20世紀のポスター[タイポグラフィ]-デザインのちから・文字のちから
2011年1月29日~3月27日
東京都庭園美術館
株式会社竹尾のポスターコレクションから、タイポグラフィに焦点をあて選ばれた約110点のポスター作品を紹介する展覧会。
本展の構成は、次のとおり。
第1部:読む文字から見る文字へ:タイポグラフィの革新(1900~30年代)
第2部:タイポグラフィの国際化:モダンデザインの展開と商業広告の拡大(1940~50年代)
第3部:躍動する文字と図像:大衆社会とタイポグラフィの連結(1960~70年代)
第4部:電子時代のタイポグラフィ:ポストモダンとDTP革命(1980~90年代)
1 来場者は、通常の展覧会と比べ、美術系の学生らしい男女の比率が高い気がしました。
2 展示作品はドイツ語圏、特にスイスのポスターの割合が高いようです。
チューリッヒ(Kunstgewerbe MuseumやTonhalle Zürichなど)やバーゼル(Kunsthalle Baselなど)。
スイスのポスターは、ポスター界では、どのような位置にいるのでしょうか。
3 各展示室は、展示作品の特性を生かすためか、極力朝香宮邸の雰囲気を覆い隠すような内装でした。
おかげで、いつもの庭園美術館病(2001年のカラヴァッジョ展を思い出す病)に陥らずに鑑賞を楽しむことができました。
個人的には、第1部から第2部までの時代の、レトロを感じさせる作品が好みです。
例えば、この世界では有名な作品なようですが、エル・リンツキーの「ソヴィエト連邦展」(1929年)。
スイス・チューリッヒの展覧会ですが、どんな展覧会(産業展示会?)だったのかも気になります。
ルツィアン・ベルンハルトの「戦時国債募集」(1918年、ドイツ)。
2007年に印刷博物館で開催された「モード・オブ・ザ・ウォー」(第一次世界大戦期アメリカのプロパガンダポスター)展を思い出しました。
美術展覧会のポスター。
フェルディナント・ホードラー「オーストリア造形美術家協会第19回分離派展」(1904年)
マックス・エルンストの「シュルレアリスム国際展」(1936年、イギリス)
ハンス・ノイブルグの「ダダ展」(1966年、スイス・チューリッヒ)
あたりが印象的でした。
本展覧会のポスター(白地に黒の大きな「T」字、左わきに上から赤・黄・青の円3つ)も、タイポグラフィの典型版を示しているようで面白いです。
余裕があればもう一度行ってみようと思います。