前日は8-1と大勝した巨人。だが、最後に陽のホームランで1失点は日本ハムの反抗の端緒の匂いもして、やや不気味だった。その不安を吹き飛ばしてくれたのが、この試合に先発し、8回3安打無失点の好投を見せた澤村だった。初回こそ、1番陽、4番中田と死球を与える不安定な立ち上がりだったが、途中、マウンドへ駆け寄った阿部から頭をはたかれたからか(苦笑)、毎回3、4人で抑えていく。特に8回裏は杉谷、陽、西川を三者連続三振に切ってとるなど、迫力ある投球でツケ入る隙を与えなかった。9回は山口に託すが、二死1、3塁とされ見せ場を作られたものの、マシソンが1球で代打・二岡をしとめて2連勝を飾った。
とはいえ、日本ハムの先発・武田勝に先頭打者の長野への失投以外は、この上ない投球をされた。6回までに10三振を喫し、特に1番~3番まででその半分の5三振を喫しては、得点の機会もなかなか作れない。攻略の糸口はやはり右打者なら逆らわない右方向へのバッティングだが、坂本など引っ掛ける場面も多く、左打者では特にボウカーが昨日とは一転、まったくタイミングが合わないまま。次の対戦がもしあるとするならば、しっかりと対応していかないと、苦しい状況に追い込まれそうだ。
また、巨人はCSから投手面でやや不安が残る。この試合でも山口が抑え切れずに降板し、CSでは西村も好調とはいえなかった。シリーズはおおよそジリジリとしたしびれる展開が続くことが多い。次は1日開いて日本ハムのホームゲーム3連戦となる。中継ぎ以降の投手陣の不安を露呈すると、一気に形勢逆転も考えられなくはない。そのためにも、巨人としては、第3戦から日本ハムをリセットさせ勢いをつけさせないためにも、積極的な攻撃で、ペースを奪われないようにしたいところだ。2連勝でもちろん優勢となったが、数字上ほど絶対的なリードをしている訳ではないことを心に留めておいてもらいたい。
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巨人×日本ハム
日本シリーズ 2回戦 東京ドーム(18:10~)
F 000 000 000 0
G 100 000 000 1
【勝】
(巨):澤村(1勝0敗0S)
【敗】
(日):武田勝(0勝1敗0S)
【S】
(巨):マシソン(0勝0敗1S)
【本塁打】
(巨):長野(1回裏ソロ)
【バッテリー】
(日):武田勝、石井、増井-大野
(巨):澤村、山口、マシソン-阿部
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両者のファンで埋まった東京ドーム。

7回裏、“闘魂込めて”で士気を高める巨人ファン。

巨人、勝利の瞬間に沸く。

1塁側のファンへ挨拶する巨人の面々。
