kageの機材庫

Nikon F・F2・F3・F4・F5。Nikon S2。Aisニッコール。Sマウントニッコールetc。一部フジフィルム

黒い戦士~Nikon F2

2012-03-29 00:00:00 | ニコン





S2のブラックペイントを手に入れてから、「やっぱ黒に限るなぁ。」と思い、FかF2の黒が
気になりはじめました。

Fの黒を買うならば、日本光学東京マークの前期型が欲しいのですが、とても高いです。
何よりFは既にシルバーの前期型を持っているので「色違いで揃えてもなぁ・・・」と思い、
現実的に考えるとF2黒に落ち着きました。


F2黒でも外観の程度の良い物は未だに3万円以上します。
カメラ全般かもしれませんが、ペンタ部にアタリや凹みetcがあるかないかで、値段が大きく変わります。

が、そんなに使用頻度が高くないものに大きな出費は出来ません。
今回は1万5000円のボコボコのF2黒を買う事にしました。(カビ有り・爪なしジャンクのNIKKOR-H・C 50mm f2付き)




ご覧のとおり、ペンタ部に凹みあり。正面からは分かりませんが、サイドや裏蓋、
底の至るところが塗装が剥げて、下地の真鍮が出ています。

「使い込まれた鎧」のような佇まいが感じられてそれは気に入っているのですが、モルトが全般的に劣化した状態
でしたのでパサパサな部分を除去しました。
フォーカシングスクリーンもモルトの粉で汚れていたので、F・F2用のフォーカシングスクリーンB型の予備があったので交換しました。

これで視界はスッキリしました。

ミラーもモルトの粉で汚れていますが、視界に影響がある程ではありませんし、うかつに触れない方がいいので
そのままにしておきました。
裏蓋のモルトが一番心配でしたが、試写したところ感光なども無く普通に使えています。

巻き上げはちょっと調整が必要です。
「ギー」という感触で、気持ちの良いものではありません。

余裕が出来たらモルトの交換含め、また調整に出したいと思います。←結局出費がかさむ(笑)







1971年(昭和46年)、Fの後継としてF2は登場しました。
僕のこのF2はシリアルNo.が743****で、1974年7月~9月製造分です。僕の生まれた1年後くらいです。

偉大すぎる「F」の跡を受けて登場したF2は、Fのマイナーチェンジ版みたいなイメージが強いのですが
使い勝手がFと比べてずいぶん向上しています。

地味なところで裏蓋の開閉が蝶番式になり、フィルム装填の時に裏蓋を外さなくても良くなったとか、
シャッターボタンの位置が改善された点とか、裏蓋にフィルムの箱の切れ端を入れるポケットが付いたとか。

地味ですね~(笑)

シャッタースピード最高速度がFの1/1000秒から1/2000秒に上がった事が最大の進化でしょう。

Fは1/1000秒までしかないので日中で絞りをあけたい時はNDフィルターのお世話になっていたのですが、
F2は1/2000秒まであるので、感度100のフィルムでf2.8くらいまで絞りをあけることが出来ます。

シャッター音はFに比べると騒々しいです。
Fが「カシャ!」、F3が「カチャン!」だとすると、F2は「バチン☆!!」です。←分かりませんよね(笑)

ファインダーの見えはFに比べると少し明るく、ピントの山がより掴みやすくなったように感じられます。

裏蓋の光線漏れが心配だったので、試写に連れ出してみました。






お供するレンズはAi Nikkor 50mm f1.4sと105mm f2.5s。
二本とも2月にフォト工房キィートスさんでOHして頂いたレンズです。







ふだん遊んでやっている、もとい、遊んでもらっている猫たち。

F2のシャッター音はやはり、やかましいのでしょう。
いつも撮っている猫たちが「ビクッ」としました。(苦笑)

手前に見えるは愛機、Nikon S2ブラックペイント(後塗り)です。














望遠を使うとき、F2のピントの山の掴みやすさが非常に有り難いです。
ピントが合うにつれ、スーッと被写体が浮かび上がってくるような印象です。

やはりシャッター音がやかましいのか、警戒で耳が立っています。

F2は猫撮りには不向きだという事がよく分かりました(笑)




1/2000秒は今回使う機会がありませんでしたが、ちゃんと出ているか、かなり疑わしいので、また大阪に行く用事が
出来た時にニコンSCさんで測ってみてもらおうと思っています。








それにしても、外観もボロボロ。露出計もないアイレベルだと、気持ちがいいですね。
気兼ねなく、ラフに撮りたい気分に駆られます。

もう外観もボロボロなのでカメラケースにも入れませんし、休憩する時もポイとベンチや地面に置いています。

そんな使い方が似合う、「傷だらけの黒い戦士」。


まだまだ勇退なんてさせません。

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