昨日までの復習をすると、①部屋を借りる決定権者(入居者)に働きかける、②その入居者を案内する不動産業者に働きかける、そして、ターゲット・セグメントを3つ細かく決める、ということでした。
ここでは、例として、中野区の築50年の木造アパート、駅徒歩15分、1K、3点UB、室外洗濯機置き場、で考えてみます。
ターゲット・セグメント1.は、狩野隆さん未婚独身35歳、長野県出身、日大文理学部を卒業後電気量販店に就職するも2年で退職し、それ以降はローソン100で契約社員をしている。現在は、立川市に住んでいて、彼女いない歴10年、2次元ゲームの彼女に片思い中。月に1回秋葉原をめぐるのが趣味でもある。時々眼鏡をかけるが、普段はコンタクトレンズを入れている。身長は175㎝、体重は60㎏とやせ型で、頬が少しこけた感じである。学生時代の友達とは年に1回会うか会わないかくらいで、ゲーム仲間と月1回秋葉原で一緒に遊ぶのが楽しみでもある。実家には年に1、2回は帰省している。2つ下の妹は結婚して2歳の甥っ子がいる。好きな食べ物は塩焼きそば、カレー、お酒は缶酎ハイを週に数本飲む程度。タバコは吸わない。
最低でもこのくらいの設定は欲しいところです。
2.3.ここでは省略します。
みなさんは、どのくらい細かくか設定しましたか。
次にそれを基に、A共用部を綺麗に、B設備を整える、C賃料や募集条件を適切に設定する、D客付け業者に利益をもたらすプランを考えます。そして、その要はマーケティングとなります。ターゲット・セグメントの見極めや設定がABCDを企画する基本となります。
これを『満室経営の2つのターゲットと4つの進め方』と言います。
まずは、A物件の共用部を綺麗にします。ゴミや雑草はなく、チラシも散乱せず、『綺麗だな』『管理が行き届いているな』と思ってもらえる状態を維持します。
これは、ゴミ屋敷にするような人であったとしても、借りるときに汚いところはイヤだと思うのです。どんなターゲット・セグメントの人でも、共用部が荒れていて、草ボーボー、チラシやごみが散乱しているアパートやマンションはイヤだと思うんです。
うちも、空室が出たときは、必ず現地を確認し、何かあれば持参した掃除道具ですぐに清掃します。除草したり、稀になぜか自然に生えてくる木を切るときもあります。
私も、前に残念なことをしています。空室が発生して行ったときに時間がなく掃き掃除だけで帰ってきたことがあります。そのすぐ後の案内では、決まらず、またしばらく忙しくて現場に行けませんでした。すると、やはり部屋は決まらないのです。
敷地の周りに雑草があり、後日清掃中に発見しましたが、その雑草の中には、入居者のものと思われる洗濯物や靴が落ちていたのです。これじゃ決まりませんよね。
明日は、Bの設備の内容を考えます。
空室がある方は、Bの設備の内容を考えてみてください。