ジャッキーのつれづれ日記

生涯忘れない日

もうすぐうちが関わってた本が出来上がる。
うれしかったし、ほっとした。
なのに、昼過ぎの電話。

「扉、誤植じゃないですか?」

何の話かわかんなかった。
だって扉はデータで入れてるんだよ?
そんなことあるわけないよ。
めくったら、あるはずの文字がなかった。

息が一瞬止まった。

なんで?
そんなことどこでどうしたら起こるの?
データ見ても間違ってない。
刷り出しは?見当たらないよ。
その前に待って。

うち、刷り出しの扉、確認した?

本文ばっか気にして、扉見てなかった。
確認してなかった。信用しきってた。
うちのミスだ。

小川さんが戻ってきて、製本所止めてくれて、
井上さんがデータ確認して、製版所に聞いてくれた。
2人ともお前の責任じゃない。って。
1人で背負わなくていい。
若いうちに、いちばん最初にわかってよかった。
大丈夫だから。
だいさんが戻ってきて、取次に電話してくれた。

どこでどうなって間違って、
誰が悪かったのか、どうして起こったのか。
正直どうでもよかった。
そんなことより自分の甘さがイヤだった。
大丈夫大丈夫って。間違ってるはずないもんって。

そんなわけない。

間違いがあるはずだっていう目で見なきゃいけないのに。
うちはまだ「あの人に任せたら大丈夫」って人に出会ってないのに。
最初だからこそやっちゃいけないことだった。

それが情けなくてたまらない。

井上さんが、早く偉くなりなさいって。
そういう気持ちのある編集が、うちにはいないから、
早くお前がなりなさいって。
悔しくて涙が止まらないよ。

社長もいろんなとこ電話してくれて、
よくあることだから大したことじゃないんだよって。
大丈夫だから心配しなくていいって。

なんかもうそんなことじゃなくて、
それが発覚しても何もできない自分も情けなくて、
もっとしっかりしなきゃって思った。

迷惑かけてすみません。
フォローしてくれて、ありがとうございます。
何もできないけど、だからこそ。

今日の涙も気持ちも一生忘れません。

それしかできません。
すみません。
ごめんなさい。

そんで弱っちいうちは会いたいと思ったんだけど、
今日は会えないんだったって思い出して、
また情けなくなって、泣きたくなった。

大丈夫大丈夫。
明日からしっかり切り替えなくちゃ。
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