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東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

古代ギリシャ -時空を超えた旅- (東京国立博物館)

2016年08月07日 | 展覧会(西洋美術)

古代ギリシャ
-時空を超えた旅-
2016年6月21日~9月19日
東京国立博物館



   ギリシャ国内の博物館より日本へ、紀元前6500年から後3世紀頃までの古代ギリシャの作品が325点もやってきた。

 

【本展の章だて】


第1章 古代ギリシャ世界のはじまり(前6800年紀~前1100年頃)


第2章 ミノス文明(前3200年頃~前1100年頃)


第3章 ミュケナイ文明(前1600年頃~前1100年頃)


第4章 幾何学様式~アルカイック時代(前900年頃~前480年)


第5章 クラシック時代(前480年~前323年)


第6章 古代オリンピック


第7章 マケドニア王国


第8章 ヘレニズムとローマ(前323年~)

 

 

【印象に残る作品】


No.25《スペドス型女性像》
クフォニシア群島より出土か
世紀前2800~前2300年(初期キュクラデスII期)
キュクラデス博物館

   のっぺらぼうな顔、胸の下での腕組み、などが印象的な大理石像。同種と思われる作品が他に何点か出品されているが、本作品が75cm近くと一番大きい。当初は目や口や髪が顔料で描かれていたという。

 

No.46《海洋様式の葡萄酒甕》
クレタ島、ザクロス宮殿より出土
世紀前1450年頃(後期ミノスIB期)
イラクリオン考古学博物館

   タコの8本の足が画面いっぱいに拡がる。その隙間を埋める形で、巻き貝、海藻、水しぶき、石が描かれる。「海洋様式」と呼ぶらしい。

 

No.75《漁夫のフレスコ画》
テラ(サントリーニ島)、アクロティリの集落、「西の家」(5室)より出土
前17世紀
テラ先史博物館

   紀元前1600年代、火山島であるテラ島で、火山が大爆発、島内の街アクロティリは火山灰に埋もれる。そのおかげでこのような状態の良いフレスコ画が今日まで伝わった。

 

No.314《青年像》
キュクラデス諸島、キュトノス島沖で発見
前4~前3世紀
アテネ、水中考古学監督局

No.315《君主頭部》
ドデカネス諸島、カリュムノス島沖で発見
前3世紀
カリュムノス考古学博物館

   青銅製の像2点。ともに偶然漁師により海底から引き揚げられたもの。後者は、頭部のみ残る作品。前者は、頭部と右手、右脚の膝下を失っているほか欠損部分が多い。
   その表面の浸食具合に、2005年に東博(その後、愛知万博のイタリア・パビリオン)で展示された《踊るサチュロス》(シチリア州立 マザラ・デル・ヴァッロ サテュロス博物館蔵)を想起する。




   古代ギリシャ美術作品史を学習する絶好の機会なのだろうが、古代ギリシャ、古代地中海世界は、時間的にも地理的にも余りにも遠く、今は生来の発掘品苦手感が先行している。幸いに会期は9/19まであるので、受入れ体制の立直しができればいいのだけれど。



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