Jahkingのエサ箱猟盤日記

日々これ猟盤 エサ箱漁りの毎日....。

Benny Golson - Art Blakey

2018年12月27日 | Jazz
1,Tune In Turn On/Benny Golson (Verve) 1LP 880円
サブタイトル「To the Hippest Commercials of the Sixties」ということで、ベニー・ゴルソンが1967年に手掛けた60年代のテレビコマーシャル曲集。

ベニー・ゴルソンと云えば50年代後半からのアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの黄金期を支えたテナー・マン兼作編曲者。特にその作編曲能力は「ゴルソン・ハーモニー」とも云われる独特の曲想で、カーティス・フラーの「ブルースエット」を筆頭にアート・ファーマーと組んだジャズ・テット等々でたくさんの名曲を披露しています。"Whisper Not" "Killer Joe" "Five Spot After Dark" "I Remember Clifford" etc...

というバリバリのジャズマンだった人が60年代に入ってからはその作編曲の能力を買われてでしょうポップスの分野に進出。それを私が知ったのがエリック・バードンが66年にエリック・バードン&アニマルズ名義でN.Y,で録音した実質ソロアルバム「Eric is Here」にしっかりアレンジャーとクレジットされているのを見たとき。いや、これのクレジットを見たときは驚きました、あのゴルソンが.....と。

ということで、そんな流れで制作されたのが今回入手した67年盤。題材がTVコマーシャル曲ですからいずれも2分台の演奏で多分にイージーリスニング音楽的なものですが適度にジャズっぽくかっこよかったりします。往年のプレイを推し量ることは出ませんがゴルソンさん、編曲のみならずしっかりテナーも吹いています。

Side A
A1 Music To Watch Girls By
A2 Wink
A3 The Disadvantages Of You
A4 No Matter What Shape (Your Stomach's In)
A5 Right Any Time Of The Day
A6 Music To Think By
Side B
B1 Fried Bananas
B2 The Magnificent Seven
B3 Cool Whip
B4 The Golden Glow
B5 The Swinger
B6 Happiness Is


Benny Golson - Fried Bananas



Benny Golson - Wink







2,アート・ブレイキー・ドラム・ヒット 花嫁 (Canyon) 1LP 550円
お金の為ならなんでもやるのがアート・ブレイキーとか昔云われていたのを記憶しますが、本盤辺りを指して云っていたのかな。そのブレイキー先生が71年に日本制作した所謂「ドラム・ドラム・ドラム」。当時ジミー竹内さんとか猪俣猛さんとかが盛んにレコードを出していた歌謡曲等を素材にしてズンドコやるアレですね。

ナイアガラ瀑布を連発したりもっともっと叩き捲っているのかと思いきや、アレンジがフツーなことも手伝ってか意外なほど大人しい演奏。ちょっとというかかなりガッカリ。せっかく御大を引っ張ってきたのにこれではね、勿体ない、です。

Side A
A-1 花嫁
A-2 止めないで
A-3 知床旅情
A-4 女の意地
A-5 マイ・スイート・ロード
A-6 めまい
A-7 風がはこぶもの
A-8 男の世界
Side B
B-1 花のメルヘン
B-2 抱擁
B-3 移民の歌
B-4 愛でくるんだ言訳
B-5 美しく燃えて
B-6 雪が降る
B-7 ざんげの値打ちもない


ブレイキー


ブレイキー


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4 コメント

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Golson & Blakey (Gravenites)
2018-12-27 13:08:20
今回は珍しいもの2枚ですね。
ゴルソンは現役でジャズ・クラブやフェスティバルに出ているようですが、ロリンズ同様長生きしてほしいです。
いや、このサイケデリック・テレビが泣かせます。サイケ・ブームの真っ最中の作品ですが、それがコマーシャルの曲だけでLPを作ってしまうすごさと、タイトルの"Tune In, Turn On"も「その気にさせる」も当時の流行言葉をタイトルにするところ、同じ頃似たような路線を突っ走っていたBob Theilとの共通点を感じます。普通のジャズファンからするとこの方向は?でしょうけど、アレンジとか短くてもソロに注意すると、決してコマーシャルの一言では済まされない内容です。

ブレーキーのはこれはその3年後に似たようなレコードう作ったあのハービー・マンよりより徹底していますね。ベンチャーズとは違う世界の人がこれをやっちゃったのは、日本のレコード会社の企画力と日本を愛するあまりのブレーキーが合体した結果でしょう。プレーヤーは確かメッセンジャーの連中だと思います。でもこのレコード、大事された方がいいと思います。
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Unknown (uni)
2018-12-27 13:47:29
サイケデリックテレビ 綺麗ですね。
こういうの大好き!
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Unknown (へなちょこ)
2018-12-27 15:25:09
ゴルソン、ジャケも素晴らしいですが、音楽もいいですね。
ブレイキーの「移民の歌」、聞いてみたい!でも、本当は他の人が叩いていると聞いたことがあります。
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Re:Golson and Blaley (Jahking@管理人)
2018-12-27 19:49:53
>Graさん
>uniさん
ゴルソン盤はTVコマーシャルを取り上げたということでティモシー・リアリーの有名なお言葉「Turn on, tune in, drop out」からタイトルを取ってジャケットも因んでサイケペイントのテレビにしたのですね。タイトル・ジャケ共に如何にものの時代の産物です。

ブレイキー盤のバックミュージシャンは明らかに日本のミュージシャン(クレジットは何も無いのですが)、メッセンジャーズが一緒に演っているのは他の盤ではないでしょうか。


>へなちょこさん
そうなのです、全15曲中ブレイキーが叩いているのは9曲のみで、残りは日本人ドラマー、"移民の歌"も戸叶京助なるお方が叩いています(ドラマーのみクレジットあり、ほかはノンクレジット)。もう一度聴き直しましたが余りにもイージーリスニング然とした歌謡アレンジと演奏で聴き通すにはちょっとの出来、ブレイキーも時にちょっとだけ力んで氏らしいロールを入れる程度で本領発揮には程遠い演奏ですね。
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