*** june typhoon tokyo ***

MUSIC FOR ALL, ALL FOR ONE@代々木第一

■ LAWSON presents MUSIC FOR ALL,ALL FOR ONE.supported by スカパー
 

Mfaafo


 忘れてはいけない年のクリスマスだからこそ、音楽関連企業が手を取り合い、メッセージ発信力のあるアーティストが一堂に会するライヴ・イヴェントを通じて、新しい年への前向きなパワーを全国へ向けて届けたいという主旨の下で3日間にわたって行なわれた“LAWSON presents MUSIC FOR ALL,ALL FOR ONE.supported by スカパー”の2日目、12月24日の公演を観賞してきた。場所は国立代々木競技場第一体育館だが、全国各地の映画館等でパブリックビューイングも行なわれた。24日公演はソールドアウト。
 事前にトップバッターが告知され、2日目のトップバッターは倖田來未だったが体調不良によりキャンセル。倖田來未を除く10組のアーティストが、クリスマスイヴのステージを盛り上げた。
 
 一番歓声が凄かったのは、やはりAKB48だった。会場のあちらこちらから男の低い声を中心とした歓声が響く。CDの売り方など批判的な部分もあろうが、この日の構成は2011年のオリコン年間ランキング1~3位の「フライングゲット」「Everyday, カチューシャ」「風は吹いている」に加えて「会いたかった」など代表曲を盛り込んだベスト・セレクション的な内容で、多くの観客の興味と興奮を呼び起こしていた。

 AKB48と同じくらいの歓声を受けたのが、トリを飾ったKARA。こちらもヒップダンスで一躍シーンを席巻した「ミスター」から「ウィンターマジック」までの日本リリース・シングル全曲に、韓国版「Lupin」を加えたベスト・オブ・ベスト的なステージ。「ジェットコースターラブ」ではペンギンダンスも披露、冬の季節には合わなかったが場内の熱気や高揚を代弁するような「GO GO サマー!」が本編ラストとなった。

 前述二組の歓声には負けたが、特に存在感を示したのはKREVAとJUJUだった。それまでのハッピーな雰囲気がピーンと張ったような空気に代わり、我が道を行くKREVA。だが、最初はヒップホップというジャンルに興味を示さない人たちへ、「基準」では“全然違う、全然違う、一緒は無い無い無い……”の高速ラップで、「C'mon, Let's go」では途中でバックトラックを消しKREVAのヴォーカルだけというパフォーマンスで“俺のファン以外”も惹きつけて拍手をもたらしていた。言葉が持つ意味やメッセージをさまざまな形でダイレクトに伝えられるのは、ヒップホップ/ラップ・ミュージックの醍醐味であり一番輝く手段でもある。その魅力を存分に伝えてステージをあとにした。

 JUJUはそのスキルフルな歌唱力と彼女が持つ哀切なヴォーカル・ワークを見事に披露。「クリスマスなのに湿っぽい歌ばかりですが」と恐縮しながらも、現在の日本人において“R&B/ソウル”を体現出来ている僅かなうちの一人ともいえる、哀愁を含んだ旋律とともに切ない機微が滲み出す歌唱で引き込ませていた。JUJUならではの“間”を有した懐の深い表現力は、本人の念願でもあったというジャズ・カヴァー・アルバムからのシングル「ララバイ・オブ・バードランド」でも遺憾なく発揮されていた。

 Crystal Kayはまだ絶好調とはいえないものの、この日のイメージにピッタリなミディアム・バラード「KISS」で自分らしさを取り戻すと、ラストはファンキーなパーティ・アップ「今夜はNO.1」で引き出しの多さを見せる。コール&レスポンスも決め、バンド・メンバーの紹介も挟み、ライヴにおけるバンド・セットとの融合が生む“ライヴ感覚”を提示してくれた。
 声援を大きく受けたのがCD音源(カラオケ)のAKB48やKARAだったのに対し、音楽の多様性や奥深さを感じさせたのは、バンド・セットを擁したCrystal KayやJUJUだったのは面白い構図でもあった。バンド・セットではないアーティストもソロ・アーティストにはない“グループが持つ力”という醍醐味を見せてくれた。
 
 さらには強烈な男性ソロ・ヴォーカリストがいればよかったとか、ステージとステージの間に退屈させない工夫があればよかったなど注文はあるものの、多くの観客を気持ちを満たしたライヴだったのではないだろうか。
 


◇◇◇


<SET LIST>

≪Opening Act≫
JUNIEL

【倖田來未】

Canceled by bad health
(体調不良によりキャンセル)

(予定曲目)
01 V.I.P.
02 Love Me Back
03 恋のつぼみ
04 愛のうた
05 愛を止めないで
06 Brave
07 Someday
08 Poppin love cocktail feat.TEEDA


【FUNKY MONKEY BABYS】
01 希望の唄
02 メロディーライン
03 LOVE SONG
04 あとひとつ
05 西日と影法師

【AKB48】
01 ヘビーローテーション
02 会いたかった
03 風は吹いている
04 Everyday, カチューシャ
05 ポニーテールとシュシュ
06 フライングゲット

【きゃりーぱみゅぱみゅ】
01 PONPONPON
02 つけまつける

【あやまんJAPAN】
01 ぽいぽいぽいぽぽいぽいぽぴー

【BENI】
01
02 もう二度と
03 Kiss Kiss Kiss
04 Darlin'

【Crystal Kay】
01 Boyfriend PartII
02 恋におちたら
03 KISS
04 Superman
05 今夜はNo.1

【KREVA】
01 基準
02 挑め
03 瞬間speechless
04 EGAO
05 C'mon, Let's go
06 Have a nice day!
07 KILA KILA

【JUJU】
01 素直になれたら
02 この夜を止めてよ
03 また明日...
04 Lullaby of Birdland
05 明日がくるなら

【KARA】
01 ミスター
02 ジャンピン
03 Lupin(Korean Ver.)
04 ジェットコースターラブ
05 GO GO サマー!
≪ENCORE≫
06 ウィンターマジック(Xmas Ver.)

◇◇◇

 倖田來未がキャンセルの代役ではないだろうが、事前に告知がないなかで登場したのは、なんと“あやまんJAPAN”。きゃりーぱみゅぱみゅが元来持ち歌数が少ないだけに、当初から予定されていたのかもしれないが、きゃりーぱみゅぱみゅとセットでAKB48からR&B系へと繋ぐ“イロモノ”枠だったのかも。

 そのきゃりーだが、PVを観賞した時は中田ヤスタカによるキュート系ポップ・サウンドとマッチしたファンタジーな世界観が面白いと思った。ステージでは大勢のダンサーをつけてドリーミーな世界観を創ってはいたが、やはりライヴだとややその個性というかパワーが思ったよりも伝わってこないのは、“本職”でないことも大きいのかもしれない。





 

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