三密3
(近所のお子さん)
「オッチャン、どうしたん?」
そう声がかかってみると、前の方で子供さんがちょっと距離を置いて立っている。顔見知りでございます。
○さん、とぼとぼと家への帰り道、折からご近所さんの小学生のたけしくんが学校閉鎖で自宅待機、気晴らしに公園にでも行こうと家を出ますとばったり○さんに出会う、○さんにはいつも良くしてもらってますから、○さんの浮かぬ顔が気にかかる。それで思わず声かけたのでした。
たけしくんのご両親は、お二人ともお仕事をもっておられ、お帰りが遅い時などは、○さんのお宅でたけしくんが過ごすという、今ではほぼ絶滅したような昔ながらのご近所付き合い、この流行り病で少し疎遠になってはおりましたが、間近の公園で、きっちり距離をとって近況を話しあっていますと、
た「オッチャンさっきなんで浮かん顔してたん?」
○「たけくん三密知ってる?」
た「知ってるよ」
○「恥ずかし話やけどオッチャン知らんかってん」
た「オッチャン、なんか信じられんくらいガラパゴス状態なんやね?」
○「たけくんの知ってる三密を避けるっていうの教えてくれる?」
た「オッチャンと今いるこの公園のことやんか」
○「どういうことなん」
た「外やし、人おらんし、オッチャンとボクと離れて座ってるし、三密なんかパーフェクトにクリアしてるやん」
○「そうか、閉めきった場所、人だかりの多い所、人がべったりへんばりついてる事を三密いうんか?」
た「この言葉考えついた人って賢いんかアホなんかよう分からんわ。ひょっとして悪賢い奴なんかも知れんな。カルトなやつが密教関係の仏教用語潰したいからこんな言葉作ったんかも知れんよ」
○ 「たけくん、ほんまに子供なんか?オッチャンよりよう物知ってるやんか」
た「ごめんやけど、ほんまに言いにくいけどオッチャン物知らん過ぎやろ?」
○「まさに負うた子に川の深さを教えられるとはこのことか?」
た「あかんあかん、それは密接接触」
でございます。
お後がよろしいようで……。
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