会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

ビットコインを買い込む日本人投資家の末路(東洋経済より)

ビットコインを買い込む日本人投資家の末路
日本人はいちばん遅れてブームに乗ってきた


『アフター・ビットコイン』という本の著者へのインタビュー記事。

「これは弾けてみないとわからないのですが、今年の夏ごろから世界のビットコインの半分以上を買っているのが日本人です。相場が相当高いところで買っているので、高値づかみをしている可能性があります。」

「今まで中国人が9割以上を買っていましたが、政府が禁止しました。中国勢がいなくなったところに、周回遅れで日本人が買っている。テレビでCMが流れたり、「資金決済法」で金融庁が規制したとアナウンスされたりして、なんとなく安心感が出てきた。今では世界でいちばん買っているのが日本人で、6000ドルから8000ドルで買っています。もし今バブルが弾けると、日本人がいちばん損をするんです。いちばん遅れてブームに乗っているので。」

金融庁が、取引所の登録制を導入したり、ASBJが仮想通貨の会計処理基準案を出したりというのが、ブームに油を注いだのでしょう。

「実は、ビットコインには投資指標がないので、高いのか安いのかがわかりません。株の場合には、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの投資指標があって、それらの指標をみて買われすぎ、売られすぎがわかりますが、ビットコインには価格のアンカーになる指標がないので、まったくわかりません。上がったから買う、買うから上がる、みたいな展開になりやすいのです。」

「またビットコインに、そもそも本源的な価値があるのかという点も疑問です。「コーポレートファイナンス」という最近主流の考え方があります。これは、金融資産、つまり株や不動産の価値は、それが将来生み出す「キャッシュフロー」(利子や配当など)を現在価値に変換したものに等しいというものです。下図のように、毎年得られるキャッシュフローを足し合わせていって、それを現在価値に計算し直したものが資産価値になります。ビットコインは、持っていても配当も利子も賃貸収入もないので、得られるキャッシュフローはありません。元がゼロなので、ゼロを現在価値に直してもゼロです。」

「BIS(国際決済銀行)の報告書では「仮想通貨の本源的な価値はゼロである」と言い切っているんです。」

ASBJの会計基準案では、仮想通貨は時価評価だけれども、取引がなくなったような場合は、原価(必要に応じて評価減)ということになっています。普通の金融商品であれば、取引がまばらとなり、取引所の相場が成立しないような場合でも、将来キャッシュフローに基づくような何らかの評価モデルで時価を推定することは可能ですが、仮想通貨では、今のところ、そのような評価モデルはありません(本源的な価値がゼロだとしたらモデルを作りようがない?)。評価減が必要という場合に、いったいどの金額まで評価減すればいいのでしょう。

ビットコイン投機あおる日韓当局、規制が裏目に(ロイター)

「仮想通貨ビットコインは、アジアで規制当局という予想外の仲間を見つけた。世界の取引規模が3000億ドル(約34兆円)に膨らんだビットコイン市場において、日本と韓国は現在その約半分を占めている。

日本はビットコインなどの仮想通貨を扱う取引所を公式に認めている。韓国も検討している。こうした動きはリスクを封じ込めるためだが、同時に、仮想通貨の受け入れを奨励し、この触れることのできないキャッシュの魅力を高めることにもつながっている。」

ビットコインは穴だらけ? 時価と簿価の2通りの評価法(夕刊フジ)

「市場での取引がほとんどない場合は簿価での計上を認める方向だ。ただ、この手法だと、仮想通貨の信頼性が失われるなどして取引が枯れながら、忘れた頃に高値で売買が成立する場合には、高い取得価格のまま資産として計上できる難点がある。」

ビットコイン、急落に群がる日本マネー(日経)

「代表的な仮想通貨ビットコインの価格が乱高下している。情報サイトのコインデスクによると、ドル建て価格は日本時間22日夜に1ビットコイン=1万1000ドルを割り込み、17日の最高値(1万9783ドル)から4割下落した。ただ、23日には1万5000ドル台に戻すなど底堅さも見せる。下値で支えているのは日本の個人投資家の押し目買い海外では弱気派がじわり増えており、国内外の投資家がせめぎ合う構図が強まっている。」

4103512814アフター・ビットコイン: 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者
中島 真志
新潮社 2017-10-27

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