kageの機材庫

Nikon F・F2・F3・F4・F5。Nikon S2。Aisニッコール。Sマウントニッコールetc。一部フジフィルム

ふたたび、4番。

2013-09-08 00:00:00 | ニコン



またしてもジャンクコーナーからF4を救出してきました。
以前紹介したのはF4sでしたが、今回はノーマルのF4です。

500円・・・
ジャンクとはいえ、かつてのフラッグシップ機が何とも嬉しいやら悲しいやら。

ファインダーを覗いてみたところ、ファインダーの液晶やフォーカシングスクリーンにカビがいくつか見えましたが
電池を入れてみた所、露出計は反応したので連れて帰ってきました。

このF4は雨ざらしで放置されていたのか、砂があちこちの隙間に入り混んでおり、シンクロ接点など
金属部分がところどころ錆びていました。

こんな状態で中古査定に持ってきたらそりゃジャンク査定になるでしょうねぇ・・
ただでさえ不人気のF4。

F4は既にメーカー修理がとうに終了しており、仮に他の修理屋で修理出来たとしても
程度のいい、F4の中古が2台買えてしまうような費用になってしまいます。

F3より後発にも関わらず、生みの親からも見放されたF4は不憫としかいいようがありません。


裏蓋を開けるとシャッターやフィルム室も割と綺麗だったので水没品ではないようでした。

幸い、ファインダーやフォーカシングスクリーンのカビは分解しなくても清掃出来る範囲だったので
視界もクリアになりました。
外装も出来る限りの清掃をし、何とかサマになりました。


F4云々は以前も書いたので省略します。

ノーマルのF4を改めて眺めてみると思いのほか、F4sに比べて大してコンパクトになっていないような・・・
そしてやっぱり重い・・・。
F3+MD-4とノーマルのF3とではだいぶ見た目も重さも変わるのですが、F4はノーマルですら軽快さに欠ける。

間違っても散歩カメラで連れ出そうという気が起こりません。。

試しにフィルムを入れてみると、ちゃんとローディングするものの、モーターがへたっているのかフィルムの巻き上げも巻き戻しもパワーが不足気味。
そしてF4お決まりのプレビュー鳴き。

このF4はややくたびれた戦士ですがそれでも撮影自体には支障は無いし、最悪フィルム巻き戻し時に停まっても
手動で巻き戻し出来るのがF一桁機の強み。

流石は伝統あるフラッグシップ機。
このF4も誇りを失ってはいなかった。




現在のFX Gタイプレンズも使えるのがF4の凄さ。(プログラム・シャッター優先のみ。VRは不可。)
Ai連動ピンを跳ね上げれば非Aiのオートニッコールも付く。

Fシリーズの中でもその柔軟性の高さはピカイチ。

F4ってよくオートフォーカスが遅いって酷評されているのですが今のAF-Sレンズ、例えば上の写真のようにマイクロ60mm 2.8Gとか付けたら
普通に速いです。

ボディ側のモーターでレンズを駆動するAF-NのDタイプレンズではAFの高速化も限界だったんでしょうねぇ。
「ジーコジーコ。」「ギュイーン、ギュイーン。」と、うるさいAF-NのDタイプレンズはあんまり好きじゃありませんでした。

F4って、AFが遅いというよりはピント精度に厳しいんだと思います。

AF測距点内にある被写体がコントラストがあまり無いようなものだと簡単にピントにOKを出さないので、
レンズがジーコジーコ迷いいつまでも経ってもピントが合いません。

結果、「F4はAFが遅い」みたいな烙印を押されたんだと思います。


よくF4は、(AFも出来る)最高のMF機とも言われますが、個人的にはMFで撮る分にはF2やF3の方がピントの山が掴み易いので
そちらを使います。

何せジャンクなのでシャッター速度もちゃんと出ているか疑わしいので試し撮りに。

邪道かもしれませんがマイクロ60mm 2.8Gを付けて。
プラグラムモードHだとシャッタースピードは高速寄りに、絞りは開放気味にカメラが設定してくれるので
とても楽でした。

それにしてもこの露出補正やシャッターダイヤルのロックは無くして欲しいものだ。
F3に引き続き、これもF4の軽快さを損ねている要因の一つだと思います。

まぁでも、F4に軽快さとか求める方がおかしいんでしょうね。


ストラップも付けずに連れ出したF4は重かったですが、近所の猫たち相手に「普通に速いAF」と、「プログラムモード・露出補正のみ」
の楽チン(邪道?)撮影を楽しんできました。

まだ現像に出していないのですが、どうかシャッター精度がまともでありますように。。(-人-;)

(2013.10.18追記)
ニコンSCで点検してもらったところ、シャッタースピード・露出精度は問題なしでした。
巻き戻しクランクのレバーが緩くなっているので治して欲しかったのですがやはり、
「部品払底につき修理不能」でした。

F3より後に発売されたのに可哀想なF4。。

プロジェクト X

2013-09-07 00:00:00 | フジフィルム

FUJIFILM X-E1


以前から欲しかったX-E1を買いました。

まずX-Pro1が世に出て、店頭で手に取ってみたもののあまりにAFの遅さに落胆。(ノ_-;)ハア…
その後、X-Pro1よりコンパクトなX-E1が登場したのですがこれも兄貴ゆずりの鈍足カメラ。

