開演は19:00予定でしたが、実際にスタートしたのは、20:15あたりと、75分押しです。
素晴らしいデス。ファンキーデス。
S席(14000円)で観たのですが、遠いですね。
でも、スタンド席としては、まぁ良かったと思います。そりゃ、花道近くのプレミア席(50000円)には勝てませんけど。
そうそう、開始直前で一番盛り上がったのは、
叶姉妹の入場
でした。
スタンドからでも一目で判るピンクのドレスを着てました。
◇◇◇
“time goes by so slowly”されど、“time flies”…
「時はゆっくり過ぎていく」けど「光陰矢のごとし」であった。開演予定19時から1時間15分ほど経過して、やっと暗転。“Confessions Tour”ショウはスタートした。
新作『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』(Confessions on a dance floor)を引っ提げてのツアーだけに、この作品からの選曲が多いのは当然。長年、“ポップ・アイコン”としてのマドンナの来日ツアーを期待していた人たちには、もしかしたら、今作の打ち込み系(しかもノンストップ)サウンドには、深い思い入れを持たなかったのかもしれない。そういう意味では、賛否が分かれたのではないか。 ステージや花道近くの50000円のプレミア席を購入した人は、特に。
ステージには、キーボード、ギター、ドラム、ベースのバンド隊。バンドはあったが、全体的に打ち込みサウンドであり、東京ドームという、ライヴ会場としては音響が期待できない会場では、それほど重要性は感じなかった。
それよりも、マドンナのライヴといえば、彼女を囲むように連なる大勢のダンサーである。ダンサーが注目されるステージもマドンナのライヴの特徴で、ステージの良し悪しを左右するといっても差し支えないほど。以前から踊っていたダンサーも来日し、マドンナをしっかりサポートしていた。
巨大なミラーボールが上空からステージ中央先端部の花道に降り、ミラーボールからマドンナが登場し、「Future Lovers」からスタート。ステージ、花道の周りの観客は、興奮の坩堝といった感じに見えた。ステージを望む角度としてはそれほど悪くはないものの、1Fスタンド席(それでも14000円!)から観ていた自分としては、多少温度差を感じてしまったが。(まぁ、それは仕方がない)
それでも、今回のアルバムには、「最高!」とはいえないが、ある程度の評価はしているし、クラブ・ミュージックも好きなので、遠めでもやはりノることが出来たが、主に4つ打ちを主軸としたクラブ・ミュージックに慣れていない人たちには、少々きつかったのかも知れない。
しかしながら、単に歌を聴かせるのではなく、ダンサーや映像を多角的多機能的に使用するので、ライヴというよりエンターテインメント・ショウという性質が強い彼女のステージは、楽曲とリンクした映像やパフォーマンスが採り入れられており、そのショウ・アップ、完成度はさすが。エンターテインメント・ショウとして充分に堪能できるものであった。
このショウは、全体的に4つのテーマ構成。黒いエナメル調の衣装でダンサーたちを(首輪をつけるなどして)従える“SM風パフォーマンス”ステージ。話題になった十字架に貼り付けられながら歌う、メッセージ色が強いステージ。マドンナがギター片手にのりまくる、“ロックスター”ステージ。そして、会場を巨大ディスコへと変身させる“ディスコ”ステージだ。
その展開はさながら、オペラかミュージカルを思わせるようで、ライヴというよりもはや総合芸術という位置づけとして考えているようにも感じた。
オープニングに続いては、ドナ・サマーの「I Feel Love」を。新作『コンフェッションズ…』からの1stシングル「ハング・アップ」では、アバの「ギミー・ギミー・ギミー」をサンプリングしていたが、ここでディスコ・クイーン、ドナ・サマーなどを持ってくるあたり、マドンナが掲げる“FUTURE DISCO”サウンドで、観客を踊らせようというフリだろうか。
