7.各種ヨシノボリ
前述のように、ヨシノボリの分類には色々とややこしい事があって、一筋縄ではいかない状況です。
2010年代に入ってからもいくつかの進展があったのですが、余計にややこしく感じるところもあります。
この章では、これまでのいきさつを簡単に整理しつつ、できるだけ簡単に概要をまとめてみたいと思います。
高度な難しいお話は、もっと良いサイトもあると思いますので、初心者でも解りやすいように・・・という当初のコンセプトをできるだけ守っていきたいと思います。
ハゼ亜目ハゼ科ヨシノボリ属という「属名」と、ヨシノボリ属に分類されているいくつかの種の総称がヨシノボリという名前の持つ意味です。
学問とは、多くの場合仮説と実証を経て導き出された確からしさのある説、つまり通説に寄るものと僕は思っています。
新しい発見や研究成果によって、それまでの通説が覆る事は時々起ります。
解りやすく言うと、昔の教科書に書かれていた内容が、最新の教科書では違った内容になっている事もある訳です。
ヨシノボリ属(Rhinogobius)に属する種は、かつてはヨシノボリとゴクラクハゼの2種とされていた・・・というあたりからお話を始めさせていただこうかと思います。
<ヨシノボリ属> ~1960年
01.ゴクラクハゼ
02.ヨシノボリ
○「型」の存在
ヨシノボリについては、主に模様などの違いから、いくつかの「型」があるとされていました。
<ヨシノボリ属> 1960年~1989年
01.ゴクラクハゼ
02.カワヨシノボリ
03.ヨシノボリ
○カワヨシノボリ
1960年に、大型の卵を産み海に降らず一生を淡水で過ごすタイプのヨシノボリが別種とされました。
これがカワヨシノボリです。
<ヨシノボリ属> 2005年頃
01.ゴクラクハゼ
02.カワヨシノボリ
03.オオヨシノボリ
04.クロヨシノボリ
05.シマヨシノボリ
06.トウヨシノボリ
07.ルリヨシノボリ
08.ヒラヨシノボリ
09.アヤヨシノボリ
10.アオバラヨシノボリ
11.キバラヨシノボリ
12.オガサワラヨシノボリ
13.ビワヨシノボリ
○「型」から「種」へ
それまで1種とされていたヨシノボリの各「型」を別々の「種」として分類するようになりました。
2005年頃とは、僕がヨシノボリに興味を持った頃で、だいたいこんな感じだったかな?といった整理です。
03.~11.までは、1989年に提唱されたもので、12.は1992年に提唱されています。
13.は2002年の提唱と聞きますが、当時「仮称」とつけられていたように思います。
この分類では、正式な「学名」は無く「和名」だけが提唱された形になっています。
学名・和名については別途整理するとして、この章では「和名」だけ取り上げておきます。
<ヨシノボリ属> 2005年~2013年
01.ゴクラクハゼ
02.カワヨシノボリ
03.オオヨシノボリ
04.クロヨシノボリ
05.シマヨシノボリ
06.トウヨシノボリ
07.ルリヨシノボリ
08.ヒラヨシノボリ
09.アヤヨシノボリ
10.アオバラヨシノボリ
11.キバラヨシノボリ
12.オガサワラヨシノボリ
13.ビワヨシノボリ
14.トウカイヨシノボリ
15.シマヒレヨシノボリ
○新名称
「学名」の無い名称として、2005年にトウカイヨシノボリが、2010年にシマヒレヨシノボリが提唱されました。
いずれも、トウヨシノボリからの分離となります。
背景として、トウヨシノボリは地域変異が大きく複数の別種を含んでいる可能性があるとされてきた事があります。
ヨシノボリ類のなかでも最もややこしい存在がトウヨシノボリだと思います。
トウカイヨシノボリは、学術的に分類される前よりネットなどでウシヨシノボリと呼ばれていて、僕もウシヨシと呼んだほうが馴染み深いです。
03.04.12.などに「学名」が付きました。(学名の話まで入れるとややこしいので、別の章で別途触れる事にします。)
<ヨシノボリ属> 2013年
○「日本産魚類検索 全種の同定 第三版」
「日本産魚類検索 全種の同定 第三版」とは、3冊セット3万円以上という凄い書籍です。
この書籍の中で06.トウヨシノボリが分類されいくつかの「和名」が提唱されているそうです。
僕は購入していないのですが、伝え聞く話を整理してみます。
06.a オウミヨシノボリ (琵琶湖水系の旧トウヨシノボリ)
06.b クロダハゼ (関東平野の旧トウヨシノボリ)
06.c カズサヨシノボリ (房総半島丘陵部の旧トウヨシノボリ)
06.d ヨシノボリ属の1種(上記以外の旧トウヨシノボリ・未分類で和名が無いもの)
つまりは、トウヨシノボリという名称は基本無くなり、分類可能な3種に新称を提唱した。
そして分類可能3種以外は未掲載となっています。
2013年4月時点で、僕の考えは以下の通りです。
→ 日本産魚類検索 (2013/04/13)
ややこしい状況が落ち着くまでには、もう少し時間が必要だと思っています。
「日本産魚類検索 全種の同定 第三版」に書かれている名称が、必ずしも正式名称な訳では無い・・・というややこしい背景もあります。
当面は臨機応変に使い分けるような現実的対応が必要かと思っています。
「ヨシノボリ」に戻る
「ボウズハゼ」に続く
