認知症の人は夕方になると症状が激しくなって、徘徊をしたり大きな声を出したりするのだそうだ。
夕方になると気圧が下がり、その影響とのこと。
その様子は「動物園みたい」だそうだ。
今日の先生がそう仰った。
いつもの先生より歳上で色々と「長」のつく役職を歴任しておられる現役バリバリだ。知識も実力も一流だと思う。
しかし、「動物園みたい」という言葉を聞いた私はショックだった。
私の母は認知症だ。その同じ病を患っている方々がおられる施設が「動物園みたい」
であれば利用者は「動物みたい」ってことか。私の母も。
何気ない一言に本音が出ると思う。
介護現場で働く人を指導する立場の人からこの言葉が出たのはショックであるが、
これが現実。これから働く現場で同じような場面に遭遇するであろう。
今、母を介護してくれている方々はすごく優しく、丁寧で、「心の芯からそういう方々なんだな」と感じているが、それも「ホントはどう思ってるんだろう」と思ってしまった。あの方々を疑いたくない。
今日の授業では「利用者の尊厳を大切に」というような言葉も出てきた。
これが介護現場の現実であり、人間の社会。
昔、国語の授業で習った。「理想の反対語が現実」。「これには部分的にそうなんや。」と異論を唱えたいが、それは逆に「部分的に言えてる」ということだ。