夢と現実のおとぼけバラエティー

実際に夢で見た内容を載せています。それと落語や漫才・コント・川柳・コラムなどで世相を風刺したりしています。

漫才『天下百分の一の計』

2019-10-13 16:51:44 | 夢と現実のおとぼけバラエティー
      

   テン・テン・テケ・ツク・テン・シャン・テン・の・スッ・テケ・テン・・・


          『天下百分の一の計』


      はい、お待たせしました。ようこそおいでやす。
     元気ハツラツ、あちゃら・こちゃらでございまっせェ。
      すっかり紅葉の季節とあいなりましたでんな。
        全国的に地球温暖化でございます・・。
  あのなあ、10年後には小氷河期が来るいううわさも聞いてまっせえ。
    そうかいなぁ? ほな両方仲良くして、紅葉見物といきまひょ。
           そら、よろしおまんな。




あちゃら 「日本人は幸せでっせぇ。綺麗な紅葉を見られて・・」


こちゃら 「あのなぁ・・、いま新緑ですがな」


あちゃら 「もう新緑かいな。桜もよう咲いてはります」


こちゃら 「そろそろ紅葉見物の季節やなぁ」


あちゃら 「地球温暖化にもめげず、季節は巡る・・」


こちゃら 「人間社会は、今はデフレスパゲティとかで大変とちゃうか」


あちゃら 「スパゲティーやおまへん、デフレスパイラル」


こちゃら 「そうそう、そのスパイラルが曲者らしでぇ」


あちゃら 「あんた解かてんのか?」


こちゃら 「ぜんぜん、よう解からん」


あちゃら 「なんや、頼りない人やなあ。ほな解りやすういうとな・・」


こちゃら 「はいはい」


あちゃら 「不景気やさかい、物が売れへんよって、物価が下がる・・」


こちゃら 「物価が下がるんは、ええことやないか」


あちゃら 「あ、そやなぁ・・」


こちゃら 「なんや、あんたもよう解からんとらんとちゃうか?」


あちゃら 「まてまて、いま頭ん中整理するやさかいな・・」


こちゃら 「早う整理しとくなはれや」


あちゃら 「ほな、お待たせでんな」


こちゃら 「はいはい」


あちゃら 「景気が悪いと物が売れへん」


こちゃら 「売り値を下げたらええがな・・」


あちゃら 「売り値を下げると、会社は儲からんよって、
      倒産かリストラか海外へ引っ越しや・・」


こちゃら 「厳しいでんなぁ・・」


あちゃら 「リストラや倒産で、失業者が増えますがな・・」


こちゃら 「えらいこっちゃなぁ・・」


あちゃら 「失業者が増えれば、また物が売れへん・・」


こちゃら 「買うてるゆとりがあらへんがな」


あちゃら 「売れへんよって、また売り値を下げる」


こちゃら 「売り値を下げると、会社は儲からんよって、また倒産かリストラや・・」


あちゃら 「これがデフレスパイラルや・・ 」


こちゃら 「どこまでもキリないでんな。あんたの貧乏みたいやな・・」


あちゃら 「やかまし。 これを裁けるは、大岡越前守しか居てへん・・」


こちゃら 「けったいなこというなや、なんで今頃、大岡越前守が居てはる?」


あちゃら 「居るならの話しや」


こちゃら 「ほな、居(お)ったとしてや、どない裁くねん?」


あちゃら 「『天下百分の一の計』という法律を制定しますがな」


こちゃら 「へえーっ・・、それは、なんやね」


将軍さま 「これ、越前。近頃、デフレスパ・・とかで町人も武士・百姓も弱り切っておる。
      なにか良い手立てはないか?」


大岡越前 「ははーっ。いささか考えがございます」


将軍さま 「おおっ、左様か。さすがは越前。どのような考えじゃ、申してみよ」


大岡越前 「ははーっ。しからばまず、諸物価を押し並べて百分の一にいたします」


将軍さま 「なに、諸物価を押し並べて百分の一とな? して、その先は」


大岡越前 「ははーっ。同時に賃金・税金・年貢など、およそ値の付くものは、
      押し並べて百分の一にいたします」


将軍さま 「おおっ、なんと。して、その効果は如何なものじゃ?」


大岡越前 「ははーっ。貨幣価値は下げませぬゆえ、個人の手持ちの金は
      価値が百倍になり、消費も増え、景気も回復致しまする」


将軍さま 「おおっ、なんと!!」


大岡越前 「ははーっ。
      これは余談になりまするが、後世の政府がこの措置を採りますと、
      国内での生産力が増しますれば、海外との競争力も増し、雇用も増え、
      消費も拡大し、景気も上向きまする」


将軍さま 「越前、あっぱれ。見事じゃ!!」




あちゃら 「これが世に名高い『天下百分の一の計』いうもんやでぇ」


こちゃら 「ええけどなあ、政治家たちは歳費が百分の一になるのを嫌がるやろ」


あちゃら 「わても給料が百分の一になるの嫌や・・」



            
              おたいくつさまで・・



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