東京でカラヴァッジョ 日記

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【後期】ファンタスティック(府中市美術館)

2016年04月25日 | 展覧会(日本美術)

ファンタスティック-江戸絵画の夢と空想
2016年3月12日~5月8日
府中市美術館

   府中市美術館恒例「春の江戸絵画まつり」。

   2016年のテーマは「ファンタスティック」。

   なんとも緩い設定。
   その分、多様な魅力のある江戸絵画作品を楽しめる。

   今回も作品は前後期完全入替制。4/10までの前期は75点、4/12からの後期は81点出品される。


   まず、本展の構成と出品点数(全体点数、カッコ内は前期、後期の点数)を記載する。


第1章 身のまわりにある別世界:50点(25、25)
・月:9点(5、4)
・太陽:3点(3、0)
・気象:4点(0、4)
・黄昏と夜:5点(3、2)
・花:3点(1、2)
・木立と自然の威容:7点(4、3)
・動物の世界を想像する:5点(2、3)
・天空を考える:8点(4、4)
・夢:3点(0、3)
・これもファンタスティック?:3点(3、0)


第2章 見ることができないもの:61点(28、33)
・海の向こう:10点(3、7)
・伝説と歴史:18点(8、10)
・神仏、神聖な動物:14点(7、7)
・地獄:7点(4、3)
・妖怪、妖術:12点(6、6)


第3章 ファンタスティックな造形:11点(6、5)
・金、霞、しなやかな形:4点(2、2)
・見上げる視線:5点(3、2)
・非日常な色:2点(1、1)


第4章 江戸絵画の「ファンタスティック」に遊ぶ:34点(16、18)


   「2回目は半額でご観覧いただけます」
   「チケットには2度目の観覧料が半額になる割引券が付いています。」
を利用して、後期は、前期訪問時のチケット提示により入場料半額となる。


   後期のお気に入りは3点。偶然だが、全て日本美術史上のトップ画家の作品となった。


第2章 伝説と歴史 より

曽我蕭白(1730-1781年)
《後醍醐帝笠置潜逃図》

   倒幕に失敗し、笠置山に落ちのびた3人。桜の樹の下。疲れ果てて眠りこける二人の家来と、ぼうぜんと振りかえる帝。ゲッセマネの祈りを思い浮かべる。神経質というか、何かピリピリした感じがする作品。桜の樹の下というのが良い。


第2章 神仏、神聖な動物 より

伊藤若冲(1716-1800年)
《亀図》

   可愛らしい亀。

【解説より】
   甲羅の模様は、若冲の水墨画がの十八番の技法。水をたくさん含んだ淡い墨で溶いて、それが乾かないうちに、すぐ隣にも描く。すると、間のところに白い筋が浮き上がる。


第4章 より

円山応挙(1733-1795年)
《地獄変相図》
杉並区・眞盛寺

   三井家の江戸の一族の菩提寺に納められた。落款がないのは厳粛な仏画だかららしい。異様を打ち出さない、大人しめの地獄での裁きの図である。

 

 

   来年の「春の江戸絵画まつり」は、

歌川国芳- 21世紀の絵画力
2017年3月11日~5月7日


   その前に、秋季には「生誕130年記念 藤田嗣治展」、冬季には本展でも数点出品されている「ガラス絵」の展覧会が予定。

 

   お気に入りからは外したが、長沢蘆雪《蓬莱山図》



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