ITで読んだ怖い話 (ll゚Д゚)怖ァ・・
取引先の人から聞いた話
その人が言うに もうだいぶ前の出来事とのことだから 少なくとも10年以上前のことと思われる インドネシアにA氏(話してくれた人)
B氏・C氏の3人で仕事に行った
仕事といっても半分は遊びを兼ねたような旅行だったらしい そんなわけなので 仕事が終わってから10日近い暇ができ 最初の2~3日
はのんびりと観光を楽しんでいた
3人とも現地は初めてではないので なんとなく退屈さを感じていたところ B氏が
「ラフレシアを見てみないか?」
と言い出した
ジャングルに入るにはやはりガイドが要る C氏が伝をたどってガイドをさがしたところ 幸いにも引き受けてくれる人が見つかった
翌日3人はガイドのいる町へ向かった そしてガイドと落ち合い装備を調達すると その町の安ホテルで1泊した翌早朝 ガイドを含めた
4人はジャングルへと分け入った
念のためにラフレシアについて書いておくと 巨大な寄生花であるこの植物は 数が少ない上に開花する時間も僅かで なかなか
お目にかかることは困難である
ガイドにも
「期待はしないほうがいい」
と予め念を押された まずは蕾を探し出し その蕾が開花するまで待って花を見るというのが普通だが 日帰りで何日かジャングルに
分け入ってもまず無理だろうとのことだ それでも偶にはジャングル探検も悪くない 何かの話の種になるだろう 3人はそんな気分で
あったということだ
1日目 何の成果もなく終わった
A氏はジャングルに分け入るということがこんなにも大変だとは思わなかったという 何と言っても蒸し暑く体力の消耗が酷い
おまけに害になる生き物にも常に注意を払わなければならない おそらく他の2人も同じ気持ちであったろう
2日目 昨日とは方向を変えたがこれまた成果無し
疲労困憊でホテルに帰る もういい加減嫌にはなっていたが せっかく来たのだからと 明日もう一日がんばってみることにした
そして3日目
当然 1日目・2日目とは方向を変えて分け入る しかし やはりというか 蕾さえ発見できぬまま時間は過ぎてゆく 幾分早い時間だが
かなり疲れもあって 諦めて戻ろうということになった ガイドにその旨を告げると4人は道を引き返した
2時間半ほど歩いたころ 列の最後尾にいたB氏が声をあげた B氏が指差すほうを見ると 遠くに何やら赤茶けた塊が見えた
「あれラフレシアじゃないのか?」
ガイドは目を細めるようにして見ていたが 突然顔を引きつらせた
「急ごう!黙って付いてきなさい!」
ガイドは小走りに進み始めた なおもそれを気にして足の進まない3人に振り向きざま言った
「命が欲しいのなら 急ぎなさい!」
只ならぬガイドの雰囲気に 3人は慌ててガイドの後を追った
しばらくすると生臭い臭気が漂ってきた ふと振り返ったA氏の目には 赤茶けた物体がさっきより確実に近いところにあるのが映った
動いているのか?あれは! この臭いがあの物体から発せられているとしたら あれはラフレシアではない
実際に臭いを嗅いだことはないが ラフレシアは肉の腐ったような臭いのはずなのに 今漂っているのは生臭さである
A氏はあれがラフレシアではないどころか 何か得体の知れない「嫌なもの」であることを確信した 自然に足が速まる ガイドはもちろん
B氏・C氏もそれに感づいたようで 自然と一行の足は速くなった 生臭い臭気は徐々に強くなっている気がした
後ろを振り返ってみようと思うが恐怖でそれもできない
後に続くB氏・C氏の2人も A氏を追い抜く勢いでぴったり付いてくる 普通の道ではないから 全力疾走というわけにはいかないが
可能な限り速く走った
その距離で分かったのだが それは大きさは2メートル近く 直径70~80センチもある寸詰まりで巨大なヒルのような感じであった
道に出ると ガイドが足を止め荒くなった呼吸を整えている 3人も立ち止まった
「もう大丈夫だと思います」
ガイドが息を切らせながら言った A氏は安堵のあまりその場に座り込んだ 他の2人も真っ赤な顔をしてしゃがみこんだ
落ち着いてみるともうあの臭いはしない ジャングルの中を見たが 木々が日光を遮っているせいで様子は分からない
「あれは何なのか?」
ガイドに尋ねたが首を振っただけで何も答えてはくれなかった 結局ホテルに着いても
「あのことは忘れてください 私も詳しくは知らないし 忘れたほうがいいですよ」
と あれが何かは教えてもらえなかった ようやく自動車の通れる道が見えてきた ふと振り返ると それはもう10メートルに
満たない距離にいた
後日C氏が仕事でインドネシアに行ったとき かなり方々でこの件を聞きまわったようで いくらかの情報を得ることができた
それは「人を喰うもの」で 人をみつけると執拗に追いかけ 人が疲れて動けなくなったとき襲い掛かってくるという
太陽の光が好きではなく あのときもし早めに切り上げていなかったら ジャングルを抜け出しても追ってきて 逃げ切れなかった
かもしれなかった
それを見たら現地で言うお祓いを受けなければならない お祓いを受けなければ それは追いかけた人間を忘れず 執拗に狙ってくる
3人はお祓いはしなかったが すぐに日本に帰ったので難を逃れたのではないか そしてその名前は分からない というよりも口にしない
ということであった