東京でカラヴァッジョ 日記

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これぞ暁斎! (Bunkamuraザ・ミュージアム)

2017年03月04日 | 展覧会(日本美術)

ゴールドマン コレクション これぞ暁斎! 
世界が認めたその画力
2017年2月23日~4月16日
Bunkamuraザ・ミュージアム

 

   英在住の画商で、暁斎作品のコレクターとして知られるイスラエル・ゴールドマンが所蔵する作品184点が展示される。

 

【展覧会構成】

序章 出会い - ゴールドマンコレクションの始まり

第1章 万国飛 - 世界を飛び回った鴉たち

第2章 躍動するいのち - 動物たちの世界

第3章 幕末明治 - 転換期のざわめきとにぎわい

第4章 戯れる - 福と笑いをもたらす守り神

笑う - 人間と性 (春画の展示を含みます)

第5章 百鬼繚乱 - 異界への誘い

第6章 祈る - 仏と神仙、先人への尊崇

 

 

【印象に残る作品】


鴉シリーズの第1章

   三方を、14点・17幅・26羽の鴉に囲まれる。リアルなら怖い。

《烏瓜に二羽の鴉》


   最終章の《祈る女と鴉》も印象に残る。

 

幽霊画


   正面向きの俯いた痩せこけた女性の幽霊。
   2番目の妻が亡くなったとき、暁斎は彼女を抱き起してその顔や姿を写生したといい、本作品は、その写生を元に描かれたと伝えられているとのこと。

《幽霊図》

   本作品を観るのは、2015年の東京藝術大学大学美術館「うらめしや~、冥途のみやげ」展以来2回目。このときは、隣に「わずかに生気の残る青白い生首を咥え、芦原を彷徨う男の幽霊」(福岡市博物館蔵)もあって、数多く展示された幽霊画のなかでも、暁斎作品の怖さが際立っていた印象であった。


   本展では、《幽霊図》の下絵も隣に展示されているのがポイント。
   絵との距離が近く、金と銀を使ったという眼の描写をじっくり観ることができる。

 

 

コレクターの思い入れ

「なぜ、あなたは暁斎を集めているのですか?」
「なぜなら暁斎は面白いからです」


「私は、ロンドンのオークションで誰もが見落としていた彼の傑作、豪勢にも僅か55ポンドで落札して以来、暁斎の作品をおよそ35年以上にわたって収集しています。」


55ポンドの作品
《半身達磨》

 

 

「同じころ、私は一匹の象が遊んでいる小さい作品も入手しました。翌日、私はその小品を著名なコレクターに売却してしまったのです。しかし翌朝早くに目を覚まして、何か極めて価値あるものを失ってしまったことを嘆きました。数年間にわたって懇願した末に、それを買い戻すことに成功しました。」


買い戻した作品
《象とたぬき》

 

   もともとは50点ほどの絵を収めた画帖の一枚。同じ画帖からの作品計10点が展示。



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