ニューヨークが生んだ伝説の写真家
永遠のソール・ライター
2020年1月9日〜3月8日
Bunkamura ザ・ミュージアム
2017年の日本初の回顧展は見に行かなかったが、今回の再度の回顧展には会期早々に行く。
ニューヨークの日常を舞台とする抽象表現主義的な写真。浮世絵っぽくもある。隠し撮りっぽさ。カラー写真は色彩の鮮やかさ、モノクロ写真は白と黒の対比。画面全体がぼやけて、あるいは遮断物などが大きく余白のように置かれて、ある1点にスポット。または、画面全体にリズミカルな色彩。
写真に疎い私だが、その色彩の妙を楽しむ。

米国人写真家ソール・ライター(1923〜2013)。1950年代からファッション写真家としてニューヨークで活躍。しかし58歳になった年に自らのスタジオを閉鎖し、隠遁生活に入る。
1940年代後半から1950年代に撮影されながら未現像のまま眠っていたカラー写真が、1994年に、英国の写真感材メーカーの補助金によって初めてプリントされ、ニューヨークの老舗写真ギャラリーで個展が開催される。2006年、カラー写真集が出版されると大きな反響を巻き起こし、「カラー写真のパイオニア」と言われるようになる。
写真家の死去の翌年2014年、ソール・ライター財団が設立、「ソール・ライター作品の全アーカイブ化」を大きな目的の一つに掲げ、彼のアトレエに残された膨大な作品・資料の整理・発掘作業が現在進行形で進められている。
写真撮影可能エリアは1箇所。
ソール・ライターおよび彼の長年のパートナーであった女性ソームズ・バントリーの絵画作品。写真は含まれない。自身の写真を飾る趣味はなかったようである。
「ソール・ライターが住んでいたアパートメントの壁の再現」