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東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

ルーヴル美術館・2/22から3つの特別展

2017年02月28日 | フェルメール

   パリ・ルーヴル美術館にて、3つの特別展が2/22から始まっている。

 


Vermeer and the Masters of Genre Painting
2017年2月22日〜5月22日

 


Masterpieces from the Leiden Collection
The Age of Rembrandt
2017年2月22日〜5月22日

 


Valentin de Boulogne
Beyond Caravaggio
2017年2月22日〜5月22日

 


1は、大人気必至の「フェルメール展」。

 

   12点ものフェルメールが出品されるとある。

   パリで、一定数以上のフェルメール作品が集められて開催する展覧会は、1966年、オランジュリー美術館での12点以来であるようだ。


1)《手紙を書く女》
ワシントン・ナショナル・ギャラリー


2)《天秤を持つ女》
ワシントン・ナショナル・ギャラリー


3)《リュートを調弦する女》
メトロポリタン美術館


4)《牛乳を注ぐ女》
アムステルダム国立美術館


5)《レースを編む女》
ルーヴル美術館


6)《真珠の首飾りの少女》
ベルリン国立美術館


7)《地理学者》
シュテーデル美術館


8)《天文学者》
ルーヴル美術館


9)《手紙を書く婦人と召使い》
アイルランド国立美術館


10)《信仰の寓意》
メトロポリタン美術館


11)《ヴァージナルの前に座る女》
ロンドン・ナショナル・ギャラリー


12)《ヴァージナルの前に座る若い女》
個人蔵


   豪華!! 室内一人女性系作品の充実度! 一人男性系作品は2点揃い! 12点は12点でも実に豪華な12点! 初期作品が含まれないのも特徴。

 

   うち10点が来日したことがある。未実現の10)と11)の作品も是非来日して欲しい。
   また、4)の《牛乳を注ぐ女》。2007年来日時の国立新美の展示環境が酷かった。絵から遠い!見たうちにカウントしたくない。再度の来日を熱望しているが、その際は鑑賞しやすい展示環境を用意して欲しい。


   本展は、ルーヴル美術館のあと、アイルランド国立美術館およびワシントン・ナショナル・ギャラリーを巡回するとのこと。


→ 【2017.3追記】4)の《牛乳を注ぐ女》と12)はパリのみの出品(←未確認情報)であるようだ。

 

 

2は、米ニューヨークのコレクター、Thomas&Daphne Kaplan夫妻のコレクション「THE LEIDEN COLLECTION」から、レンブラントほか、黄金時代のオランダ美術約30点を紹介する展覧会。


   展覧会サイトには、「THE LEIDEN COLLECTION」サイトへのリンクが用意されている。


   同サイトでは、17世紀オランダ美術中心の約180点が、高レベルの画像と詳しい作品情報とともに紹介されている。
   個人的な関心は、やはりレンブラント、そしてフェルメールである。


   フェルメールは1点。1の「フェルメール展」出品の《ヴァージナルの前に座る若い女》である。
   最も遅くフェルメール作品名簿に加わった作品だが、真筆性には異論が多い。
   2004年に現所有者が取得。2008年の東京都美「フェルメール展」で来日。


   レンブラントは13点。意外にも見覚えのある作品が多い。


   その代表が、
《書斎のミネルヴァ》1635年

 


   2011年の国立西洋美「レンブラント 光の探求/闇の誘惑」展にて、ニューヨーク個人蔵として出品されていたが、このコレクションからだったのだ。


   2008年の取得とのことだが、その前、1988年から2001年まで、日本の個人蔵で、その間ブリヂストン美術館に寄託されていたらしい。


   その時期、ブリヂストン美術館で本作を見たことがあるのだろうか。何かレンブラント作品があると聞いたこともあるような気がするが、曖昧である。


   (このような事例から考えると、現在国立西洋美に寄託・常設展示中のフェルメール《聖プラクセディス》 も見れるうちにしっかりと観ておいたほうがよいということになる。)


   「レンブラント 光の探求/闇の誘惑」展には、このコレクションから《書斎のミネルヴァ》以外にも4点、計5点が出品されている。油彩画の出品数13点のうち5点だから大貢献である。


《陰のかかる自画像》1634年

《白い帽子の女》1640年頃

《3人の音楽家(聴覚)》1624-25年

《石の切除(触角)》1624-25年


   なお、《3人の音楽家(聴覚)》と《石の切除(触角)》は、レンブラントの最初期作品である五感シリーズの2点。

 
   この2点は、前所有者の時代、1986-87年にも来日。
   また、《失神した患者(嗅覚)》が2015年に新発見され、このコレクションに加わった。
   五感シリーズの残る2点のうち、「視覚」にあたる《メガネの行商人》はライデンのラーケンハル美術館が所蔵するが、もう1点「味覚」は確認されていないという。


   本展は、ルーヴル美術館のあと、作品数を拡大して、上海、北京、ルーヴル・アブダビに巡回するとのこと。

 


3は、フランス人のカラヴァッジェスキ、ヴァランタン・ド・ブーローニュ(Valentin de Boulogne)の回顧展。


   ヴァランタン・ド・ブーローニュは、1591年生まれ。1612年頃ローマに移り、以降ローマで活躍する。1632年、41歳でローマで亡くなるが、バリオーネの記述によると、酒に酔ったあと噴水に飛び込んで風邪をひいたためであるらしい。

   画家の作品は、日本のカラヴァッジョ展では、2016年の国立西洋美での出品はなかったものの、2001年の東京都庭園美には1点《泉に寄る洗礼者ヨハネ》ローマ、バルベリーニ宮国立古典美蔵、が出品された。


   本展は、ルーヴルの前に、米メトロポリタン美術館で開催されている。


   METの展覧会サイトによると、現存作品約60点中45点を集めたとある。

http://www.metmuseum.org/exhibitions/listings/2016/valentin-de-boulogne


   宣伝動画を見る限り、気になる作品多数。見たいなあ。せめて図録を購入しようかと現在思案中。



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