世界で最も住みやすい都市はメルボルン-東京は18位
2011年 8月 31日 10:12 JST (WSJ)
【メルボルン】英誌エコノミストの調査部門、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が発表した世界で最も住みやすい都市のランキングによると、ほぼ10年間トップを維持していたカナダのバンクーバーが、オーストラリア第2の都市で、世界的な資源会社2社が拠点を持つメルボルンにその座を奪われた。東京は18位だった。
世界で最も住みやすい都市のランキング
http://jp.wsj.com/Life-Style/node_298115?mod=MostPopularBlock
140都市を対象にしたランキングのトップ10には、通貨高などに伴い生活費が上昇しているにもかかわらず、資源の豊富なカナダや豪州の都市が多くランクインしている。
EIUによると、バンクーバーのインフラに関する評点がわずかに下がったため、メルボルンの順位が1つ上がった。バンクーバーは、欧州トップのウィーン(オーストリア)に次ぐ3位となった。
この結果にメルボルンはますます得意になるだろう。メルボルンは今回も同国のシドニーより上にランクインした。シドニーは順位を1つ上げて6位となった。同国のパースとアデレードはともに8位に入った。
ヤラ川の流れるメルボルンには、ヨーロピアンスタイルのカフェ文化があり、隠れ家的なコーヒーハウスやレストランがある。スポーツも盛んで、自動車F1シリーズのグランプリが毎年開催されるほか、クリケット、ラグビー、それにオーストラリアン・フットボールなどが人気だ。また西オーストラリア州とクイーンズランド州東部には鉄鉱石や石炭が多く分布しており、同国の輸出を後押ししている。世界最大の資源会社BHPビリトンが本拠を置き、同業のリオ・ティントがオフィスを構えているほか、多くの他の資源会社の拠点がある。
調査責任者のジョン・コプステーク氏は「オーストラリアは人口密度が低く、比較的犯罪率が低いため、複数の都市が引き続きランクインした」と指摘した。
しかし、豪州は資源ブームによるストレスを受けている。資源ブームは経済の2極化をもたらし、資源部門以外の産業が豪ドル高と安い輸入品との競争に悩まされる結果を招いているからだ。住宅価格はここ10年間大幅に上昇しているが、住宅産業協会(HIA)が今週発表した7月の新築住宅販売件数は8%減少し、2000年1月来最低の水準になった。
EIUによると、バンクーバーの順位が下がった主因は主要幹線道路のマラハット・ハイウエーが最近断続的に閉鎖されていることだ。それだけならバンクーバーにとって慰めとなるが、EIUは、北米プロアイスホッケーリーグ(NHL)のスタンリーカップ決勝第7戦で地元の「バンクーバー・カナックス」が「ボストン・ブルーインズ」に負けたことを受けて、ファンが暴徒化したため、今後の調査でさらに評点が下がる可能性があると指摘した。
この調査では、政治・社会的安定性、犯罪率、それに質の高い医療が受けやすいかによって都市を評価する。また、文化的イベントと自然環境の多様性と質、教育、それに公共交通機関を含むインフラの質についても評価する。
米国で最も上位にランクインした都市はハワイ州ホノルルで26位だった。また30位にはペンシルベニア州ピッツバーグが入った。
東京はこれをいずれも上回って18位。最下位は今回もジンバブエの首都ハラレだった。
記者: Robb M. Stewart
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