前回は、わが家を新築するまでの経緯を大雑把に振り返りました。最初は建売にしようかと思っていたのです。でもムーバーン巡りのためにチャーターした車の運転手さんが、「サラピーにいい土地がありますよ」と私たちを唆したのです。田舎っぽいその土地をひと目見ただけで、妻がいたく気に入りました。他の場所をあたってみることもせず、一発勝負で150タランワー、すなわち600平米の宅地を購入しました。
土地の価格は同じチェンマイでも大きな差があると思いますので、これについては触れません。ただ、この1年でかなり値上がりしています。わが家の近所は、売買契約を結んだ2011年1月時点と、2012年6月現在を比較すると、ちょうど20%値上がりしています。(日本でいう公示価格ではなく、販売価格の比較です)
さて建築費の話です。日本だと坪単価ですが、タイでは1平方メートルいくらです。昨年私が調べたところ、1平米あたり6500バーツくらいが最低ラインです。妻の知り合いは、昨年1平米7000バーツで平屋を建てました。はっきり言って「これが新築ですか?」という感じの出来ばえでした。
では平均値はいくらか?まともな家が建つ価格はいくらか?答えは不明です。ただ、チェンマイで家を建てたファラン(西洋人)のネット上の噂話では、こうです。
「チェンマイで一戸建てを建てようとすると、1平米あたり8000~17000バーツくらいまで幅がある。12000バーツ以上だと、まずまずの家が建つ。もちろん上限はなく、20000バーツ以上もざらにある。」
わが家の場合はだいたい1平米13000バーツでした。このグレードは、私の頼んだ会社の基準では上・中・下の中にあたります。価格の出し方が本当はどうなっているか、それは私にはわかりませんが、一応積算して出しています。相手がどれくらい出せるのか、探りを入れてくる会社もあります。そして、そのラインに沿って価格を設定している可能性もあります。
あまり予算をけちると問題が生じるかもしれません。たとえば、普通なら300万バーツ以上でないと建たない250平米の家を建てるとしましょう。もし予算が250万バーツしかないと言ったら、1平米あたり1万バーツです。その価格では、まともな建築会社は受けてくれません。建ててくれるのは、よほど仕事に飢えている零細なところでしょう。その場合は途中から追加費用を請求される可能性が大です。最悪は、その額で請け負って手抜きされることです。
さて、建築費の構成はどうなっているのでしょうか?私の設計図に基づく2つの会社の見積もりを実際に見た経験から、大雑把に分けるとこうなります。
(1)基礎的な費用
柱、壁、屋根などの家の基礎的な構造に関するもの。単純に面積に応じて算出される費用です。それに人件費が加わります。屋根の瓦は色によって価格が変わります。ツートーンカラーの瓦は割高です。
タイの一戸建ての天井の高さは大体2.7~3.0メートルです。当然ですが、高くすると費用は増えます。柱の太さや壁の厚さなどは、特別なリクエストをしない限り標準値が決まっています。柱は20センチ、壁は10センチです。2階建てなら、一部に30センチの柱を使う良心的なところもあります。
(2)内装の費用
床の素材をどうするかで価格は大きく変わります。フローリングにすると、タイルの1.5倍~2倍です。タイルも価格はさまざまです。標準では、1平米あたり300~400バーツに設定されていますので、もし1平米600バーツのタイルが気に入れば、面積分の差額を後で払います。
水回りの設備もピンからキリまであります。例えばトイレ・洗面・シャワーのWC設備一式は、主寝室2万バーツ、その他15000バーツとかに設定されています。もし主寝室に1万バーツのトイレと5000バーツの洗面台、1万バーツのバスタブを発注すれば、それだけで予算を5000バーツオーバーします。。シャワーやタオル掛けや、細かいものではトイレットペーパーホルダーなどの小物も全部積算されます。
天井をフラットにするか、中央部分が窪んでいて、その周りがやや低い形にするかなど、ちょっとしたデザインの違いでは価格はほとんどかわりません。窓やドアは特注品にすると、「えっ?そんな馬鹿な」というような金額に跳ね上がりますよ。私は主寝室のドア1枚だけ特注です。ほかのドアの2倍以上です。
これらの内装は、最初の建築価格に最低限のものが含まれていますが、普通それに満足することはありません。タイルやWC設備のオプションで、節約しても10万バーツや15万バーツはいくと思った方がいいでしょう。
(3)付帯設備
下水設備、貯水タンク、電気関係など。これもピンからキリまで。たいてい下水設備は基本価格に含まれています。電気は、基本的な照明は入っています。でも、変更をお願いすると、どんどんお金がかかってきます。たとえばわが家の場合、天井の真ん中に付ける照明はすべて基本外でした。小さいダウンライト(リビングでは10個)が基本経費に入っています。湯沸し器や換気扇などもすべてオプションです。頼まないと付けてくれません。
もうひとつ、台所設備はどの会社もオプションだと思います。キッチン専門の会社に頼んで設置してもらう手もあります。安目のもので15万バーツくらいからでしょうか。わが家の場合、ガスコンロ、レンジフード、シンクを入れて20万バーツ弱かかりました。ただしカウンターは、妻のたっての希望で石にしてもらいました。
(4)その他
車庫、塀、門扉など外構関係はもちろん家の建築とは別物です。わが家のように600平米の敷地であれば、塀だけで25万~50万バーツかかります。車庫は、2台入る大きさで瓦屋根なら最低でも10万バーツ、標準的には25万バーツくらいかかります。ちなみにわが家は最低の10万バーツ、お隣のお医者さんは28万バーツです。大きさが違いますが、わが家の車庫が出来あがったら比較してみましょう。
費用のことはまだまだ書けば山ほどありますが、あまりディテールを書いても、興味のない人にとっては、まったくつまらないので、この辺でやめておきます。
で、うちは新居に全部でいくらかかったかって?エアコン、家具、カーテンなど新しく買ったものが山ほどあります。それらを別にして、もし日本で全く同じ家を建てていたら、土地代を別にして、建坪62坪ですから最低でも3000万円、標準的には4000万円くらいはかかっていたのではないでしょうか。それがタイでは、付帯設備を入れても4分の1くらいで建つのです。
以上は、わが家を建てたK-HOMEのような建築会社に頼んだ場合の話です。タイでは、それ以外に、建築資材を自分で買って、大工さんに建ててもらう方法があります。その場合は、施主自らが現場監督をやらなければならないのですが、費用は、うまくやると半分で済むかもしれません。大工さんとのコミュニケーションに自信があれば、そのやり方でもいいかもしれませんね。あり得ない話ですが、もし私がもう1回家を建てるとすれば、その方式でやると思います。リスクはめちゃくちゃ大きくなりますが・・・。
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私ならお金払って任せちゃうと思います。
大工さんと直接話す気になれないので。
(イライラしそうなので)
うさぎさんの新居はまずまずの出来でしたか?
家の出来ばえは・・・内外装の仕上がりは文句なく素晴らしいです。丁寧に施工管理する会社を選んでよかったと思います。使っている大工さんの質も高いと思いました。賃金は安いですが。
息子の誕生やら退院やら、タイからの義父母の襲来やら(笑)で、バタバタしておりました。
いつもながら、非常に参考になりありがたく思っています。
もう入居も見えてきましたね! その後の生活ぶりも楽しみにしています。
奥様が現場監督って文章読んでちょっとビックリしましたが、奥様コミュニケーションスキルが高い方なんですね。なるほど。
ほんと、タイ人女性は頼もしいですね!