『つくってあそぼ』が放送終了した件についても少しだけ。
僕らの世代の人にとっての『つくってあそぼ』は
『できるかな』の後番組でしかなく、
かつ『できるかな』最終回の衝撃もあって
『できるかな』の縮小再生産というイメージで
解釈している人が多いかと思うのですが、
# 『できるかな』最終回は
# (当時)ロック音楽雑誌の『宝島』で
# 巻頭のカラーページを1ページ使っちゃうほどの事件だったのです。
『つくってあそぼ』は『できるかな』よりも
はるかによく考えられた番組であった事を
記しておきたく今この文を書いています。
『できるかな』はのっぽさんとゴン太くんの無声劇と
それにかかるつかせのりこの軽快なナレーションとが
かっちりとハマっていて
子供の頃に我が家にビデオデッキがやってきた時は
ひたすら『できるかな』だけを録画しつづけたもので、
とにかくあの番組はオシャレでカッコよかった。
しかし『できるかな』の致命的な欠陥は
本来の番組目的である工作の難易度が高かった事。
まだビデオデッキの普及していなかったあの頃に
工作のレシピを控える事はままならなく
説明シーンすらオシャレなもんで
その割りを食って説明が中途半端で
工作の肝心なところがわからない。
番組はあくまでヒントで
自分らしい工作をしてね、という意図も
子供心にわからないでもないのですが
それ以上に番組中の作例がオシャレすぎて
「これと同じのが作りたい」という意識が勝っちゃう。
# 子供の頃のレゴ街シリーズが全く同じ状態で
# 基本ブロックでは既存キットと違和感のない家や車が作れずに
# 悔しい思いをしたものです。
のっぽさんこと高見映さんはインタヴューの度に
「『できるかな』は不器用な僕でも作れたから子供にもできたはずです」
って言うんだけどその度に「嘘だッ!!」と心の中で叫んだものです。
で、ある時また別のインタヴューで同じことを言っていたのですが
その時に「スタッフが用意したものを組み合わせてるだけでしたので
不器用な僕でも作れたんです」的な発言が。
料理番組でいう「これが2時間煮たものになります」理論か!!
…というのにやっと気づきました。
そりゃ作り方の細部をテレビのオンエアだけで必死に確認しても無理だし
それはゼロから作る俺ら視聴者側はめっちゃ難しいって事の裏返しだしで
全ての謎が解けた感じでした。
で、『つくってあそぼ』。
4月の第一回でよく放送した回は
色紙をびりびりにちぎって
目を書いて完成の「びりびりじん」
まず完成品の提示で魅力を伝えてから
わくわくさんが作成。
それを見たゴロリが続いて作成するも上手くいかない。
そこでわくわくさんがコツを説明してゴロリも無事完成。
基本はこの流れ。
びりびりじんはゴロリの作例や
他の完成例を多数提示する事で
どんな色や形でもつくった人の気持ちで解釈すればOKなんだという
メッセージがしっかりと伝わるようになっています。
『できるかな』みたいにカッチリしっかりした完成度じゃないので
作る側に救いがある。
ゴロリは指がちゃんと5本独立可動する着ぐるみで
指部分はあの手の着ぐるみにしてはかなりの薄手にしてあって
子供の立場で工作をするという役回りをきちんと果たしている。
フガフガ言ってのっぽさんのジャマをして
まったく工作をしなかったゴン太くんとは気合いが違います。
確かに番組の"華"では『できるかな』には勝てなくても
工作の楽しさ、実用性では『つくってあそぼ』は
『できるかな』と比べものにならない完成度だったのです。
次の番組でも「作って楽しい」番組構成になる事を願っています。
わくわくさんもイベント出演等で以後もがんばるとの事で
ご多幸ご発展を祈っています。
最後はお約束コメントで。
『メガゾーン23』の続編とか番外編とかで
わくわくさん声優カムバックも待ってますっっ!!
あーー。最後まで「ゴロリくんの従妹の」
という枕詞がとれなかったゴロネちゃんは
最後までゴロリの従妹といての域を超えれなかったように思えて
かわいそうだったなぁ。