こんばんは、今日は暑かったですね。
汗だくな一日でした。
Tさまのミニのその後。
エンジン編。
チューニングヘッドは、もうすでに組んでありました。
サーキットでの走行もなさるので、念のために
メインベアリングキャップを強化します。
ミニのエンジンのクランクは3ベアリング。つまり両サイドと真ん中しかクランクシャフトを支えていません。
一般的に4気筒エンジンのクランクシャフトは5か所で支えます。しかしミニは3か所なので、1番と2番を同じクランクメタルで支えています。3番と4番が同じ。
エンジンをコンパクトに出来るメリットはあります。というか、こういう構造だからあの狭いエンジンルームに1275ccのエンジンを積めたんですね。
ノーマルのロングストロークかつ低回転なエンジンなら問題ないんですが、ハイカム、チューニングヘッドを組んで高回転仕様になって、なおかつサーキットという常に高回転でエンジンが回る環境ではちょっと心配なので真ん中の一番負荷の掛かるメインベアリングを強化する訳です。
上の写真右がノーマルの形状。真ん中が盛り上がってます。
これをフライス盤で平らに加工して
四角いプレートと一緒に強化ボルトを取り付けます。安い部品だし、加工賃もそれほどでもないのでサーキットを走る人はお勧めですよ。なにより精神衛生上宜しいかと。。。
実際、エンジンの高回転のブレが減ります。
購入時に、Tさまの意思に関係なくドラえもんブルーにペイントされていたエンジン。
伝統的な、グリーンに塗り替える為に下処理。
剥離剤を使用すると、もともと純正の赤のペイントも落としてしまいます。
この純正ペイントの密着力は素晴らしいので極力残したいんです。この赤の上に塗装出来れば剥がれにくい塗装が出来るんです。
そんな訳で地道にスケーラーという工具を使用して、時間を掛けて下処理しました。塗装は下処理が命です。これをどこまで丁寧に行うかで仕上がりが決まります。
剥がし終えたら
ヘッドを剥がします。
カーボンだらけですね。こんな感じにエンジンの中は汚れています。
カーボンを全て落とします。
ロッカーカバーは剥離剤を使用せずに(鉄板を痛める為)地道に削って剥離しました。 純正の黒の塗装はいい加減なのでこれは剥離するのがベスト。
個別に塗装。この方法にこだわってます。
アルミのパーツの腐食が酷い場合は、組み上がってからミッションケースをクラッチハウジングごと塗装しますが、アルミパーツが綺麗な場合はアルミの美しさを活かしたい。
それから、純正は塗装したエンジンを加工しているので、研削された部分には塗料がのっていません。ボルト類も勿論。
私のこだわりは、いかにもイジリました!という仕上げはあまり好みでないです。さりげなく、改造されているのが好きなんです。もともとそうであったかのようなオリジナルの様な仕上がりをいつも目指します。
だけど、速い。でも乗り易く快適。
そしてボンネットを開ける度に、見惚れるっていうのが理想です。
塗料が半乾きのタイミングで、研削された部分の塗料をスクレイパーで削り落とします。
使用した塗料は「英国製のエンジンラッカ―」です。
一液で乾燥が遅いし、塗りずらいのであまり使用されません。
組み上がってエンジンを掛けた熱で完全硬化する感じなので、それまで傷が付きやすく気を使うからです。
しかし、耐久性、雰囲気は最高です。さすが、専用品ですね。
私は面倒でもこの塗料以外でミニのエンジンを塗装する気はありません。
長い目で見て、ベストな選択をさせて頂きます。
続く