またしてもジャンクコーナーからF4を救出してきました。
以前紹介したのはF4sでしたが、今回はノーマルのF4です。
500円・・・
ジャンクとはいえ、かつてのフラッグシップ機が何とも嬉しいやら悲しいやら。
ファインダーを覗いてみたところ、ファインダーの液晶やフォーカシングスクリーンにカビがいくつか見えましたが
電池を入れてみた所、露出計は反応したので連れて帰ってきました。
このF4は雨ざらしで放置されていたのか、砂があちこちの隙間に入り混んでおり、シンクロ接点など
金属部分がところどころ錆びていました。
こんな状態で中古査定に持ってきたらそりゃジャンク査定になるでしょうねぇ・・
ただでさえ不人気のF4。
F4は既にメーカー修理がとうに終了しており、仮に他の修理屋で修理出来たとしても
程度のいい、F4の中古が2台買えてしまうような費用になってしまいます。
F3より後発にも関わらず、生みの親からも見放されたF4は不憫としかいいようがありません。
裏蓋を開けるとシャッターやフィルム室も割と綺麗だったので水没品ではないようでした。
幸い、ファインダーやフォーカシングスクリーンのカビは分解しなくても清掃出来る範囲だったので
視界もクリアになりました。
外装も出来る限りの清掃をし、何とかサマになりました。
F4云々は以前も書いたので省略します。
ノーマルのF4を改めて眺めてみると思いのほか、F4sに比べて大してコンパクトになっていないような・・・
そしてやっぱり重い・・・。
F3+MD-4とノーマルのF3とではだいぶ見た目も重さも変わるのですが、F4はノーマルですら軽快さに欠ける。
間違っても散歩カメラで連れ出そうという気が起こりません。。
試しにフィルムを入れてみると、ちゃんとローディングするものの、モーターがへたっているのかフィルムの巻き上げも巻き戻しもパワーが不足気味。
そしてF4お決まりのプレビュー鳴き。
このF4はややくたびれた戦士ですがそれでも撮影自体には支障は無いし、最悪フィルム巻き戻し時に停まっても
手動で巻き戻し出来るのがF一桁機の強み。
流石は伝統あるフラッグシップ機。
このF4も誇りを失ってはいなかった。
現在のFX Gタイプレンズも使えるのがF4の凄さ。(プログラム・シャッター優先のみ。VRは不可。)
Ai連動ピンを跳ね上げれば非Aiのオートニッコールも付く。
Fシリーズの中でもその柔軟性の高さはピカイチ。
F4ってよくオートフォーカスが遅いって酷評されているのですが今のAF-Sレンズ、例えば上の写真のようにマイクロ60mm 2.8Gとか付けたら
普通に速いです。
ボディ側のモーターでレンズを駆動するAF-NのDタイプレンズではAFの高速化も限界だったんでしょうねぇ。
「ジーコジーコ。」「ギュイーン、ギュイーン。」と、うるさいAF-NのDタイプレンズはあんまり好きじゃありませんでした。
F4って、AFが遅いというよりはピント精度に厳しいんだと思います。
AF測距点内にある被写体がコントラストがあまり無いようなものだと簡単にピントにOKを出さないので、
レンズがジーコジーコ迷いいつまでも経ってもピントが合いません。
結果、「F4はAFが遅い」みたいな烙印を押されたんだと思います。
よくF4は、(AFも出来る)最高のMF機とも言われますが、個人的にはMFで撮る分にはF2やF3の方がピントの山が掴み易いので
そちらを使います。
何せジャンクなのでシャッター速度もちゃんと出ているか疑わしいので試し撮りに。
邪道かもしれませんがマイクロ60mm 2.8Gを付けて。
プラグラムモードHだとシャッタースピードは高速寄りに、絞りは開放気味にカメラが設定してくれるので
とても楽でした。
それにしてもこの露出補正やシャッターダイヤルのロックは無くして欲しいものだ。
F3に引き続き、これもF4の軽快さを損ねている要因の一つだと思います。
まぁでも、F4に軽快さとか求める方がおかしいんでしょうね。
ストラップも付けずに連れ出したF4は重かったですが、近所の猫たち相手に「普通に速いAF」と、「プログラムモード・露出補正のみ」
の楽チン(邪道?)撮影を楽しんできました。
まだ現像に出していないのですが、どうかシャッター精度がまともでありますように。。(-人-;)
(2013.10.18追記)
ニコンSCで点検してもらったところ、シャッタースピード・露出精度は問題なしでした。
巻き戻しクランクのレバーが緩くなっているので治して欲しかったのですがやはり、
「部品払底につき修理不能」でした。
F3より後に発売されたのに可哀想なF4。。