そして、前半でエンディング級のナンバーを持ってきた。「ライク・ア・ヴァージン」だ。ここでは、ポールが添えられたロデオ・マシーンのような鞍の上で、セクシーなダンスを披露。鞍も結構高い位置まで上昇するので、見ている方がハラハラするが、そこでポールに股間を擦り付けるようなパフォーマンスを繰り広げるなど、相変わらずのマドンナを見せてくれる。
バックには、落馬のシーン映像が。これは、昨年の彼女の誕生日(8月16日)に貰った馬から落馬して大ケガしたことを、パロディにしているのだろう。
「ジャンプ」では、ダンサーたちがジャングルジムみたいなセットや鉄棒などで、器械体操 LIKE A マッスルシアター、いやサルティンバンコ?アレグリア?なアスリート・アトラクションを披露。それも体操選手級。マッスル・アミューズメント・ショウと化していた。
メッセージ色の強いステージの一発目は、話題になっていた「十字架」のシーンだ。ここでは新譜ではなく「リヴ・トゥ・テル」でパフォーマンス。以前から、「神への冒涜」だと教会側などから抗議・非難を受けたパフォーマンスだ。バックには、炎が燃え上がる映像と、これでもかと教会や神を挑発するようにもとれる。
だが、あまり宗教心のない自分からしてみると、何らかのメッセージを発してはいるのだが、単に十字架というセットを背負って歌うだけで、神を冒涜するとか神聖なものを汚している、というような感情は覚えなかった。実は、聖教者側が過剰反応しているだけで、欧米でもそれほどでもないんじゃないか、とも思った。少なくとも、宗教的生活が日常にそれほど重く入り込んでない日本においては、全く問題がないシーンであった。その証拠に、「リヴ・トゥ・テル」を歌い終わった時には、拍手が起こっていたし。
十字架以上に「リヴ・トゥ・テル」では、バック映像に高速でカウントされていく数字が映し出され、1200万でストップ。これが実は、アフリカでエイズに感染している人数で、そのような現状に、「神よ、私はいくらでも十字架に貼り付けられる覚悟だ。その代わりに、このような不幸な現状を救ってくれたまえ」というようなメッセージを送ったのではないか…と感じたのだが。十字架、キリストを題材にすることが、何でもかんでもタブー、さわらぬものに祟りなし、のような感覚でしか宗教者は持っていないなら、それは悲しいこと。それならが、平和や愛を心へ与える宗教が、人間の争いの元凶になっているという現状をどう思っているのか、と問いたい。人間が想像した(創造した)神という存在が、世界を混乱に陥れている現状に。
「アイザック」ではカバラ学者のスポークン・ワーズをそのままステージでも再現。カトリックからカバラに改宗したマドンナの影響を垣間見た。そういえば、どこかでのバックの映像でも、ダビデの星(イスラエル国旗にも描かれている)が映し出されていた。
また、檻のようなところでバック・ダンサーが狂おしく踊っていて、規制や概念に縛られた苦悩を告白(=Confession)しているのかのようだった。
前半の最大のアッパーなシーンは、「ソーリー」。歌詞のなかに、日本語で「ゴメンナサイ」という箇所があるのだが、案の定、そこでウォーって盛り上がっていた。あー、そこは打ち込みのバック・サウンドで、その時はマドンナ歌ってないから…って思ってしまった。
そして、「ライク・イット・オア・ノット」。バックのスクリーンには“DON'T”“TALK”“DON'T”“SPEAK”と映し出された後、ブッシュ大統領やブレア首相など要人の映像が。「お前ら、黙れ!」っていうアンチテーゼなのだろう。海外では盛り上がりそうな場面だったが、ここ日本ではそんなこともなかった。ここらへんが、意識の違いか。
第3ステージは、「アイ・ラヴ・ニューヨーク」から。ステージにネオンで摩天楼が描かれ、ギターを持ったマドンナが登場。ハードでロックなアクトで魅了する。だが、そのうち比較的ロックではなかった「レイ・オブ・ライト」が一番の盛り上がりをみせた。
ラストの“ディスコ”ステージからは、一気にヒート・アップ。「ミュージック」のリミックス・ヴァージョンでは、ジョン・トラボルタよろしく白スーツ・パンツ・スタイルでダンサーを従えての“サタデーナイト・フィーヴァー”モード。ラストの、体重を片足にかけて右手を挙げての定番ポーズでのエンディングに、観客も大歓声だった。
