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*** june typhoon tokyo ***

FC東京×名古屋@味スタ

■ 2012年、ホーム初戦は強敵名古屋に勝利

 
 ホーム開幕戦は小雨降るなかで行なわれた。相手は強豪名古屋。J1を戦う上での試金石に相応しい試合となった。トップにルーカス、羽生と石川が先発に名を連ねた。また怪我で長期間離脱していた米本が久しぶりにベンチに入った。

 前半は完全に名古屋が主導権を握る。強固なブロックを敷いて……という形ではなく、前から厳しい守備をしかけてきた名古屋に戸惑ったのか、ボールを奪って前線の高さのあるケネディや裏へのボールへの対応に終始追われた格好だ。相手のプレッシャーも速かったが、パスというのにこだわり過ぎ、判断がワンテンポ遅くなっていたということも否めない。特に雨でスリッピーなピッチ状態だ。通常のクリーンなピッチとは違うことを頭に入れ、早めに余裕を持ったパスを送るなどの工夫が欲しかった。中盤のパスミスや判断の遅れにより展開への選択肢が狭まり、プレッシャーに負けてボールを奪われる場面が多かったのが、リズムを掴めない原因の一つだった。一方、名古屋もピッチコンディションによるものなのかパスミスがところどころあり、それに救われた部分もあった。

 それでも前半の中ごろには、カウンターやサイドからの攻撃も次第にみられてきた。特に、石川のサイドからの仕掛けで名古屋陣内へ攻め込む時間も増えかけたところ、シュートという意識が低かったのか、パスを繋ごうとする意識が高すぎたのか、エリア内あたりまで攻め込むもののシュートまで運べず……という攻撃を繰り返した。やはり、スリッピーな状態も考えて、シュートで終わって流れを作ることが必要だったのではないか。 
 流れが傾きかけたところ、名古屋DFから少ないタッチ数で中盤のケネディへ渡ると、ケネディが前線にスルーパス。玉田が抜け出してこれを受けると、冷静に権田の頭上を浮かせるループ。技ありのゴールを決められ、名古屋に先制されてしまう。前半はある程度攻めの形を作りかけたところ自らそのチャンスを活かせず、相手に易々と流れを渡してしまった感があった。

 後半はハーフタイムにポポビッチの檄が飛んだのか、一変。
 判断の遅れでパスが有効に繋がらなかったところを、視野と判断をしっかりもって対応。特に、選手との距離や動き出しを見極めてパス&ゴー、またよりスペースがあるサイドへ展開するなど、リスクマネジメントを怠らずにボールを回し始めると、一気に東京が攻勢。リズムも生まれ、ゴールの匂いが感じられてきた59分、左からあがってきた太田がフェイントを駆使してゴール前へ切れ込みながら中央の羽生へパスを送ると、羽生がシュート。これは相手DFにブロックされるも、そのボールを右の石川が即座に反応し、冷静にシュート。これが同点ゴールとなった。

 引き続き、東京の攻勢が続く。名古屋はダニエルをDFに入れて闘莉王を前へ上げる戦術で対抗してくるが、これが東京には結果的に好都合となった。名古屋陣内で攻撃を繰り出し続けての67分、エリア前中央の高橋が左からあがっていた加賀へ浮き球のパス。これを加賀がヘディングで折り返すと、中央に飛び込んできた長谷川が頭で押し込んで逆転。 
 さらに73分、名古屋ボールを奪ったルーカスが梶山へパスを出すと、梶山が左から走り込んできた石川へ絶妙のスルーパス。石川がこれを迷わず決めて、3対1と名古屋を突き放した。

 だが、その後もシュートチャンスはあったが、後半で2点差となったことでやや油断したのか、しっかりとしたシュートで終わる形が曖昧になってくる。FKからゴール前へ高さのあるボールを放り込まれると、ケネディがこれに反応。バーで跳ね返ったところ、詰めていた永井が蹴り込み1点差とされる。
 東京は、梶山に代えて米本を投入。前からのプレッシャーで名古屋の反撃を封じにかかる。ロスタイムは意外にも5分という長い時間。一進一退の攻防に選手もヒートアップ。共に負けられない気持ちでぶつかったが、名古屋の選手がビハインドということもあって空回り。ダニルソンの退場劇へと繋がった。その後東京は石川に代わって平山を投入するなど有効に時間を使い、最後まで名古屋のパワープレーに集中を切らさず、ホーム開幕戦を勝利で飾った。

