2日連続で、今日はサントリーホールへ。東京交響楽団の第679回定期演奏会です。今回も日本政府による新型コロナウイルス感染症に係る入国制限により、当初出演予定だったヴァイオリンのクリストフ・コンツから新進気鋭の吉田南に変更になりました。
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プログラムは、
- ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
- ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
という、秋山さんの十八番のオール・ブラームス・プログラム。秋山さんのブラームス第1番を聴くのは5年ぶりです。
前半1曲目。ヨハネス・ブラームス(1833-1897)のヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77。ブラームス45歳。まさに円熟期の作品で、よく演奏される人気曲です。
急遽代役を任せられた吉田南さん。第1楽章オケの前奏の後、ソロの情熱的なカデンツァ風の登場の仕方から堂々としていて、ただ者ではない。線は細くなりすぎず太くなりすぎず丁度良い感じ。穏やかさと激しさとの表現のバランスも良い感じ。まさに理想的な演奏。
第2楽章ではオーケストラのオーボエが秀逸。ヴァイオリン・ソロも合わせるように美しい。一転第3楽章ではジプシー風というべきか、気性の激しさが伝わってきました。
ソリストアンコールは、テレマン(1681-1767)の無伴奏ヴァイオリンのための12の幻想曲~第10番ニ長調 第1楽章。繊細で美しかった。もっと聴いてみたい。今後の活躍が期待されます。
後半は、交響曲第1番ハ短調Op.68。40歳を過ぎてから初めて完成させた、ブラームス初の交響曲。大変な人気曲で、生演奏は今回で9回目、だと思う。
今日聴いた第1交響曲は5年前と比べるとスケールや重厚さが加わったようで、まさに圧巻な名演奏。第1楽章冒頭のティンパニの連打と低音楽器の響きが恐ろしいほど重い。主題に入ってからも重厚さは失われず、第1楽章全体が緊張感に包まれたような荘厳さがあった。
対称的に中間2楽章は穏やかな雰囲気を湛えていて、牧歌的な印象。東響の安定の木管楽器群が素晴らしい。
再び重く暗く始まる第4楽章。しばらくするとクララへの愛を現すとされるホルンのフレーズは、ゆったりとしてスケールが大きく聞き応え抜群。フルートを始め木管楽器もさすがに上手い。続く第1主題も雄大で、自然と圧巻のクライマックスに繋がっていきます。コーダでの金管のファンファーレも素晴らしい。
全てが完璧な演奏だったんではないでしょうか。久しぶりに爽やかに疲れました。
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