ウィレム・デ・クーニング展
2014年10月8日~15年1月12日
ブリヂストン美術館
デ・クーニングについて、これまでの関心は、名前は聞いたことがあり、その作品も見たことはあるだろうが、全くイメージが浮かばない、といった程度。
<本展チラシより>
デ・クーニング(1904~1997)は、オランダ・ロッテルダム生まれ、ポロックと並んで、アメリカで開花した抽象表現主義を先導した画家の一人。その作品は、具象と抽象の狭間の表現と、激しい筆致を特色とする。
2階展示室の2室を使っての35点の展示。
うち27点がリョービ・ファウンデーション(ジョン・アンド・キミコ・パワーズ・コレクション)からの出品。
2013年国立新美術館で開催の「アメリカン・ポップ・アート展」でその一部が日本公開された、パワーズ・コレクションである。
<本展出品者>
リョービ・ファウンデーション
:11点の油彩画、16点の素描等
ニューヨーク近代美術館:1点の素描
国内美術館:6点の油彩画
個人蔵:1点の彫刻
鑑賞開始。
No.3≪リーグ≫
板に新聞紙が貼られ、そのうえに油彩で描かれる。
画面は上下で2分割されているように見える。また、上は女性の頭部から胸の上まで、下は胸と組んだ足が描かれているように見える。
楽しめたのは、この作品と、次のNo.4≪女≫まで。
最初の油彩画2点だけ。
その次のNo.8≪サッグ・ハーバー≫以降の展示作品には、惹かれるところなし。
以上。
のままでは、デ・クーニング興味なしで終わってしまうので、少し確認する。
デ・クーニングは、女性像で有名であるらしい。
女性像は、作成時期により、大きく3期に分かれる。
本展は、第3期の女性像を中心に構成される。
以下、本展HPから。
1期:1940年代
1940年前後、ピカソの新古典主義の人物像を思わせる女性像を描く。
2期:1950年代
1940年代を通して試みた抽象表現が一つの頂点を迎えた後、画家はあらたな表現を模索し、女性を主題とした作品の制作に取り組む。1952年に数点の女性像を完成。
女性のデフォルメされた形態が、暴力的なまでに表現主義的な線描と色面で構成され、抽象に限りなく近い表現は、直前の抽象の様式を引継いたもの。
3期:1960年代
1950年代後半になると再び抽象の度合いを増していくが、1960年代前半になると三度女性像の主題に取り組む。
激しい抽象的な表現から一転して、しかしその筆触を存分に活かした躍動感溢れる明るい作品となる。
かつての女性像に見られた緊張感溢れる激しさは和らぎ、肉体を想起させる華やかな赤、ピンク、オレンジ等の明るい色彩が支配する様式に転化しており、溌剌として健康的、時に滑稽な性格を示している。
なるほど、1950年代の第2期の作品が代表作となるだろうか。
だとすれば、それを見ないことにはデ・クーニングを判断できない。
以下、本展のキャプションで言及のあった3作品。
1950年≪発掘≫
1952年≪女 I≫
1954年≪マリリン・モンロー≫
本展で図録展示のあった次のデ・クーニング関連展覧会も要チェックか。
1959年「新しいアメリカ絵画」展
題名のとおり、デ・クーニングを含むアメリカの画家を紹介。
ヨーロッパ8カ国を巡回後、MOMAで開催された凱旋展。