 ゲームとしてはプラス面とマイナス面、どちらも出る波の激しい試合となった。マイナス面はもちろん、前半戦が全て物語っている。大宮戦でも同様の展開であり、逆転勝ちという結果こそ収めてはいるものの、決して褒められることではない。しっかりとしたゲームプラン、そして臨機応変な状況判断、これらを前半から確実にしていくことが肝要だ。また、2点差突いてからの油断。これもいただけない。攻撃の時もそうだが、決められる時に決めておかないと、あるいは、決められずともフィニッシュで終わる攻撃を続けないと、せっかくの良いリズムを失い、流れを渡してしまうことになる。相手が強敵ならば、なおさらだ。

 プラス面は、後半からゲームを修正出来たこと。ポポヴィッチの巧みな指揮もあるだろうが、これは選手たちの連動性の意識が強くなければ出来ないことだ。不利な状況から盛り返すことが出来るのは力のついた証拠とみていい。もちろん、“修正する”ということはそれまでが良くないことを意味する訳だから、そういう試合が少なければ少ないに越したことはないのだが。
 また、米本と平山の復帰。ことさら米本は二度の大きな怪我からの復帰ともあって、試合後は感涙ものとなった。高橋、梶山ら中盤は頑張っているが、ACLなどでスケジュールはタイトだ。米本の復帰は守備力の向上だけでなく、レギュラー層の厚さを維持できる貴重なものとなる。平山も僅かではあるが出場。試合勘を早く取り戻し、高さと足元での受けを活かしたプレイを今後見せてほしいところだ。

 前半は東京がよりミスを犯し(長谷川などは目立ってしまっていた)、後半は名古屋がミスを犯した。今日は結果としては東京が勝利したが、浮かれてはいけない。名古屋は藤本や小川、中村などが欠場していたこともあり、多少連係にチグハグしたところが見られたのも事実。次はアウェイということもあり、そう簡単にはいかないだろう。玉田、永井とストライカーにはゴールを決められ、ケネディにもあと僅かでゴールという高さも見せつけられてもいる。前半から主導権を握るべく試合を展開していくにはどうしたらいいか、じっくりとコミュニケーションをとりながら構築していかなければならない。


◇◇◇

<J1 第2節>
2012/03/17 味の素スタジアム

FC東京 3(0-1、3-1)2 名古屋

【得点】
(東):石川(59分)、長谷川(67分)、石川(73分)
(名):玉田(36分)、永井(87分)

【退場】
(名):ダニルソン(90+3分)

観衆:21,757人
天候:雨のち曇
気温:7.6度
 

≪MEMBER≫

GK 20 権田修一
DF 02 徳永悠平
DF 03 森重真人
DF 05 加賀健一
DF 06 太田宏介
MF 04 高橋秀人
MF 10 梶山陽平 → MF 07 米本拓司(90分)
MF 18 石川直宏 → FW 13 平山相太(90+7分)
MF 08 長谷川アーリアジャスール
MF 22 羽生直剛 → MF 39 谷澤達也(80分)
FW 49 ルーカス

GK 01 塩田仁史
DF 33 椋原健太
MF 27 田邉草民
FW 11 渡邉千真


監督 ランコ・ポポヴィッチ


◇◇◇
 

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ホーム開幕戦の特別ゲストはテリー伊藤とVOJA。

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VOJAが歌う“ユルネヴァ”に続き、通常の“ユルネヴァ”中。

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名古屋ゴール裏。

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選手整列。

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後半、東京の怒濤のゴールラッシュ!

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合計5ゴールが生まれる激しい試合に。

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試合終了。

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石川のインタビューと名古屋ゴール裏。

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バックスタンドに挨拶する東京の選手たち。

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バックスタンドの声援に応える東京の選手たち。

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バックスタンド前からゴール裏へと向かう東京の選手たち。

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勝利に喜ぶドロンパ。

20120317_fct_ng13
浮かれモードのドロンパ。


◇◇◇

 ラスト10分、主審のレフェリングにはやや首を傾げるところがあった。権田の遅延イエローもしかり、ダニルソンのレッドカードもしかり。状況判断が曖昧で冷静さが欠けたのか、後味としてはあまりよくないものとなった。前者は交代選手を告げる審判とのコミュニケーション不足から、後者はダニルソンら外国人がファウルで倒されたた太田を無理やり引き起こそうとしてからの流れを客観的に判断出来なかったことから生まれたものだ。
 ただ、審判団も人間。そのようなことはいつでも起こりうる。そのような時に、次に何をすべきか、混乱に浮つかない状況判断を怠らずに足に地をつけたサッカーをしていくことがまずは大事だろう。
 
 


 それにしても、トゥーリオってやつは……。

◇◇◇



1:30過ぎあたりから。
そして、“長谷川アーリアジャスール”のチャントが響く。
まさか、秋山幸二の応援歌が聴けるとは。(笑)

そして、このオリジナルは“おぎのめちゃん”こと荻野目洋子の「恋してカリビアン」だったりする。若いのは知らないだろうナー。



 
 
 

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