More companies obtaining ESG assurance, according to global survey
米国公認会計士協会機関誌より、ESG情報に保証をつけている企業は世界中で増え続けているが、監査人にその保証業務をやらせている割合は、下がり気味だという記事。特に、米国や英国は、監査人にやらせている率が低いそうです。
The percentage of companies worldwide providing assurance on ESG information continues to rise, according to the latest round of data, but the United States and the United Kingdom continue to lag behind when it comes to having auditors provide ESG assurance.
国際会計士連盟（IFAC）などの調査（The State of Play in Reporting and Assurance of Sustainability Information）によると、ESG情報に保証をつけている企業の割合は、2020年には58％にまで増えています（その前年は51％）。
The percentage of companies that had ESG assurance provided on their reporting rose to 58% in 2020 from 51% the previous year, according to The State of Play in Reporting and Assurance of Sustainability Information. The International Federation of Accountants (IFAC) and AICPA & CIMA co-authored the report.
監査事務所やその提携法人によって行われた割合は、2019年が63％だったのに対し、2020年は61％に下がっています。米国では上昇していますが、もともとが低い数字です（2019年が11.1%、2020年が 16.2%）。英国は、前年の53.5% から、 42.3%へと下がってしまいました。
The percentage of worldwide ESG assurance engagements conducted by audit firms and their affiliates went down slightly from 2019 to 2020, from 63% to 61%. The numbers rose in the United States but only from 11.1% to 16.2%. In the U.K., the percentage went from 53.5% to 42.3%.
IFACや米国公認会計士協会は、法定監査の監査人にESG保証業務を行わせるよう、企業に対して提唱していますが、監査事務所に保証業務をやらせている企業のうち、法定監査の監査人が実施している割合は71％だそうです。
IFAC and AICPA & CIMA advocate companies opting to have their statutory auditor also perform ESG assurance engagements, and the survey found that 71% of companies using audit firms for ESG assurance are doing just that.
ESG情報（日本的にはサステナビリティ情報？）の保証業務は、法律上、会計士の独占業務ではないので、誰がやるのかが今後、日本でも問題になるでしょう。保証という点では、会計監査と重なりますが、保証の対象となっている情報は、会計士の専門分野から外れています。しかし、誰がやってもいいとなっても、開示書類にすでにかかわっているという点では、監査人が有利なのでしょう。
日本では、いまのところ、保証をつけている例が少ないので、大きな問題になっていないのでしょう。
（IFACらの上記報告書より）
