(週間ダイヤモンド 2011/10/8日号より)
日本人ホームレスが急増!
フィリピン暮らしの悲劇
海外移住は、夢のある話だが、甘い考えでは痛い目を見る。
手持ち資金が底をつき、ホームレス生活まで待っているケースもあるから要注意だ。
日本人ホームレスが缶詰を万引き
して逮捕ー。
現地新聞にこんな見出しが躍るほど、フィリピンでは現在、日本人ホームレスが問題化している。
マニラ近郊だけで数百人もいるといわれ、男性がほとんど。フィリピン人女性と恋愛して結婚し、フィリピンに移り住んだ男たちだ。公園や橋の下で野宿をしたり、なかには地方に逃げて、見知らぬ親切なフィリピン人に食事の面倒を見てもらったりしているケースまである
という。
そもそも、日本とフィリピンでは物価が違っ。たとえぼアキノ大統領の月収がわずか17万円であることからもわかるとおり、日本の5分の1程度だという。
だから、年金収入だけでも十分な ”お金持ち” の日本人男性は、フィリピン人ホステスなどにモテモテ。日本で恋に落ち、つい、ありガネすべてを持ってフィリピンに渡る人が
後を絶たない。
しかしこれが運の尽き。3000万円の退職金すべてを持つてフィリピンに渡った60歳の男性は、大人数の家族にいい顔をしようと新築の家を買い、ブアミリービジネスを始め
るために農場まで買うなどの散財を繰り返した揚げ句、最後には手持ち資金が尽きて家族から追い出されてしまった。
ビジネスを持ちかけられるのはよくある話で、「会社をつくってあげる」 と言われて資金を出しても、利益はおろか出資金さえ戻ってこない場合も多い。
また、銀行口座をフィリピン人妻と共同名義で開設したところ、即座に1500万円全額を下ろされ、「愛情がなくなった」 と放り出されてしまった男性もいる。
こうしうしてオーバーステイの罰金はおろか、帰国費用さえ用意できないで、無一文になり、ホームレスへと転落してしてしまうのだ。
困惑して日本大使館に相談をしても、なんの役にも立つてもらえない。
夫側の日本人の家族が弁護士を雇って訴訟を起こし、取り返そうとする例もあるが、この手の金銭絡みの裁判でぼまず日本人側に勝ち目はないという。
銀行口座がバレて 周囲にたかられるケースも
フィリピンは、シンガポール、マレーシア、タイといった他の東南アジアの国々と違い
日本人コミュニテイがあまり存在しなぃのも特徴だ。
仏教国ではなく、キリスト教とイスラム教の国だから、そもそも日本人にとって、決してなじみやすい国民性ではないという指摘もある。
そのためか、フィリピン在住の日本人は、老後に夫婦で移住したというケースは意外に少なく、多くがフィリピン人女性と結婚した男性だ。
現地の事情通は、「どうしてもフィリピン人女性と結婚したいなら、財産はなるべく日本に置いておくことを勧める」と話す。
銀行にこっそりと預けておこうにも、日本ほど個人情報が厳格に保護されていないため、いつの間にか預金額が周囲にバレてたかられてしまったという、信じられないようなケ
ースすらあるからだ。
物価の安い国なら、ラクして暮らせる。そんな甘い考えは、とんでも
ない結果を生むこともぁるから要注意だ。