
この豊かな想像力も手伝って自己記録の開幕11連勝、昨季からの連勝も15とした。今や防御率、勝ち星、勝率の堂々の“3冠”だ。連続イニング無失点も31として、球団最長記録を更新。記録の百貨店ともいうべき豪華オンパレードだ。
星野監督は、無失点に「まだまだ。60回までいってほしい」。村田兆治(野球解説者)の開幕11連勝に並んだことに、「兆治と一緒じゃ、まだダメ。斉藤和巳(05年、開幕15連勝)までいかないと」とあえて高いハードルを設定した。
田中は「自己記録? シーズンを終わってから振り返られるようにしたい」と勝負師の顔に戻った。きょう勝てばチームの貯金は10。70試合目で首位に並ぶ。エースの奮投を足がかりにイヌワシ軍団が青空高く舞い上がる。
(サンケイスポーツ 07/03 07:20)
(パ・リーグ、楽天70ロッテ、9回戦、ロッテ5勝4敗、2日、Kスタ宮城)
マー君、いやマー様でしょ! 楽天は2日、ロッテ9回戦(Kスタ宮城)に70で完勝した。首位攻防第1戦を任された、絶対的エース・田中将大投手(24)が8回を9安打6奪三振無失点で勝ち投手。自身の開幕からの連勝を11に伸ばし、昨年からの連勝も15とした。さらに、31イニング連続無失点は球団最長記録とまさにメモリアルの豪華オンパレード。チームを3連勝と波に乗せ、3日にも待望の首位に立つ。
右肩をアイシングしたまま勝利のハイタッチに加わった。田中がこの試合前のチーム打率(・269)がリーグ2位の首位ロッテを8回無失点。エースの好投で、その背中をはっきりと捉えた。
「カードの頭を取って、後ろにつなげられればいいなと思っていた。打たれすぎましたが、守備の助けもあって無失点に抑えられた」
観衆1万4347人の前で9安打を許したが無四球。計116球、完封も見えたが、余力を残してマウンドを降りた。
最大のピンチとなった三回二死一、三塁では、今江を141キロの内角スプリットで詰まらせ、二ゴロに仕留めた。今季は無走者での被打率・226に対して、得点圏に背負うと・170。この日の最速は150キロ。無走者でもクイックで投じるなど、変幻自在の投球をここ一番で披露した。
「三回は意識して(クイックで)投げた。首位のチームだから、そう簡単にはいかないけど、いかなる状況でも抑えられるように投げた」
実は理想とする“究極球”がある。「思い切って腕を振って、110キロくらいしか出ない直球がほしい。絶対に打てないですよ」。打者心理に立ち、直球だけの緩急差(約40キロ)でタイミングを崩す、超一流だからこその発想だ。練習中のキャッチボールでも真剣だ。周囲から「ライジング・ツーシームを投げて!」、「次はライジング・カットを」と無理難題なリクエストをされても快く“試投”。その結果こそ「嘘ですよ」とけむに巻くが、“新マ球”の開発にも余念がない。
この豊かな想像力も手伝って自己記録の開幕11連勝、昨季からの連勝も15とした。今や防御率、勝ち星、勝率の堂々の“3冠”だ。連続イニング無失点も31として、球団最長記録を更新。記録の百貨店ともいうべき豪華オンパレードだ。
星野監督は、無失点に「まだまだ。60回までいってほしい」。村田兆治(野球解説者)の開幕11連勝に並んだことに、「兆治と一緒じゃ、まだダメ。斉藤和巳(05年、開幕15連勝)までいかないと」とあえて高いハードルを設定した。
田中は「自己記録? シーズンを終わってから振り返られるようにしたい」と勝負師の顔に戻った。きょう勝てばチームの貯金は10。70試合目で首位に並ぶ。エースの奮投を足がかりにイヌワシ軍団が青空高く舞い上がる。
(サンケイスポーツ 07/03 07:20)