誰にも知られずに死に、遺体の引き取り手もない「無縁死」が急増しているとの事です。その数は年間にして3万2000人にも及ぶとされています。悲しい現実だと思います。毎年、日本では自殺する人が3万人を超える異常な社会。世界的に見ても類をみません。その数を超えるとされた「無縁死」。なんでこんな社会になったんでしょうか?
NHKスペシャル「無縁社会~『無縁死』3万2千人の衝撃~」。と言う番組でした。「身元不明の自殺と見られる死者」や「行き唐齊?」など国の統計では出て来ない死。番組の調べでは3万2000人でそのうちの1000人以上が身元も判明しないとの事でした。
身元不明の死者は「行旅死亡人」として処理され、遺族を捜すために性別、身長や外見の特徴、所持品、発見された日時と場所、「餓死」「凍死」など死因を国が発行する「官報」に掲載されます。遺体は火葬されて一定期間、行政が遺骨を保管するらしいですが、引き取り手が現れない場合には無縁墓地に埋葬されるとの事です。
番組では「行旅死亡人」として09年3月の官報に載っていた60~80歳代とみられる男性の人生の軌跡をたどる内容でした。都内のアパートの部屋でテレビを観ていた時に亡くなったようで、コタツに入り、座ったままの姿勢だったそうです。発見された時には死後1週間以上が経過していて、アパートの大家さんによると腐敗臭がひどく、テレビと電気は付けっぱなしだったようです。まったく孤独死と言うかその方の人生の終わりに寂しさを感じました。大家さんが保管していた契約書から氏名と仕事場が判明して男性は給食センターで正社員として定年まで働き、20年間、無遅刻無欠勤だったまじめな方のようでした。退職後は同僚や友人とも人付き合いも希薄になっていたそうです。正に今の日本が浮き彫りにされていました。
決して他人ごとではない思いで番組を見ていました。色々な事情や環境があると思いますが、人生の終焉としては悲しすぎると思います。
戦後の日本はアメリカに憧れ、アメリカを目指しました。社会は核家族化が進み、若い世代と老人だけの世帯を分け、また近所との付き合いも薄れている日本。貧困と有り余る裕福な時代を知る日本人ですが、どこかで置き忘れて来たものがあるのかも知れません。鳩山内閣が掲げる「命を守る」政策。一番大事な事だと思います。
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