夢と現実のおとぼけバラエティー

実際に夢で見た内容を載せています。それと落語や漫才・コント・川柳・コラムなどで世相を風刺したりしています。

創作落語 『与太郎の新入社員』

2019-11-05 14:34:27 | 夢と現実のおとぼけバラエティー
        

     テン・テン・ツク・ポン・テケ・テン・テン・テケ・ツク・ポン




           『与太郎の新入社員』



     え〜、相変わらずのところでございまして・・・、
      世の中にゃあ、いろいろな職業がございますが、
        まあ、なんですなあ、近頃の若い人は、
    学校を卒業しても、さて、どんな仕事に付いたらいいものか、
     これがサッパリ分からない・・。
       しょうがないから、ニートにでもなろうってなもんで、
   まさか、ニートも職業の一つとは思ってはいないでしょうが、
     親の脛(すね)えかじってりゃあ、なんとか生存できる。
       学校でなに習ってきたんでしょうねえ??

   昔の幕臣といやあ、今で言う国家公務員ですな。
     そのまんまでも、オマンマは食えるんですが、
       もっと出世して、良家の養子になろうってんで、
   動機は、あまりパッとしませんが、
     それでも勉学の意欲に燃えましたそうで。
        中には、真面目に出世した人も居ましたようで、
     「遠山の金さん」のおとっつあん遠山景普(かげみち)って人も、
       ふつうの旗本でしたが、「学問吟味」という難しい国家試験に
         見事合格しまして、
           長崎奉行にまで、出世したそうでございます。





与太郎  「近頃、ニートだとか世間が騒がしくなってくると、
      あたいのところまで、マスコミがくるといけないなあ・・」

大家   「おお、与太郎じゃあないか、どうした?」

与太郎  「あのねえ、いま、ニートニートって騒がれてるでしょ・・」

大家   「おお、そうだなあ。それがどうした?」

与太郎  「あたいのところまで、マスコミが押し掛けてこないか、心配で・・」

大家   「はっはっはっ・・、おまえさんはニートの元祖だからなあ。
      ことによったら、押し掛けてくるかもなあ」

与太郎  「あたいもねえ、仕事しようかなあ・・」

大家   「なに、おまえさんが仕事をする・・?」

与太郎  「仕事して、出世しようかなあ・・」

大家   「なに、出世をする・・? わるいこといわないから、やめときな」

与太郎  「あたいが出世したら、大家さんに都合でも悪いのかい・・?」

大家   「いや、そうではないが、まあ、無駄な考えだと思うぞ」

与太郎  「あたいのおじさんがね、小さな会社やってるんだ。
      そこでサラリーマンやってみる」

大家   「そう簡単にはいくまい。 まあ、止めたほうがいいだろうよ」

与太郎  「あのね、なにごともやってみなけりゃ、わからないだろ。
      なせばなるんだよ。    
      そこで相談なんだけど、出世するコツを教えてもらいたい」

大家   「なにを言うかとおもえば、
      まあ、世の中でこんな無駄なことはないな。
      おまえさんに出世のコツを教えたなんて知れたら、
      あたしが世間のもの笑いになる」

与太郎  「そんなこと言わずに、ねえ、ひとつ簡単にたのむよ」

大家   「まあ、おまえさんにごたごた言ってもしょがないか。
      では簡単なやつを言うぞ、よいかな。
      上役や同僚に対しては、いつでもこう言うんだ。
      "さよう、しかり、ごもっとも、そうでござるか、しかとぞんぜぬ"
      ・・とな」

与太郎  「へえ〜、それだけでいいのかい?」

大家   「それだけでいい」

与太郎  「へえ〜、さよう、しかり、・・・」

大家   「さよう、しかり、ごもっとも」

与太郎  「さよう、しかり、・・・さよう、しかり、ごもっとも、・・」

大家   「そうでござるか、しかとぞんぜぬ」

与太郎  「さよう、しかり、・・・さよう、しかり、ごもっとも、
      ・・そうでござるか、しかとぞんぜぬ」

大家   「よしよし。その調子だ」

与太郎  「よしよし、その調子だ・・」




       ・・で、おじさんの会社に無理に入れてもらって・・




課長   「おい、新入り。この書類をコピーしてくれ」

与太郎  「さよう」

課長   「なぬ・・? 」

与太郎  「しかり」

課長   「おい、書類をコピーしてくれと言うとるんじゃ」

与太郎  「ごもっとも」

課長   「ワシをバカにしとるんか・・? 」

与太郎  「そうでござるか・・」

課長   「このやろう、かんべんならん!! 」

与太郎  「しかとぞんぜぬ・・」

課長   「クビだーッ!!」

与太郎  「効き目が無いからまとめて言ってみるか。
      さようしかりごもっともそうでござるかしかとぞんぜぬ。
      これでどうです?」





            お後がよろしいようで・・



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