東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

若冲展 (東京都美術館)

2016年04月24日 | 展覧会(日本美術)

生誕300年記念 若冲展
2016年4月22日~5月24日
東京都美術館


   混雑が予想される本展。若冲にそれほど執着しているわけではないが、《動植綵絵》は別。

   初見の2006年の三の丸尚蔵館「花鳥-愛でる心,彩る技〈若冲を中心に〉」展以来、2007年の京都・相国寺承天閣美術館「若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵 120年ぶりの再会」展、2009年の東博「皇室の名宝-日本美の華」展と出かけており、今回が7年振り4回目の鑑賞となる。


   会期最初の土曜日、午後0~2時頃の入場待ち時間は10分。それほどの数字ではない。他館を回って午後4時前に再度来てみると、待ち時間ゼロ。残り1.5時間ほどだが、その日の入場を決意する。


   まずは、最大の目的《動植綵絵》に直行する。


   2番目のフロア(1階)全てが《釈迦三尊像》全3幅と《動植綵絵》全30幅にあてられている。


   最前列で見るべく、入口右手の列につく。《紅葉小禽図》からの鑑賞となる。列の進み具合に従い=牛の歩みで進む。その分、1幅1幅をじっくりと眺めることができる。要した時間は1時間。


   日中帯は知らないが、この時間帯では大混雑が徐々に解消されつつあった。しかし、私の前を行く人が、ただでも牛の歩みの列の進み具合を上回るほどじっくり見る人なのだ。普通は抜くのだろうが、抜くほどの隙間がなく、抜くと最前列に復帰できない、その人の前に少し隙間ができると、2列目以降の人が入ってきて、その人数は1幅ごとに1~3人、が繰り返される。これはこれでその状況を含めて楽しむが、残り時間を勘案し、15幅で離脱を決意する。


   そうではあるが、《動植綵絵》はじっくり鑑賞。
   少し残念なのは、全33幅を一望できるポイントが存在しないらしいこと。三つの赤い柱が邪魔をする。


   さて、時間は既に17時。


   最初のフロア(地下1階)に戻る。嬉しいことに殆ど鑑賞客がおらず、効率よく20分ほどで見ていく。一瞥程度の鑑賞時間となるが、よく見かける雰囲気の作品が多い感じ。


   そのなかで、立ち止まって眺めてしまった作品。


   公益財団法人 平木浮世絵財団所蔵の木版着色の《花鳥版画》全6点。


   背景の黒に、鳥や花を浮かび上がらせる。その色彩がまた素晴らしい。
   実見するのは、昨年のサントリー美「若冲と蕪村」展以来2回目だが、すっかり大のお気に入り作品となる。

《花鳥版画 櫟に鸚哥図》

《花鳥版画 青桐に砂糖鳥図》

《花鳥版画 椿に白頭翁図》

《花鳥版画 雪竹に錦鶏図》

《花鳥版画 薔薇に鸚哥図》

《花鳥版画 鸚鵡図》

 

 

   3番目のフロア(2階)にいく。残り5分+アディショナルタイムで駆け足で見ていく。

 

   びっくり、そしてすっかりその魅力に取りつかれてしまったのが、初見の縦31.8cm・長さ1095.1cmの絵巻、佐野市立吉澤記念美術館所蔵の重文《菜蟲譜》。

   前半に描かれた、着色された野菜や果物たち。こんな素晴らしい作品があるとは!!その一つ一つを、実に愛おしく感じる。大のお気に入り作品にさせていただく。
(なお、後半の昆虫や爬虫類たちには、そこまでの思いはない。)

 

   また、初見の個人蔵《百犬図》1幅も、縫いぐるみのような犬たちだが、本当に可愛らしい。前期5/8までの出品。

 

 

    以上、《動植綵絵》を除く大半の作品を一瞥程度で鑑賞を済ませる。


   もう一つの大のお気に入り作品、京都国立博物館所蔵の《果蔬涅槃図》1幅が後期(5/10)からの登場。

 

   その頃には尋常ではない混雑が懸念されるが、それでも訪問するかなあ。
   訪問するなら、開館と同時に2階へ直行し、重文《菜蟲譜》と《果蔬涅槃図》を楽しむのが良さそう。



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