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ミケマル的 本の虫な日々

『女のいない男たち』 


 アカデミー賞でも話題になった映画『ドライブ・マイ・カー』の原作
村上春樹の『女のいない男たち』
この本は短編集で、その中で最初のお話が『ドライブ・マイ・カー』です。
出版された時にチラッと読んだ気がするのですが、すっかり忘れていたので最近また読みました。

  


 村上さん自身が前書きを書いていて(珍しい事だそうな)、この本ができた経緯を説明しています。
この短編集は「女のいない男たち」というテーマを中心にある時期に書いたもの。
なぜかこのテーマが浮かんだとのこと。
その中でも『ドライブ・マイ・カー』を一番最初に書いたそうな。

 6篇の短編が入っていますが、やっぱり最初の『ドライブ・マイ・カー』が一番良かったかなと思います。
6篇とも男性の話だけれど、男性から見た女性を書いているように読めました。
そして、それが謎に満ちているっていう事。
男性と女性は付き合っても、セックスしても、結婚しても結局分かり合えないっていう事。

 村上さんは男性だから、男性から見た女性の謎の部分を描いていると思うので、それはそれでなるほどなと思うけれど、私の思う女性はそんなに謎だらけではないよって思うのだった。
男性でも女性でも謎の人はいるし、人間はみんな単純ではないけれど。
村上さんの女性像は一種のダークファンタジーのように感じました。
登場人物の精神性と肉体性のアンバランスを描いているようにも。
でも、それも興味深かったかな。
『ドライブ・マイ・カー』の映画はまだ見てないけど、この短編をどういう風に長い映画にしたのかに興味があります。


 

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