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東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

香月泰男と丸木位里・俊、そして川田喜久治(平塚市美術館)

2016年10月01日 | 展覧会(日本美術)

開館25周年記念展
香月泰男と丸木位里・俊、そして川田喜久治
-シベリアシリーズ・原爆の図・地図-
2016年9月17日〜11月20日
平塚市美術館

 

   香月泰男の《シベリア・シリーズ》と《軍事郵便はがき》、丸木位里・俊の《原爆の図》、そして川田喜久治の《地図》が展示される展覧会。

 


   最初に香月泰男(1911-1974)の《シベリア・シリーズ》。
   全57点中、34点が展示。山口県立美術館からの出品。
   制作年順ではなく、体験順に並ぶ。画家自身による解説文が付される。


□応召・山口西部第4部隊・出征/1943.1-4 【2点】
□旧満州国ハイラル市第19野戦貨物廠駐屯時代/1943.4-1945.5 【8点】
□敗戦・シベリア輸送/1945.8-11 【7点】
□セーヤ収容所/1945.11-1946.6 【5点】
□チェルノゴルスク収容所/1946.6-1947.4 【3点】
□ダモイ・帰路/1947.4-ナホトカ/1947.5 【9点】

 

   《軍事郵便はがき》は、香月泰男美術館から40点の出品。

 


   次に、丸木位里(1901-1995)・丸木俊(1912-2000)の《原爆の図》。
   原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)所蔵の14点のうち6点が出品される。


第一部《幽霊》
第三部《水》
第四部《虹》
第五部《少年少女》
第七部《竹やぶ》
第八部《救出》


   第二部と第六部は、ドイツ・ミュンヘンの展覧会に出張中とのこと。

 


   最後に、川田喜久治(1933-)の《地図》。
   30点+壁一面にシリーズ84点の展示。
   写真集『地図』初版本(1965年、美術出版社)も参考展示。
   会期中、ご本人のトーク会が予定されている。

 

 

   大物3シリーズをただ見つめる。

 

 

   香月泰男《シベリア・シリーズ》を観るのは、2004年の静岡県立美術館での没後30年大回顧展以来だから、12年ぶり。

 

   丸木位里・俊《原爆の図》は、2013年の神奈川県立近代美術館葉山の「戦争/美術1940-1950 モダニズムの連鎖と変容」展で、第1部と第3部を見たのが初めて。そのあと日を置かず、原爆の図丸木美術館を初訪問し、第5、8、9、10、11、14部を見ている。
   ということは、私の未見は、ミュンヘン出張中の第2部と第6部。あと第12、13部(と同美術館の所蔵でない第15部)となる。

 

   川田喜久治《地図》は、それと意識して見たことは初めてである。

 

 


   雨天もあってか、会場は空いていて、全く自分のペースで鑑賞できる。

 

   大物3シリーズがドン、ドン、ドン。見つめる。よりほかはない。

 


立花隆著『シベリア鎮魂歌-香月泰男の世界』から。


「一人の絵描きとして、いつも私は普通の兵隊とは別の空間に住んでいた。生命そのものが危機にさらされている瞬間にすら、美しいものを発見し、絵になるものを発見せずにいられなかった」「この絵描き根性があったがゆえに、ほかの兵隊たちが完全な餓鬼道に陥っているようなときにも、一歩ひいたところに身を持していることができたのだろう」

 



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