店頭で触っては購入をためらうを繰り返す事、約1年弱。
ずっと様子を見ていたのですがフジフィルムがファームウェアを更新する度に不満点が改善されていき、
だいぶ使い易くなったので導入しました。


仕事で普段重たい一眼レフを2台もぶらさげて走り回っているので休日くらいは
もうちょっと軽くてコンパクトなカメラが欲しいと思っていたのですが
コンデジは嫌。ニコワンやマイクロフォーサーズもちょっと・・・

最低限APS-Cのボケ味とISO 1600でも使える高感度は必要。
背面液晶を見て撮るスタイルは余りやった事がないのでファインダーは欲しい。

そこでX-Pro1かX-E1なのですがX-Pro1の光学ファインダーにしっくりこなかったので
ならば電子ファインダーのX-E1でいいではないか。という結論でした。

店頭で結構触っていたので手に入れた感激というものは余りありませんが(汗)

ミラーレスカメラの中では小さなカメラではありませんが一眼レフに比べると
コンパクトで軽く、気軽に持ち出しています。

X-Pro1には質感で譲るものの、クラシックなデザインで気に入っています。

新品のカメラを買うのは6年ぶりです・・・
D700もD800もS5 Proも中古でした。




他のミラーレスとは一線を画す軍艦ダイヤル群。

撮影モードはいわゆるシーンモードみたいなものはありません。
プログラムオートか、絞り優先か、シャッター優先のみです。

キットレンズの18-55には絞りリングがあり、1/3段刻みでカチカチと小気味よく回せます。
ズームもニコンと同じ、右に回せばズームなので個人的には有り難かったです。

露出補正ダイヤルも親指1本でカチカチ小気味良く回るので使い易いのですが、
シャッターダイヤルは固めで使いづらいのが残念です。

あと、絞り優先やシャッター優先ではシャッターを切る前でも設定に合わせてファインダーないし背面液晶の画像も
露出が反映されるのですが、マニュアル撮影では露出が反映されず+-でしか表示されません。
「マニュアル操作を楽しむカメラ」と謳うにしてはとんちんかんな気もしますが、何かメカ的な事情があるのでしょう。

評判どおりまったく動体には向いていません。
EVFもカクカク残像が残りますし、AF-Cもまったく役に立ちませんのでこのカメラを持ち出す時は
動体は捨てています。

そもそもそういうカメラではないのですがついつい欲が出ていけませんね・・(;^_^A

わかりやすいカメラではありますが、使いやすいカメラでは無いです。
動作全般もっさりしているところも含めフジフィルムさんはこういうあと1歩、2歩のカメラを作るのが上手い・・・(笑)




フジフィルムのカメラを使う理由の一つに豊富なフィルムシュミレーションがあります。

S5 ProのフィルムシュミレーションはF1aだのF1bだのF2だのと、どれがどうなのか即座に思い出せず
カメラのHELP機能を呼び出す事がしょっちゅうでしたが、今はVelviaとかAstiaとか、フィルムを使った事がある人には
ピンと来る名称になっています。

個人的に今のお気に入りは寒色傾向でコントラストが程よくあるPro Neg.Hiです。

ドラマチックな風景の時はコントラストの高いVelviaかPro Neg.Hi。
その他スナップの時はスタンダード(Std)のProvia かPro Neg.Hiで今のところやってます。

フジはFinePix Sシリーズの頃からダイナミックレンジが広く定評があったのですがその反面、
場面によってはコントラストが低い、所謂「眠い写真」みたいに感じられる事がありました。
Pro Neg.stdはそんな感じですね。

でも人物ポートレートでナチュラルに、低彩度・低コンラストな写真が好ましい時は使うと思います。
ちょっとファッション写真的に撮る時はPro Neg Hiと、使い分ければ良いかな。

Astiaは余り使ってないのでよく分かりませんが、ポジのAstiaとはちょっと傾向が違うような気が。。(-_-;ウーン



色の再現性ですが残念ながらS5 Proの時のような感動は得られませんでした。

S5 Proを手に入れて舞妓さんや、公園の緑を撮ってみた時にはびっくりしたものでした。(割と最近ですが 汗)
普段使っているニコンと比べて透明感というかクリアな発色で、彩度も低くはないけれど嫌みのない色。

「これがフジの色か・・・」と。

勿論、今のフジの主流であるX-Trans CMOSもニコンより綺麗なのですが、フジらしさはちょっと薄れたような気がします。
このあたりはCCD機であるSシリーズと、CMOS機であるXシリーズ機の違いかもしれません。

その代わりS5 Proでは得られなかった解像感と高感度耐性をXシリーズは実現しましたので
痛し痒しな所です。

夜。ISO 3200、手持ち、シャッター速度1/10秒。
そんな状況でもX-E1ならこなせてしまう。S5 Proには出来ない芸当です。

再びニコンと手を組んで、D800のボディにこの1600万画素のX-Trans CMOSセンサーを積んだカメラを作ってくれないだろうか-

でもそれは叶わない望みなので、是非フジフィルムさんにはこのXシリーズをとことん発展させて欲しいものです。
一眼レフを作っていないので、ニコンやキヤノンみたいに「一眼レフに遠慮したミラーレス」を作らなくて良いのですから。

X-Pro1も世に出て2年。秋には後継機の話が具体的になってくるでしょうか。
X-E1もそのうち後継機種が出るでしょう。

しばらくフジフィルムさんのプロジェクトXを見守って行きたいと思います。