S2のブラックペイントを手に入れてから、「やっぱ黒に限るなぁ。」と思い、FかF2の黒が
気になりはじめました。
Fの黒を買うならば、日本光学東京マークの前期型が欲しいのですが、とても高いです。
何よりFは既にシルバーの前期型を持っているので「色違いで揃えてもなぁ・・・」と思い、
現実的に考えるとF2黒に落ち着きました。
F2黒でも外観の程度の良い物は未だに3万円以上します。
カメラ全般かもしれませんが、ペンタ部にアタリや凹みetcがあるかないかで、値段が大きく変わります。
が、そんなに使用頻度が高くないものに大きな出費は出来ません。
今回は1万5000円のボコボコのF2黒を買う事にしました。(カビ有り・爪なしジャンクのNIKKOR-H・C 50mm f2付き)
ご覧のとおり、ペンタ部に凹みあり。正面からは分かりませんが、サイドや裏蓋、
底の至るところが塗装が剥げて、下地の真鍮が出ています。
「使い込まれた鎧」のような佇まいが感じられてそれは気に入っているのですが、モルトが全般的に劣化した状態
でしたのでパサパサな部分を除去しました。
フォーカシングスクリーンもモルトの粉で汚れていたので、F・F2用のフォーカシングスクリーンB型の予備があったので交換しました。
これで視界はスッキリしました。
ミラーもモルトの粉で汚れていますが、視界に影響がある程ではありませんし、うかつに触れない方がいいので
そのままにしておきました。
裏蓋のモルトが一番心配でしたが、試写したところ感光なども無く普通に使えています。
巻き上げはちょっと調整が必要です。
「ギー」という感触で、気持ちの良いものではありません。
余裕が出来たらモルトの交換含め、また調整に出したいと思います。←結局出費がかさむ(笑)
1971年(昭和46年)、Fの後継としてF2は登場しました。
僕のこのF2はシリアルNo.が743****で、1974年7月~9月製造分です。僕の生まれた1年後くらいです。
偉大すぎる「F」の跡を受けて登場したF2は、Fのマイナーチェンジ版みたいなイメージが強いのですが
使い勝手がFと比べてずいぶん向上しています。
地味なところで裏蓋の開閉が蝶番式になり、フィルム装填の時に裏蓋を外さなくても良くなったとか、
シャッターボタンの位置が改善された点とか、裏蓋にフィルムの箱の切れ端を入れるポケットが付いたとか。
地味ですね~(笑)
シャッタースピード最高速度がFの1/1000秒から1/2000秒に上がった事が最大の進化でしょう。
Fは1/1000秒までしかないので日中で絞りをあけたい時はNDフィルターのお世話になっていたのですが、
F2は1/2000秒まであるので、感度100のフィルムでf2.8くらいまで絞りをあけることが出来ます。
シャッター音はFに比べると騒々しいです。
Fが「カシャ!」、F3が「カチャン!」だとすると、F2は「バチン☆!!」です。←分かりませんよね(笑)
ファインダーの見えはFに比べると少し明るく、ピントの山がより掴みやすくなったように感じられます。
裏蓋の光線漏れが心配だったので、試写に連れ出してみました。
お供するレンズはAi Nikkor 50mm f1.4sと105mm f2.5s。
二本とも2月にフォト工房キィートスさんでOHして頂いたレンズです。
ふだん遊んでやっている、もとい、遊んでもらっている猫たち。
F2のシャッター音はやはり、やかましいのでしょう。
いつも撮っている猫たちが「ビクッ」としました。(苦笑)
手前に見えるは愛機、Nikon S2ブラックペイント(後塗り)です。
望遠を使うとき、F2のピントの山の掴みやすさが非常に有り難いです。
ピントが合うにつれ、スーッと被写体が浮かび上がってくるような印象です。
やはりシャッター音がやかましいのか、警戒で耳が立っています。
F2は猫撮りには不向きだという事がよく分かりました(笑)
1/2000秒は今回使う機会がありませんでしたが、ちゃんと出ているか、かなり疑わしいので、また大阪に行く用事が
出来た時にニコンSCさんで測ってみてもらおうと思っています。
それにしても、外観もボロボロ。露出計もないアイレベルだと、気持ちがいいですね。
気兼ねなく、ラフに撮りたい気分に駆られます。
もう外観もボロボロなのでカメラケースにも入れませんし、休憩する時もポイとベンチや地面に置いています。
そんな使い方が似合う、「傷だらけの黒い戦士」。
まだまだ勇退なんてさせません。