前述のように、ヨシノボリの分類には色々とややこしい事があって、一筋縄ではいかない状況です。
2010年代に入ってからもいくつかの進展があったのですが、余計にややこしく感じるところもあります。
この章では、これまでのいきさつを簡単に整理しつつ、できるだけ簡単に概要をまとめてみたいと思います。
高度な難しいお話は、もっと良いサイトもあると思いますので、初心者でも解りやすいように・・・という当初のコンセプトをできるだけ守っていきたいと思います。
ハゼ亜目ハゼ科ヨシノボリ属という「属名」と、ヨシノボリ属に分類されているいくつかの種の総称がヨシノボリという名前の持つ意味です。
学問とは、多くの場合仮説と実証を経て導き出された確からしさのある説、つまり通説に寄るものと僕は思っています。
新しい発見や研究成果によって、それまでの通説が覆る事は時々起ります。
解りやすく言うと、昔の教科書に書かれていた内容が、最新の教科書では違った内容になっている事もある訳です。
ヨシノボリ属(Rhinogobius)に属する種は、かつてはヨシノボリとゴクラクハゼの2種とされていた・・・というあたりからお話を始めさせていただこうかと思います。
<ヨシノボリ属> ~1960年
01.ゴクラクハゼ
02.ヨシノボリ
○「型」の存在
ヨシノボリについては、主に模様などの違いから、いくつかの「型」があるとされていました。
<ヨシノボリ属> 1960年~1989年
01.ゴクラクハゼ
02.カワヨシノボリ
03.ヨシノボリ
○カワヨシノボリ
1960年に、大型の卵を産み海に降らず一生を淡水で過ごすタイプのヨシノボリが別種とされました。
これがカワヨシノボリです。
<ヨシノボリ属> 2005年頃
01.ゴクラクハゼ
02.カワヨシノボリ
03.オオヨシノボリ
04.クロヨシノボリ
05.シマヨシノボリ
06.トウヨシノボリ
07.ルリヨシノボリ
08.ヒラヨシノボリ
09.アヤヨシノボリ
10.アオバラヨシノボリ
11.キバラヨシノボリ
12.オガサワラヨシノボリ
13.ビワヨシノボリ
○「型」から「種」へ
それまで1種とされていたヨシノボリの各「型」を別々の「種」として分類するようになりました。
2005年頃とは、僕がヨシノボリに興味を持った頃で、だいたいこんな感じだったかな?といった整理です。
03.~11.までは、1989年に提唱されたもので、12.は1992年に提唱されています。
13.は2002年の提唱と聞きますが、当時「仮称」とつけられていたように思います。
この分類では、正式な「学名」は無く「和名」だけが提唱された形になっています。
学名・和名については別途整理するとして、この章では「和名」だけ取り上げておきます。
<ヨシノボリ属> 2005年~2013年
01.ゴクラクハゼ
02.カワヨシノボリ
03.オオヨシノボリ
04.クロヨシノボリ
05.シマヨシノボリ
06.トウヨシノボリ
07.ルリヨシノボリ
08.ヒラヨシノボリ
09.アヤヨシノボリ
10.アオバラヨシノボリ
11.キバラヨシノボリ
12.オガサワラヨシノボリ
13.ビワヨシノボリ
14.トウカイヨシノボリ
15.シマヒレヨシノボリ
○新名称
「学名」の無い名称として、2005年にトウカイヨシノボリが、2010年にシマヒレヨシノボリが提唱されました。
いずれも、トウヨシノボリからの分離となります。
背景として、トウヨシノボリは地域変異が大きく複数の別種を含んでいる可能性があるとされてきた事があります。
ヨシノボリ類のなかでも最もややこしい存在がトウヨシノボリだと思います。
トウカイヨシノボリは、学術的に分類される前よりネットなどでウシヨシノボリと呼ばれていて、僕もウシヨシと呼んだほうが馴染み深いです。
03.04.12.などに「学名」が付きました。(学名の話まで入れるとややこしいので、別の章で別途触れる事にします。)
<ヨシノボリ属> 2013年
○「日本産魚類検索 全種の同定 第三版」
「日本産魚類検索 全種の同定 第三版」とは、3冊セット3万円以上という凄い書籍です。
この書籍の中で06.トウヨシノボリが分類されいくつかの「和名」が提唱されているそうです。
僕は購入していないのですが、伝え聞く話を整理してみます。
06.a オウミヨシノボリ (琵琶湖水系の旧トウヨシノボリ)
06.b クロダハゼ (関東平野の旧トウヨシノボリ)
06.c カズサヨシノボリ (房総半島丘陵部の旧トウヨシノボリ)
06.d ヨシノボリ属の1種(上記以外の旧トウヨシノボリ・未分類で和名が無いもの)
つまりは、トウヨシノボリという名称は基本無くなり、分類可能な3種に新称を提唱した。
そして分類可能3種以外は未掲載となっています。
2013年4月時点で、僕の考えは以下の通りです。
→ 日本産魚類検索 (2013/04/13)
ややこしい状況が落ち着くまでには、もう少し時間が必要だと思っています。
「日本産魚類検索 全種の同定 第三版」に書かれている名称が、必ずしも正式名称な訳では無い・・・というややこしい背景もあります。
当面は臨機応変に使い分けるような現実的対応が必要かと思っています。
「ヨシノボリ」に戻る
「ボウズハゼ」に続く
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