雑草日記

花と猫を愛でています。

「百鬼夜行の少年」

2011-02-24 15:26:56 | 読書


百鬼夜行の少年―鏡ヶ原遺聞〈壱ノ巻〉 (C・NOVELSファンタジア) [単行本]
天堂 里砂 (著)


天堂さんの新刊です(って、もう1ヶ月も経ってますが)。
副題みて「おお?」と思う人は同郷かも(笑)

妖怪ものです。
しかしこの妖怪たちがかなり賑やかというか個性的というか変…いや、楽しい方々です。振り回される主人公は大変だけど意外とたくましい(笑)。子供らしい悩み抱えてたり、思春期らしく傷付きやすかったりするけど、卑屈になってないとこがいいです。夢見がちなわけでもなく、周りを見て現実をちゃんと見てる。でも自分に関することは見え難いんだよねえ…誰でもそうだけどね。主人公の目線の高さが好感持てました。
そして神宮司はかっこいいね!
妖怪達はとにかく賑やかですが私は渋いタビがお気に入りです次巻で出番増えないかな。

まあやっぱりひとりは良くないです。
妖怪だろうと人だろうと、関わり合ってすったもんだするのが良いです。

い、今頃『夢の上・1』

2011-01-27 20:35:36 | 読書
前のシリーズからちょっと間があったけど、新シリーズが始まって嬉しいです。
そんな多崎さんの『夢の上』。

――ホントは先日2巻が出てるんですが

雨林でいろんなものと一緒にカート突っ込みましたんで、届くのが遅くなってる模様…。天堂さんの新刊も同時に出てるし今月はウハウハに嬉しい月です。…あ、明日には届くんだって!

で。

夢の上〈1〉翠輝晶・蒼輝晶 (C・NOVELSファンタジア) [新書]
多崎 礼 (著)

実は蒼輝晶編を読んだのが最近でした←オイ
全三巻で短編(ってほど短くないと思うけど)を綴った連作になってまして。最初の翠輝晶編は即読了したのだけど、そのまましばらく放置されておりました…。というか色んなものに手を出して、小説3冊読みかけとか、さらにゲームも2作同時進行とかごちゃごちゃになってましたよ。

話が別れてるから途中で止まっちゃったけど、さすがに読み出したら面白くて一気読み。
最初の話とは語り手が変わるのでそれも面白いなと思いました。
全体的にちょっと人間が綺麗すぎるな~とは思う。でも重い話もそれで爽やかになってるのがいいかも。これは一人称がいい味出してるんだろうな。翠輝晶のアイナのポジティブさが好きです。

蒼輝晶編のアーディンは、子供の頃の彼が子供っぽく見えないー!大人の彼の語りだからかもしれないけど可愛げないぞ。でも逆に子供のイズガータがめっちゃ可愛い…! アーディン・フィルターがかかってるからか!?(笑)それにしても努力型の方々のストイックな生き方には、憧れる前に「いやいやいや、無理無理無理」と思ってしまいますわ… 
過酷なわりに面白いキャラだらけなのですごく楽しい。器用ゆえに可哀相なアーディンはじめ、今後がとても気になります。2巻読みたいー!

『パーフェクト・ブルー』読了

2010-12-18 16:13:01 | 読書
そろそろハリポタ映画が公開だし、観に行かなきゃ。
その前に本の上巻だけでも読んでおかなきゃ(まだ7巻読んでなかった)。
それじゃハリポタ読む前に、今読みかけの本を読み終えなきゃ。

という感じで読了しました。

『パーフェクト・ブルー 』(創元推理文庫)
宮部 みゆき (著)

面白くて途中までさくさく読んでたんですが、中座したらそのままになってしまってました。
宮部みゆきさんの長編デビュー作です。
初長編だというのにすごい中身詰まってますね。そして宮部さんらしさ全開です。
重い問題とか、解決するに難しい事柄とか盛り込んであるけど、重くなりすぎないし説教臭くならないのもいいですね。高校野球が話の中心になってるしメインの登場人物も若いから、重いはずなのに爽やかでもある。
しかし…仕事柄もあるけど、意識しなきゃいけない事だなと思いましたね。数ってのは怖い。
ミステリとしては途中、結構分かり易い形でヒントが出るので、大どんでん返しという感じではないです。
やるせないけど救いも感じられる、そんな匙加減が好き。

しかし宮部さんのすっきりした文章とテンポの良さの後だと、ハリポタの読み難さが……なんとも……(面白いんだけど文章がねぇ)。

『天球儀白話』

2010-10-05 22:47:28 | 読書

楽しみだった『フェンネル大陸』の外伝を楽しんで読んでます(進行形。でももうすぐ読了)。

天球儀白話 フェンネル大陸 外伝 (講談社ノベルス) [新書]
高里 椎奈 (著) 

外伝というより、本編に入りきらなかったエピソード集といった感じ。
なので、さらりと出てきただけの人に実はこんなことが!とか、
ちょっと場を外してた間にそんなことしてたのかアンタ!とか、
過去話とか、
かなり面白くてオイシイ本です。

――ノエルとエリウッドってこんなヤツだったのか……(;¬¬)

レジエクスの話はツボですね!黄金期だったという一世代前のソルドいいなあ。素敵なおっさんたちは大好きです。
あと、オルガとパラの話が好き。見方によっては酷い話だと思うけれど本人たちがそれでいいので良いのです。それに確約がなくてもすでに家族で、二人もそれ分かってると思えるのがいいかな。


『妖怪アパートの幽雅な日常・1』

2010-09-05 17:38:07 | 読書

昨日、美容院へ持っていって読んだ本がこれ。

妖怪アパートの幽雅な日常1 (講談社文庫) [文庫]

香月 日輪(著)

カバー絵につられて買った本。上の画像にはないけど、これに幽霊絵の帯が付いてて可愛かったんですよ!

ラフな文章なのであっという間に読了。わらわら出てくる登場人物(+妖怪)がとても楽しかったです。
茜さんが最高でした。そしてるり子さんの料理がやたら旨そうで読んでて困った(お腹空くよー!)。
……が、最後まで主人公が理解出来ずに終わりました。
悩みや葛藤は分かるけど。
一人の親友に対して以外、誰にも「地」を出せないのに、「現代の人は他人と深く関わろうとしない。人間関係が希薄」とか悩まれてもなあ。

アパートの住人は魅力的なんですけど、誰も彼も主人公に優しいし。
自分ではどうにもならない出来事で凹んでいるとき、他人の優しさが身に染みることもある。でもどこからともなく助けが入りアパートでたくさん優しくされて、現実に返ったら人間関係に行き詰まり、またアパートに戻ってめでたし……って、「え?」と思ってしまいました。
親類の女の子とラストで分かり合えて、ハッピーエンドぽかったけど。でも主人公はすっかり彼女のことは忘れてたよー?彼女が主人公のことを理解して勇気を出して会いに来てくれ、話してくれたからの結果だよね。
結局主人公、自分で解決したことゼロなんじゃ…。

4分の3は楽しく読めたし考えることもあったけど、最後は都合よくまとめて、なし崩しに納得させられた感じ。つまり最後がどうにも腑に落ちなかったです。なんか残念。