取締役の報酬の決定方針の「透明性」を求めた
会社法改正の解説記事(一般向け)。
一番大きな影響がありそうなのは...
「2つ目として、上場企業などの一定の会社では、取締役の個人別の報酬内容の決定方針、つまり、取締役それぞれの報酬の内容をどう決めるかの方針を取締役会で決定し、その内容の概要を開示しなければならないことになりました。」
「今回の改正では、さすがに取締役の個人別の報酬額を開示することまでは求めず、取締役の個人別の報酬の決定は、従来どおり取締役会や代表取締役に一任することは認めるものの、取締役の個人別の報酬内容をどう決定するのかの方針(決定方針)を、取締役会で決議しなければならないことになりました。こうした報酬の決定方針の義務のある会社は、すでに述べた社外取締役の選任義務のある会社と、監査等委員会設置会社になります。」
「具体的には、金銭報酬に関しては、報酬額や計算方法をどのように決定するかについて、また、報酬の決定を代表取締役などに一任している場合には、具体的に誰にどこまでの権限を一任しているかなどについて、報酬の決定方針の内容として取締役会で決議する必要があります。
このように、取締役の報酬について、現在の取り扱いを大きく変えるものではないものの、現在よりは少し踏み込んだ形で、その決定方針の「透明性」を求めたのが、今回の改正といえます。
また、公開会社である株式会社は、こうした報酬の決定方針の内容の概要を、事業報告という、定時株主総会の際に株主に送付する書面で、株主に開示しなければならないことになりました。」
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