「エロティカ」ではトラボルタ風スーツから白に紫のラインが入った全身タイツ風レオタードに。ややもすれば、一昔前をお思わせる古臭いスタイルだが、それを何事もなく着こなしていいるのはさすがマドンナ、といったところ。しなやかで官能的なダンスで魅せる。「ラ・イスラ・ボニータ」はやや速めのサンバ・アレンジでステップを踏む。バックには、邦題にあった「~美しき島~」を想起させるような、美しい海に浮かぶ島の映像(CG?)が。
続いて「ラッキー・スター」。まさかこの曲を持ってくるとは思わなかったが、古くからのファンには嬉しいところだろう。ここでは、“Dancing Queen”と書かれたマントを羽織って踊っていて、これが、アバ(=※代表曲「ダンシング・クイーン」)の「ギミー・ギミー・ギミー」をサンプリングした「ハング・アップ」への繋がりを予兆させるようだった。
エンディングはもちろん「ハング・アップ」。PV同様ヴァイオレット・カラー(?)のレオタードで登場。股の食い込み具合は、“ダンシング・クイーン”というよりは、“レーシング・クイーン”も真っ青な水着風ハイレグだった。
“TIME GOES BY, SO SLOWLY”のコール・アンド・レスポンスが会場を包み大団円。
最後に“Have you confessed?”とネオン・サインが現われて
終了となった。
曲構成としては、前半は盛り上がりそうになって、突き抜けない感じで流れていくようであったが、第4ステージの展開は、さすがポップ・スターというところを魅せてくれた。エンターテイナーの真髄を見せてもらったというところか。
それと、このライヴ、フラッシュなしなら、写真撮影可能ということで、携帯をかざしていた人も多かった。(自分は「心の印画紙に収めておいた(By タモリ)」ので撮影しなかったが)それだけ、映像というか、芸術的な表現にも労力を惜しまないマドンナの姿勢が感じられたのだった。
さすがに、スタンド席からで14000円は少々高いかな、とも思ったが、なかなか観られない彼女のライヴであるから、4000円は記念料ということで、まぁ納得は出来た。ただ、東京ドームはちょっと勘弁だな。やはり。サウンド的にも座席的にも。出来れば、武道館とかでやって欲しいものだが。
◇◇◇
<SET LIST>
“EQUESTRAIN SECTION”
01 Future Lovers
02 I Feel Love (Donna Summer)
03 Get Together
04 Like A Virgin
05 Jump
“BEDOUIN SECTION”
06 Live To Tell
07 Forbidden Love
08 Isaac
09 Sorry
10 Like It Or Not
≪Remix Video Interlude≫
“NEVER MIND THE BOLLOCKS SECTION”
11 I Love New York
12 Ray Of Light
13 Let It Will Be
14 Drowned World/Substitute For Love
15 Paradise(Not For Me)
“DISCO SECTION”
16 Music(Disco Inferno Mix)
17 Erotica / You Thrill Me
18 La Isla Bonita(Remix)
19 Lucky Star
20 Hung Up
◇◇◇
ちなみに、自分が聴きたかった曲(「パパ・ドント・プリーチ」「エクスプレス・ユアセルフ」「ヴォーグ」とか)はほとんどやらなかったが、「ライク・イット・オア・ノット」後の“Remix Video Interlude”(マドンナの過去曲のPVをカット・アップして繋げた風のもの)で、ほんのちょっとだけ「ドレス・ユー・アップ」とかが流れたので、ヨシとしました。(笑)
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