メル・テイラーがベンチャーズを脱退して組んだバンド、ザ・ダイナミックスの1973年盤。徳間音工のDanレーベルからの発売で制作も同社でしょう。
メンバーはベンチャーズ脱退組のジェリー・マッギーにジョン・ダリル、それにリズムギター、ベースを加えた5人組、プロデュースはあのベンチャーズサウンドを作ったジョー・サラセーノ。ということで、まるでベンチャーズⅡ.......とか思っちゃうわけですが、まぁそれは云いっこなしで(笑)
チャック・ベリーのタイトル曲を除いてほぼ同時代のカバー曲が8曲にメンバーオリジナル曲が4曲、このオリジナル曲がまるで歌謡曲があったり結構面白くてこの辺りをもっと聴きたかったとか。ちょっと歌ってみました程度のボーカル曲が2曲ありますが基本はベンチャーズ同様にインスト仕立て。さすがジェリー・マッギーのギターはソツのない演奏で聴かせてくれます、この人の加入は大きな魅力。メルさんのドラムスはさして目立たず、よーく聴けばなるほどと。ということで、いざ聴けばベンチャーズとは一味違うギターインスト盤として結構楽しめました。
このメンバーでこの年1973年には来日公演を行いライヴ録音も残しています、が、その後は鳴かず飛ばずで解散。1978年ベンチャーズにメルの後任として加入していたジョー・バリルが脱退(コカイン不法所持で逮捕され解雇と)、復帰要請があってベンチャーズにカムバック。1996年に亡くなるまでベンチャーズで活躍。
Roll Over Beethoven Mel Taylor & The Dynamics
Mel Taylor & The Dynamics - Reeling In The Years -
Mel Taylor & The Dynamics Live In Japan '73
ノーキーもメルも一旦出てもまた元の鞘に、ベンチャーズの日本での名声には抗えなかったのかな、とか。
今回このアルバムを初めて知りましたが、カバー曲が半分以上を占め、インスト・バンドである点はベンチャーズのコンセプトととても似ています。
メル・テイラーはこれ以前にベンチャーズ在籍時に一枚ドラムをフューチャーしたポップスのアルバムを出していましたが、ダイナミックスは独立したメンバーによるバンド、つまりベンチャーズからの分家のようなものだと今回思いました。
https://www.youtube.com/watch?v=escQGUSrvFQ&t=955s
ボブ・スポールディングが現メンバーだとは! 知りませんでした。